
🇯🇵「日本の財政はギリシャ以下」?石破総理の発言が突きつけた“絶望”とその本当の問題
2025年5月、国会の場で石破総理が発した衝撃的な言葉——「日本の財政はギリシャより悪い」「金利のある社会は恐ろしい」。
この発言を耳にして、胸をざわつかせた方も多いのではないでしょうか。
かつて国家破綻の象徴とされたギリシャ。その国名を引き合いに出し、自国の財政を「それ以下」と表現したことに、経済界からもネットからも懸念の声が広がっています。
しかし、ここで本当に問題なのは「日本の財政が実際に悪いかどうか」だけではありません。
今回のブログでは、石破総理の発言の何が問題だったのか、そしてなぜこうした“不安を煽る言説”が繰り返されるのかを、経済の基礎知識とともにやさしく解説していきます。

「石破総理の財政発言」への批判とその問題点(学生向けのやさしい解説)
1. 石破総理が国会で言ったこととは?
2025年5月、石破総理大臣は「参議院予算委員会」という公式の国会の場で、次のような発言をしました。
「日本の財政(国のお金のやりくり)は、ギリシャよりも悪い」
「金利がある社会はとても恐ろしい」
この言葉の意味をかんたんに言いかえると、
「日本は、ヨーロッパで財政破綻(借金が多すぎて国が立ち行かなくなった)したギリシャよりももっと深刻な状態だ」
という内容です。
また、「金利(お金を借りたときに払う利子)が上がると、政府の借金返済が苦しくなって日本はもっと危なくなる」とも言いました。
2. なぜこの発言が問題なの?
この発言が問題視されているのは、「日本という国は、世界の中で経済的にとても危ない状態です」と、あたかも“財政破綻寸前”であるかのようなイメージを、国内外に広めてしまったからです。
たとえば、海外の投資家がこの発言を聞いたら、
「え、日本ってそんなにヤバいの?」
「じゃあ日本の国債(政府が借金をするときに発行する証券)を持っているのは危ないかも」
と考えて、日本からお金を引き上げてしまうかもしれません。
その結果、円の価値が下がったり、日本国内の金利が急に上がったりして、日本経済全体が混乱するおそれがあります。
つまり、「日本の総理大臣」という重い立場の人が、根拠が不十分なまま“危機感だけ”を広めるような発言をすると、それだけで国の信用に大きなダメージを与えてしまうということなのです。

2. 石破総理の発言の「何が問題だったのか?」
▶ 総理大臣の発言には“国の顔”としての重みがある
まず大前提として、総理大臣の発言は国内だけでなく、世界中が注目しています。
そのため、もし総理が「日本の財政はギリシャよりも悪い」などと発言すれば、それを聞いた世界の投資家や外国の政府が、
「日本の経済って本当に危ないのでは?」
「日本にお金を預けるのはリスクがあるかも」
と受け取ってしまうかもしれません。
こうした発言は、国際的な信用を下げてしまう危険な行為とも言えるのです。
特に「金利がある社会は恐ろしい」といったネガティブな表現は、不安を必要以上に煽ってしまう可能性があります。
▶ ギリシャと日本は、そもそも「構造が全然違う」
石破総理は「日本はギリシャより財政が悪い」と言いましたが、実はこれは表面的な数字だけを見た誤解にすぎません。
なぜなら、日本とギリシャの「国の借金の仕組み」や「経済の土台」がまったく違うからです。
たとえば:
比較項目 | 日本 | ギリシャ |
---|---|---|
国債の購入者 | 主に日本国内の銀行や年金機構など | 外国の投資家が多い |
通貨 | 自国通貨(円)を発行できる | 自国で通貨を発行できない(ユーロを使っている) |
国の資産 | 政府の金融資産・外貨準備などが豊富 | 資産規模は日本より小さい |
日本は「円」という自分の国の通貨で国債を発行でき、万が一のときは日銀(日本銀行)が国債を買い支えることも可能です。
一方でギリシャは「ユーロ」という自分で自由に発行できない通貨を使っているため、危機に直面したときに柔軟な対応ができません。
つまり、“借金の額”だけで両国を比較するのは非常に危険であり、背景の違いを無視して「日本はギリシャ以下」と発言するのは、正確性を欠く上に、国民と世界に余計な不安を与える無責任な行動なのです。
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3. 「金利が上がるのは怖いこと?」──その考えは本当に正しいのか?
石破総理は、「金利が上がると日本の財政が大変になる」と発言しました。
これは一見、正しく思えるかもしれません。なぜなら、金利が上がると、国が発行している**国債(こくさい)の利子の支払い(=利払い)**も増えるからです。つまり、政府の「借金の返済コスト」が大きくなるというわけですね。
でも、それだけで「金利が上がる=危ない」と決めつけるのは早すぎます。
▶ 金利が上がれば“政府の収入”も増える
実は、日本政府も多くの資産(お金や株式など)を持っています。これらの資産も、金利が上がると運用益(うんようえき)=利息や配当で得られる収入が増えるのです。
つまり、金利が上がって「払うお金(利払い)」が増える一方で、「もらえるお金」も増えるので、バランスを見ないと正しく判断できません。
▶ 国債は日銀が買い支えることもできる
さらに、日本には「日銀(日本銀行)」という中央銀行があり、もし国債の金利が急に上がって政府の財政が不安定になりそうなときは、日銀が国債を買い取って支えることもできます。
これは、ギリシャなど他の国(特にユーロを使っている国)にはできない日本ならではの強みです。
つまり、「金利が上がるだけで日本は破綻する」という考え方は、一面的で大げさすぎるということです。

4. なぜそんな“ネガティブな情報”ばかりが広がるの?
ここまで見てきたように、「日本はもうダメだ」「金利が上がったら終わりだ」という話には、冷静な反論や根拠のある視点がいくつもあります。
それなのに、なぜ総理大臣までがこうした不安をあおるような発言をしてしまうのでしょうか?
▶ 背景には“財務省”の強い影響力
日本では、国の予算や財政を管理している「財務省(ざいむしょう)」という役所がとても大きな影響力を持っています。
この財務省は、「支出をできるだけ減らすこと(=緊縮財政)」を基本の考え方としています。
つまり、「借金は悪い」「減税なんてとんでもない」「もっと税金を集めなければ」という考え方です。
そしてこの“緊縮財政の考え方”が、政治家やマスコミにまで広がり、まるでそれが「正解」であるかのように日本中に浸透しています。
▶ メディアも「本質的な議論」をしないまま報道
多くのテレビや新聞などのマスコミも、財務省の言い分をほとんどそのまま報道しています。
だから、たとえ総理大臣が不安をあおるような発言をしても、マスコミがきちんと反論したり、専門家の意見を紹介したりすることが少ないのです。
その結果、国民の多くが「日本は本当にやばいんだ」「減税は無理なんだ」と思い込んでしまい、経済に対する希望や意欲を失ってしまいます。
このように、日本の財政に対する「過度な悲観論」が広がる背景には、政治・官僚・メディアの構造的な問題があるのです。

5. 国民の気持ちが経済を悪くする?──“不安の連鎖”という悪循環
日本の経済がなかなか元気にならない理由は、お金や仕組みの問題だけではありません。
実は、「国民の気持ち(=心理)」が、経済にとても大きな影響を与えているのです。
▶「将来が不安」だと、人はお金を使わなくなる
もしあなたが「将来、仕事がなくなるかもしれない」「年金がもらえないかもしれない」と思っていたら、どうしますか?
- 無駄遣いはやめてお金を貯めよう
- 結婚や子育てはリスクが高いからやめよう
- 新しいことに投資するのは怖い
——そう考える人が多くなりますよね?
これは人として自然な反応ですが、みんなが“守り”に入ると、社会全体のお金の動きが止まってしまいます。
買い物をする人が減れば、お店の売上が減り、給料も上がらなくなり、企業も投資を控えるようになります。
こうして、経済がどんどん縮んでいくのです。
▶ 経済が縮むと、もっと大変なことが…
経済が悪くなれば、政府の税収も減ります。
すると今度は、政府が「お金が足りないから消費税を上げよう」「社会保険料をもっと集めよう」となり、私たちの負担がさらに増えることになります。
つまり、「将来が不安 → お金を使わない → 経済が悪くなる → もっと不安になる」という、**悪いサイクル(悪循環)**が続いてしまうのです。
▶「希望を与えるリーダー」の重要性
こういう状況だからこそ、本来、総理大臣のような国のリーダーは、「日本の未来には希望がある」「安心して生活できる社会をつくる」と国民を励ます役割があるはずです。
ところが今回のように、石破総理が「日本はギリシャよりもひどい」などと発言すると、
「やっぱり日本はもうだめなんだ…」
「今のうちに節約しなきゃ」
「子どもなんて産んでる場合じゃない」
と、国民の気持ちがどんどん暗くなってしまいます。
これがまさに、“国のトップの発言が経済悪化を加速させる”という、希望のない政治が生む負の影響なのです。

🔚 おわりに 〜私たちが希望を持つために〜
今回の石破総理の発言は、単なる言い間違いでは済まされないほど、経済にも、そして国民の心にも大きな影響を与えるものでした。
そして、それを正しく指摘せずにスルーしてしまうマスコミの姿勢にも、深い問題があります。
でも、だからこそ今、私たち一人ひとりが「正しい知識」を持つことが大切です。
数字や肩書きに惑わされず、複数の経済学者の意見を聞いて比べてみる。
それが、未来に希望を持つための第一歩です。
国のトップが希望を示さないのなら、私たちがまず冷静に学び、考え、声を上げることが、日本の明日を少しでも明るくする力になるのではないでしょうか。
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