
「最近、夫に対してイライラすることが増えた」「昔は仲が良かったのに、今はなんだか距離を感じる」――そんな風に感じたことはありませんか?
結婚生活が長くなるにつれ、夫婦の関係性は変化します。特に、女性の多くが「年を取るにつれて夫を嫌いになってしまう」と感じることがあるのです。これは決して特別なことではなく、多くの夫婦に共通する現象です。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか? そして、それを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
心理学者アルフレッド・アドラーの理論をもとに、夫婦関係の変化の理由と、その解決策について詳しく解説していきます。あなたの結婚生活をより良いものにするためのヒントが、きっと見つかるはずです。
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なぜ女性は年を取ると夫を嫌いになるのか?
結婚当初、夫婦はお互いに強い愛情を持っています。しかし、年月が経つにつれて、その関係が徐々に変化し、最終的に「夫を嫌いになる」という感情を抱く女性が増えていくのはなぜでしょうか?
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1. 夫婦関係は時間とともに変化する
結婚当初は、夫婦はお互いを大切にしようと努力します。例えば:
- 夫は妻を喜ばせるためにサプライズをしたり、愛情を言葉にしたりする。
- 妻も夫のために尽くし、支え合おうとする。
しかし、日常生活が安定し、結婚生活が長くなるにつれて、こうした努力が少なくなることが多いのです。
お互いの存在が「当たり前」になり、新鮮さやときめきが薄れていくことで、関係の変化が始まります。

2. 女性が夫に心を閉ざす理由
特に女性の方が、夫に対して心を閉ざすことが多くなります。その主な理由は以下の3つです。
① 感情的なつながりの不足
結婚当初は、夫婦の会話の内容も深く、お互いの気持ちを知ろうとする姿勢が強いものです。
しかし、時間が経つと会話の内容は次第に変化します。
- 結婚初期の会話:
「今日はどんな一日だった?」
「どんなことを考えている?」
「将来、どんなことを一緒にしたい?」 - 年月が経った後の会話:
「ご飯できた?」
「明日の予定は?」
「洗濯してくれた?」
このように、日常の用事に関する会話が増え、感情的なつながりを感じる機会が減っていきます。
女性は「私は夫にとって大切な存在なのか?」「本当に私のことを理解しようとしているのか?」と疑問を持ち始めます。

② 「心の仕事」の偏り
結婚生活には、「目に見える仕事」と「目に見えない仕事」があります。
- 目に見える仕事: 家事、育児、仕事、お金を稼ぐことなど。
- 目に見えない仕事(心の仕事):
- 家族の誕生日を覚える。
- 夫の親族との付き合いを維持する。
- 子どもの学校行事や友人関係を把握する。
- 家庭の雰囲気をよくするために気を配る。
多くの家庭では、この「心の仕事」を女性が一手に担っています。
そして、夫がその負担に気づかず「当たり前」と思っていると、妻は「私はこれだけやっているのに、夫は気にも留めていない」と不満を感じるようになります。
この不満が長年にわたって積み重なると、「私は夫に大切にされていない」「夫は私の努力を評価してくれない」と思うようになり、心を閉ざしてしまいます。
③ 家事・育児の負担の偏り
家事や育児は、結婚初期からずっと続く「終わりのない仕事」です。
特に日本などでは、依然として家事や育児の多くを女性が担うケースが多く、その負担が夫婦関係に大きな影響を与えます。
例えば:
- 夫は「仕事が大変だから」と家事を手伝わない。
- 妻が毎日食事を作り、掃除をし、子どもの世話をするが、夫は感謝の言葉をかけない。
こうした状況が長く続くと、女性は「私はあなたの母親ではない!」「なぜ私だけがこんなに頑張らないといけないの?」と強い不満を持つようになります。

3. 突然の変化ではなく、小さな不満の積み重ね
多くの女性が「夫を嫌いになった」と感じるのは、ある日突然ではありません。
むしろ、長い時間をかけて少しずつ関係が悪化していきます。
積み重なる不満の例
- 夫が誕生日を忘れた → 「まあ、仕方ないか」
- 子どもの行事に関心を持たない → 「私がやるしかない」
- 夫が家事を手伝わない → 「言っても変わらないから、もういい」
- 夫との会話が減る → 「どうせ話しても聞いてくれないし…」
このように、「最初は我慢していたこと」が少しずつ積み重なり、やがて大きな壁となってしまうのです。

2. 夫婦関係が悪化する主な原因
以下の6つの原因が、女性が夫を嫌いになる理由として挙げられている。
①「心の仕事」の負担とは?
家庭内の仕事には大きく分けて 「目に見える仕事」 と 「目に見えない仕事」 の2種類があります。
✅ 目に見える仕事とは?
- 料理・洗濯・掃除などの家事
- 子供の送り迎え、育児
- 買い物
- 仕事をしてお金を稼ぐこと など
これらは 「やった」「やっていない」が明確 であり、結果がすぐに目に見えるため、誰がどのくらいの負担を担っているか比較的わかりやすい仕事です。

✅ 目に見えない仕事(心の仕事)とは?
一方で、家族が円滑に生活するために必要なのに 「見えづらい仕事」 も多く存在します。
例えば:
- 家族の誕生日を覚える・準備する
- 夫の親戚との付き合いを維持する
- 子どもの学校行事を把握する
- 子どもの友達の名前や親の情報を覚える
- 家族旅行やイベントの計画を立てる
- 家の中の物の管理(どこに何があるかを把握する)
- 夫や子供の体調管理(病院の予約や服薬の管理)
- 夫のスケジュールを把握し、調整する
これらは 「目に見えないからこそ気づかれにくい」 ものですが、家族関係を円滑にするためには欠かせません。

「心の仕事」の負担はなぜ女性に偏るのか?
多くの家庭では、これらの 「目に見えない仕事」 を妻が担っていることが多いです。その理由は以下の通りです。
① 伝統的な役割意識
- かつては「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という価値観が強かった。
- その影響で、家族の細かい気配りや管理は 「妻の仕事」 だと無意識に考えられてきた。
② 夫が気づかない
- 夫の多くは 「家族が円滑に回っているのは妻の努力のおかげ」 とは考えていない。
- 妻が「全部こなしてくれるから」夫は気づかず、「自分には関係ない」と思ってしまう。
- 例えば、妻が夫の母親の誕生日を覚えていて、プレゼントを準備してくれると、夫は「ありがとう」と言わず、当然のように受け取る。
③ 妻がやらなければ生活が成り立たない
- 妻が「もうやめた!」と思っても、結局 「誰かがやらなければならない」 ため、仕方なく引き受ける。
- 「夫に任せたら忘れられる」「子供に影響が出る」などの不安から、結局妻が負担し続けることになる。
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「心の仕事」の負担が女性に与える影響
1. 精神的なストレスが増える
- 家族全員のスケジュールや感情の調整を担うのは、大きな精神的負担になる。
- しかし、その努力を誰も気づかず、感謝されないと「私は何のためにやっているの?」と虚しくなる。
2. 不公平感が募る
- 夫は「俺は仕事を頑張っている」と思っているが、妻も仕事や家事をしながら 「家族の調整役」 もこなしている。
- 夫婦の間で「負担の公平感」がないと、「私ばっかり頑張っている」と不満が蓄積する。
3. 夫への愛情が冷める
- 長年「心の仕事」をこなし続けるうちに、妻は夫に対して 「頼れるパートナーではなく、世話をしなければならない存在」 という認識を持つようになる。
- その結果、夫への愛情が徐々に冷めていき、最終的には「嫌悪感」につながる。
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② 会話の質の低下
- 結婚当初は深い会話が多かったが、次第に「今日のご飯は?」「明日の予定は?」のような表面的な会話が増える。
- 女性は「私はもう大切にされていない」と感じるようになる。
- 話しても夫は上の空で、まともに聞いてくれないと、女性は孤独を感じる。

③ 家事の負担の不公平さ
- 結婚後も家事の大部分は女性が担うことが多い。
- 夫が家事を手伝わないと、女性は「私はあなたの家政婦なの?」と感じるようになる。
- 長年続くと「私は大切にされていない」と思い、夫への嫌悪感が募る。
④ 成長のスピードの違い
- 子育てが終わると、女性は「新しいことを学びたい」「世界を広げたい」と思うようになる。
- しかし、夫は「今のままでいい」と変化を嫌がる。
- その結果、「私だけが成長している」「夫はついてこない」と感じ、心が離れる。
⑤ 親密さ(スキンシップや心のつながり)の喪失
- 時間が経つと、夫婦の触れ合いが減り、目を見て話すことも少なくなる。
- 女性は「私はもう魅力がないの?」「夫にとって私はどうでもいいの?」と感じるようになる。
- これが続くと、女性は自分を守るために心を閉ざしてしまう。
⑥ 退職後の問題
- 夫が退職すると「暇になった夫が妻に依存する」問題が発生する。
- 「今日は何する?」「どこ行く?」と、妻にべったり。
- 女性は「私はあなたの遊び相手ではない!」とストレスを感じる。
- 夫は退職後に新しい目標を持たないと、妻に負担をかけることになる。
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3. どうすれば夫婦関係を改善できるのか?
- 毎日しっかり会話をする
- 「今日はどうだった?」と心から聞く。
- スマホやテレビを見ながらではなく、目を見て話す。
- 「心の仕事」を分担する
- 家族の誕生日や行事を覚えるのは妻だけの仕事ではない。
- 夫も積極的に関わることで、妻の負担を軽減できる。
- お互いの成長を応援する
- 妻が新しいことに挑戦するのを否定せず、応援する。
- 夫も自分の世界を広げる努力をする。
- 感謝の気持ちを伝える
- 「ありがとう」を言葉で伝える。
- 「朝ごはん作ってくれてありがとう」「洗濯してくれてありがとう」と、小さなことでも感謝を伝える。
- 共通の目標を持つ
- 一緒に旅行する、趣味を楽しむなど、夫婦で共有できる目標を作る。
- これにより、2人の方向性が一致し、つながりが深まる。

4. まとめ
- 女性が年を取ると夫を嫌いになるのは、長年の不満が積み重なった結果。
- 「心の仕事の負担」「会話の質の低下」「家事の不公平さ」「成長の違い」「親密さの喪失」「退職後の問題」などが原因となる。
- 夫婦関係を改善するには「毎日の会話」「心の仕事の分担」「感謝を伝える」「お互いの成長を応援する」ことが大切。
- 愛は一夜にして消えるものではなく、日々の小さな行動の積み重ねが重要。
このように、アドラー心理学では「人は変われる」と考えます。今からでも夫婦関係を良くすることは可能です。
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