
「もっと〇〇があれば幸せになれるのに…」
そう思ったこと、きっと誰にでもありますよね。
でも、その“もっと”を追い続けても幸せになれない。
むしろ、自分を苦しめているのは “足りないもの探し”という思い込み かもしれません。
今回紹介するヒスイ コタロウさんの『幸せにならなくたっていいんだよ』は、
まさにこの“思い込み”を優しくほどいてくれる一冊。
「幸せになるには何かを足さなきゃいけない」
そう信じ込んでいた私たちに、
「本当はすでに99%の幸せを持っている」
という驚きの視点を与えてくれます。
この本のユニークさは、
“オリオン座から届くラジオ放送”という世界観で、
楽しく、軽やかに、人生の思い込みを手放す方法を教えてくれるところ。
・「自分には価値がない」という勘違い
・「お金がないと幸せになれない」という幻想
・「周りに合わせないといけない」という呪い
…そんな多くの人が抱えがちな39の思い込みをスルスルと外してくれます。
もし今、
「人生がしんどい」「幸せになれない」と感じているなら、
この本は必ずあなたの心を軽くしてくれるはず。
この記事では、
本書の中でもキーポイントとなる 3つの学び をわかりやすくまとめました。
読むだけで“心の荷物がスッと消える”感覚を、ぜひ体験してください。
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■ 幸せになりたいと思うほど「今の自分は幸せじゃない」が強まる
多くの人が口にする “幸せになりたい”。
でも実はこの言葉そのものが、
「今の私は幸せじゃありません」
という“無意識の宣言”になっていることを知っているでしょうか?
「もっと◯◯があれば幸せになれる」——終わりなき追いかけっこ
たとえば…
- 「もっとお金があれば幸せになれるのに」
- 「もっと広い家に住めたら…」
- 「もっと見た目がよかったら…」
この “もっと” という発想は、一見前向きに見えますが、実は罠。
なぜなら、
“今の自分は足りていない” という前提のもとに成り立っているからです。
足りないものを追いかける人生にはゴールがありません。
お金を手に入れれば、今度は地位や外見が気になる。
地位が手に入れば、今度は他人の評価が気になる。
欲望は階段のように次々と現れ、
手に入った瞬間「もっと上」が欲しくなる構造 を持っています。
その結果、
「幸せは“未来のどこか”にある」と思い込んでしまい、
幸せは一生、現在に降りてこなくなるのです。
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■ 幸せを遠ざけている正体——それが“思い込み”
著者が特に強調するのが
「幸福度を下げる思い込み」 の存在です。
思い込みとは、自分の中で“絶対の正解”になっているルール。
けれど、その多くは実際には必要のないものばかり。
本書が指摘する「39個の思い込み」の一部
以下のようなものがあります。
- 嫌われてはいけない
- 周りと合わせなければいけない
- 完璧でなければいけない
- 迷惑をかけてはいけない
- お金がないと幸せになれない
- 人の役に立たないと生きる価値がない
これらに共通するのは、
すべて“他人の基準”で生きようとしている という点です。
思い込みが強いほど、幸せは感じにくくなる理由
思い込みが多い人は、
無意識に「理想の自分」「あるべき姿」を設定しています。
するとどうなるか?
- 今の自分とのギャップを感じる
- そのギャップが不足感になる
- 不足感があるから幸せを感じられない
- 幸せになりたいという欲求が強くなる
- さらに「今は幸せじゃない」が強化される
こうして
“幸せになりたい → 幸せを感じられない” のループ
が延々と続いてしまいます。
著者はこれを
「幸せを探すほど、幸せから遠ざかる構造」
と説明しています。
■ 幸せは“足す”のではなく“減らす”と見えてくる
本書の核心はここです。
幸せには“足すこと”より“減らすこと”が効く。
何かを手に入れるのではなく、
思い込みという重りを外すことで、今すでにある幸せに気づける。
足りないものではなく、
気づいていないものにスポットが当たり始めるのです。
- 目が見える
- 歩ける
- 話せる
- 家がある
- 家族がいる
- 今日も無事に生きている
本書では、こうした“当たり前”が実は
宝石のように価値のある幸せそのもの
だと丁寧に教えてくれます。
幸せは未来にあるのではなく、
いつも足元に落ちている。
それに気づくために邪魔しているもの——
それこそが、あなたの中の古い“思い込み”なのです。
■ 1つ目の学び:99%の幸せは、すでに自分の周りにある
――“足りないもの”ではなく、“すでに持っているもの”に目を向ける訓練
このパートで著者が伝えたい本質は、
「幸せは “未来” ではなく “今” の中にある」 ということです。
しかし、私たちが普段しているのはその逆。
「もっと収入が増えたら幸せ」
「家が広くなったら幸せ」
「痩せたら幸せ」
こんなふうに、“幸せ=未来のどこかにある条件” と考えてしまいます。
この思い込みが、幸せを永遠に先延ばしにしているのです。
■ スマホを使った「幸せに気づく」ワークの意味とは?
著者はそこで、誰でもすぐにできる“気づきのワーク”を紹介します。
① スマホのメモ帳を開く
→ 日常にある幸せを「見える化」する準備
頭の中で考えるだけでは、人は「ある幸せ」を認識できません。
文字にすると、脳は「これは現実に存在する」と強く認識します。
② 「当たり前にある幸せ」を5つ以上書く
例はこうです:
- 心臓が動いている
- 歩ける
- 目が見える
- 家族がいる
- 美味しいご飯が食べられる
このリストは一見「当たり前」ですが、
実は一つ欠けるだけで人生の質は大きく変わります。
心臓が止まれば幸福どころではない。
歩けなくなれば行動は大幅に制限される。
視力を失えば世界の見え方そのものが変わる。
家族を失えば心の支えがなくなる。
食事ができなくなれば、人生の楽しみは激減する。
普段意識しないだけで、これらはすべて“とんでもなく大きな幸せ”なのです。
■ ③ 次に「これがあったら幸せなのに」という願いを1つ書く
例えば:
- 年収がもっと増えたら
- もっと痩せたら
- もっと綺麗になれたら
- マイホームがあれば
- 彼氏・彼女ができたら
人が望む「幸せの条件」は、大抵このあたりです。
■ ④ “願い” を叶える代わりに「当たり前の幸せを3つ差し出す」としたら?
ここが、このワーク最大の核心。
もし願いを叶えるために、「心臓」「視力」「歩ける身体」など、
リストから3つを失う必要があるとしたら、交換できますか?
ほとんどの人が「絶対に無理」と答えます。
■ 気づくべき真実
→ 願っている未来の幸せよりも、
“すでに持っている幸せ” の方がはるかに価値が大きい。
私たちが「もっと○○が欲しい」と願うとき、
実は“今の幸せの価値”をほとんど理解していません。
でも、交換条件を突きつけられると、
「当たり前=実は幸せの本体」
だったことに気づくのです。
■ このワークがすごい理由
● “現実の価値” を可視化する
幸せは感情ですが、こうしてリスト化すると、
「自分にはすでに豊かな土台がある」
ことが論理的にわかる。
● “不足ではなく充足” に心が向く
脳は「あるもの」を意識すると、
その価値を強く感じるようにできています(心理学の焦点化効果)。
● 幸せは「なる」ものではなく「気づく」もの
この章の最大のメッセージです。
私たちが思う“願いの幸せ”は、
“すでに持っている幸せ”の土台があって初めて成立します。
- 健康がある
- 安心して眠れる家がある
- 誰かと関係を築けている
- 食事ができる
- 今日という一日が始まっている
これらは、年収アップより
美貌より
新しい家より
はるかに価値が大きい。
だからこそ著者は、こう伝えます。
「99%の幸せはすでに自分の周りにある。
あとはそれに“気づくだけ”だ。」
■ 2つ目の学び:「自分には価値がない」という思い込み
――“欠けている自分”ではなく、“すでにある価値”に目を向ける視点
多くの人が抱える悩みには、こんな共通点があります。
- SNSを見るたび落ち込む
- 自信がなくて行動できない
- 他人と比較してしまう
- 自分だけ劣っている気がする
こうした “負の感情” の根っこにあるのは、実はとてもシンプルな思い込み。
「自分には価値がない」
これです。
しかし、本書はここに光を当てます。
■ 自己否定の裏側には、実は「肯定の種」が残っている
著者が強調しているポイントは驚くほど優しい視点です。
● 「自己肯定感が10%しかない」と感じている人
→ その10%を“持っている”こと自体に気づいていない。
普通、人はこう考えます。
「自己肯定感が10%しかないなんて、ダメだ」
「90%不足している、自分は劣っている」
でも著者の見方は逆。
「たとえ10%でも自己肯定感が“すでに存在している”のだから、
そこを育てれば良い。」
つまり、
● 自分を100%肯定できなくてもいい
● 足りない90%ではなく、“すでにある10%”に注目すればいい
ということです。
■ 10%の肯定感は、人生を動かす「着火点」になる
心理学的にも、これは非常に重要な視点です。
人が行動するときに必要なのは、
完璧な自信ではなく、“動ける程度の小さな自信”だけ。
例えば:
- 「今日は5分だけやってみよう」
- 「一人だけなら話せるかも」
- 「ツイート1つだけなら投稿できるかも」
たったこれだけの“微小な肯定”が、行動を生み、それがまた肯定感を育てる。
自己肯定感は 積み上がる循環構造 になっているため、
10%があるだけで十分スタートラインに立てるのです。
■ 他人と比較して落ち込む理由も「思い込み」だった
SNSや他人の成功を見て落ち込むとき、私たちは無意識にこう思っています。
「他人の成功=自分の失敗」
「他人が優れている=自分は価値がない」
本来は何の因果関係もないのに、
脳が“優劣の直線”を作ってしまう。
でも実際には、価値とは曲線であり立体であり、全員が違う形をしています。
あなたの持っている10%は、
誰かの100%にはないかもしれない。
だから比べる必要は本来どこにもないのです。
■ 自己否定する人ほど「自己肯定の芽」を持っている
本書で特に救いになるのがこの視点です。
● 自己否定が強い人ほど、
実は「こうありたい」という理想や価値観を強く持っている。
なぜなら、
まったく価値を感じなければ、
そもそも落ち込むことさえありません。
落ち込むのは、
「自分に価値があってほしい」という願いがあるから。
つまり、
■ 自己否定は「価値を求めている証拠」
■ だからこそ、肯定の芽が必ず残っている
ということです。
■ この学びの本質
- 完璧な肯定は必要ない
- 10%の自己肯定感でも十分
- その10%を育てると、行動が変わる
- 行動が変わると、自己肯定感が増える
- 自己否定が強い人ほど、その裏に“肯定の種”を持っている
本書が伝えているのは、
「あなたはすでに価値を持っている」
という優しい事実です。
■ 3つ目の学び:お金がないと幸せになれない…は“幻想”
――幸せは“量ではなく質”で決まる
「もっとお金さえあれば…」
「収入が上がったら幸せになれる」
多くの人が信じているこの思い込み。
しかし本書は明確にこう指摘します。
■ お金は必要。でも「お金=幸せ」ではない。
この区別ができないと、幸福は永遠に逃げ続けます。
■ お金で手に入るのは“快適さ”、
幸せを決めるのは“心の状態”
たしかにお金があると、
- 生活が安定する
- 選択肢が増える
- 余裕が生まれる
こうしたメリットはあります。
でも幸福学の研究では、
収入が増えても幸せの上昇には限界がある ことが証明されています。
例えば有名な研究では、
●「年収○○円までは幸福度が上昇するが、それを超えるとほぼ変わらない」
というデータが繰り返し示されています。
つまり、
✔ お金は“最低限の安心”をつくる
✔ でも、その先の幸せはお金では作れない
ということです。
■ 狭い部屋で鍋を囲んだ学生時代の幸福の正体
著者が示している“学生時代の思い出”の例が象徴的です。
狭い部屋
安い鍋
ゲーム機一つ
友達の笑い声
他愛もない時間
あれは、決して「高価な体験」ではありませんでしたよね。
でも、間違いなく幸せだった。
これこそが本書の言う「幸せは質で決まる」という意味です。
幸せの“質”を決めているのは、
- 人とのつながり
- その場の安心感
- 心がほぐれる瞬間
- 誰かと共有できる喜び
こうした“感情のクオリティ”です。
金額とは関係がありません。
■ お金を追いかけると「自分軸」が消える
現代の多くの人が陥っているのは、
誰かに認められたい → 成功しなきゃ → お金を稼がなきゃ
という“承認ドリブンの生き方”。
すると、
- 本当はやりたくない仕事
- 好きでもない人間関係
- 心が疲れる働き方
こうしたものを抱え込み、幸福からどんどん離れていきます。
本書が繰り返し強調しているのは、
■ 他人軸で生きるほど、幸福度は下がる
■ 自分軸に戻るほど、幸せを感じやすくなる
ということです。
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■ 「自分軸」で幸せを取りに行く方が、結果的に成功にも繋がる
皮肉なことに、「幸せをお金に求める」生き方は、
幸福も成功も手に入りづらくなります。
理由はシンプル。
- 無理をする
- 続かない
- 心が消耗する
- 自分が何をしたいか見失う
逆に、自分軸で生きる人は、
- 好きだから続けられる
- 続けるから上達する
- 上達すると成果が出る
という“幸福な成功ループ”に入ります。
成功の中心には、
実は「幸福感」があるのです。
■ この学びの本質
本書が伝えたい3つ目のメッセージは極めてシンプルです。
✔ お金は大事。でも幸せの源ではない
✔ 幸せは“量”ではなく“質”で決まる
✔ 成功より先に「心地よさ」「つながり」「自由」を大切にする
✔ 幸せの軸は、他人ではなく“自分”に置くべき
「お金がないと幸せになれない」
この思い込みを外せると、
- 今この瞬間の豊かさに気づける
- 他人と比べるストレスから解放される
- 自分にとっての幸福の形が見える
- 心の余裕が生まれる
- 結果として人生もうまくいきやすくなる
という良い循環が生まれます。
幸せのスタートラインは、
いつも“今ここ”にあるのだと気づかせてくれる学びです。
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■ まとめ:幸せは“増やす”のではなく“思い出す”もの
翡水小太郎さんの『幸せにならなくたっていいんだよ』は、
私たちがいつの間にか見失っていた“幸せの原点”をそっと示してくれる本です。
- 幸せは、何かを足して掴むものではなく
思い込みを一つ手放すことで立ち現れるもの - 幸せの99%は、実はすでに自分の手の中にあるということ
- 自己肯定感が低くても、
わずかに残った肯定の芽を育てれば十分だという温かい視点 - そして、お金や成功とは別の場所に
本当の幸せが息づいているという事実
心が張りつめてしまった日や、出口の見えない夜。
そんなときにそっと開くだけで、
今ある日常が少し優しく見えてくる——。
それがこの本の魅力です。
「もっと幸せにならなきゃ」と焦る前に、
すでに持っているものの尊さに気づく。
その小さな一歩が、人生を大きく変えてくれます。

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