今回は、ブレンドン・バーチャードさんが書かれた『世界3万人のハイパフォーマー分析で分かった成功し続ける人の6つの習慣』という本を解説します。今回の目次は下の通りです。
- 先天的な資質を超えるハイパフォーマンスの探求
- 個人のパフォーマンスを高める3つの習慣
- 社会的価値を高める3つの習慣
この順番で解説していきます。成功する人とそうでない人の差は何でしょうか？多くの人は、ただ頑張っているように見えても、実際には壁にぶつかったり自分の限界を感じていることが多いです。しかし、一部の人はそれを乗り越え、長期的な成功と充実した人生を手に入れます。本書は、彼らがどのようにしてその境地に達しているのか、20年の研究と豊富なデータを元に解き明かしています。自分のエネルギーをどこに集中させるべきか、どうすれば最大限の貢献ができるかを学び、自信を持って行動できるようになるので、おすすめの本です。
 | 成功し続ける人の6つの習慣 世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった [ ブレンドン・バーチャード ] 価格:2530円 |
先天的な資質を超えるハイパフォーマンスの探求
1つ目の章「先天的な資質を超えるハイパフォーマンスの探求」に入ります。この章では、3つのポイントを解説します。
- 成功の要因は努力で伸ばすことができる
- 強みだけでは全く足りない
- 1つの習慣が他の全てを底上げする
成功の要因は努力で伸ばすことができる
まず1つ目のポイント「成功の要因は努力で伸ばすことができる」について。著者は自己啓発と能力開発に関する世界最大級の研究機関を運営しています。その情報を基にアンケート調査やインタビュー、行動の分析を行い、人々が成功するために何が重要なのかを研究しました。著者の研究からわかったのは、成功には努力や情熱、練習、自己規律が重要であり、それらは才能やIQよりも大切だということです。成功するための習慣や行動は誰にでも実践できるものであり、それが成功の鍵です。
強みだけでは全く足りない
次に2つ目のポイント「強みだけでは全く足りない」について。成功するために大事なのは、生まれつきの才能や強みだけではありません。たとえば、自分が優れた資質や才能を持っていても、それだけでは足りないのです。重要なのは、成功に必要なHP6と呼ばれる6つの習慣を実践することです。HP6には、自分が何を求めているかを明確にし、エネルギーを保ち、意欲を持ち、目標に集中し、対人スキルを高め、勇気を持つことが含まれます。どんなに素晴らしい資質を持っていても、これらの習慣が欠けていると成功は難しいのです。
1つの習慣が他の全てを底上げする
そして3つ目のポイント「1つの習慣が他の全てを底上げする」。HP6は全ての良い習慣に適用できるメタ的な習慣です。1つの習慣を実践することで全体的なパフォーマンスが向上します。たとえば、明確化の習慣を持つことで、自問自答や内省の能力が自然に身につきます。さらに、HP6の習慣には幸福感との強い関連があります。研究によると、HP6のスコアが高い人ほど、より幸せに暮らしている傾向があります。
個人のパフォーマンスを高める3つの習慣
続いて2つ目の章「個人のパフォーマンスを高める3つの習慣」に進みます。この章では、以下のポイントを解説します。
- 全てを明確にする
- エネルギーを高める
- 必然性を高める
全てを明確にする
まず1つ目のポイント「全てを明確にする」。ハイパフォーマーは4つのビジョンを重視しています。まず、自分自身に対するビジョンです。ハイパフォーマーは自分の現在の状態を内省し、なりたい自分を意識的に描くことが重要だと考えます。内省とは自分の現状を知ること、意図とは未来の自分を具体的に描き、それに向かって行動することです。目指す自己像を明確にし、その姿を常に意識して行動することで、理想の自分に近づくことができます。
次に、対人関係に関するビジョンがあります。ハイパフォーマーは、他者との関係においても明確な意思を持ち、社会的知性を駆使して相手の期待やニーズに応えようとします。他者からどのように記憶されたいか、どのように尊敬や感謝を得たいかを考え、それに基づいて行動します。尊敬や感謝されることが重要な価値観となり、これが対人関係における基盤となります。
また、スキルに対するビジョンも重要です。ハイパフォーマーは将来成功するために必要なスキルを明確に認識し、その習得に意識的に取り組みます。特定の興味や情熱を持つ分野に焦点を当て、専門的なスキルを磨くことに注力しています。
最後に、他者への貢献に関するビジョンもあります。ハイパフォーマーは、他者や社会にどのように貢献できるかを常に考え、その貢献を通じて自己成長を図ります。自分が将来どのように評価され、記憶に残りたいかを意識し、それに基づいて行動することが大切です。これらのビジョンを意識し、それぞれの領域で具体的な行動に落とし込むことで、ハイパフォーマーは高い成果を上げることができています。
エネルギーを高める
次に2つ目のポイント「エネルギーを高める」。ハイパフォーマーは、体や心のエネルギーを高め、長時間集中できるようにします。エネルギーが少なくなると、元気がなくなり、ストレスが溜まり、健康にも悪い影響を与えることがあります。しかし、エネルギーを増やすことで、仕事や勉強の成果が上がり、自信もつきやすくなります。エネルギーは日々の習慣でコントロールできるので、ポジティブに行動することが必要です。
エネルギーを増やす簡単な方法として、トランジションを活用することがおすすめです。トランジションとは、ある活動から別の活動に移るときの切り替え時間を指します。たとえば、朝起きてから学校に行くまでの時間や、学校から帰ってきて家事をする時間。この切り替えの時間をうまく使うことで、気分をリフレッシュし、集中力を保つことができます。そのため、活動と活動の間に1〜2分のリリース時間を設けましょう。目を閉じてリラックスし、次の活動に向けて気持ちを整えることで、エネルギーを再び高めることができます。
さらに、リリース瞑想術という方法も役立ちます。20分間の瞑想を行うことで心を落ち着かせ、集中力や創造力を高めることができます。瞑想はストレスを減らし、健康にも良い影響を与えることが科学的にも確認されています。
必然性を高める
続いて3つ目のポイント「必然性を高める」。高いパフォーマンスを発揮するためには、必然性の4大原動力が重要です。必然性の4大原動力とは、アイデンティティ、熱中、義務感、切迫感です。アイデンティティと熱中は内発的なエネルギーで、価値観や目標に基づく動機です。一方、義務感と切迫感は外発的なエネルギーで、他者や社会からの期待やプレッシャーによって生まれます。ハイパフォーマーは、これらの要素を組み合わせ、自分の基準を守りながら日々の進捗をセルフモニタリングし、パフォーマンスを高めています。
内外両方のニーズを活用するために、デスクに座るたびに「今、私のベストプレイを最も必要としているのは誰か？」と自問する習慣を取り入れましょう。このデスクトリガーは、シンプルで誰でもできる方法です。椅子に座った瞬間にこの質問をし、自己察を行いましょう。自己の価値観や目標といった内発的な動機と、他者や社会からの期待という外発的な動機を高め、全力で取り組む姿勢を保つことができます。ハイパフォーマーはこの習慣を通じて、パフォーマンスを向上させています。
社会的価値を高める3つの習慣
では続いて、3つ目の章「社会的価値を高める3つの習慣」に移ります。この章では以下のポイントを解説します。
- 効率を高める
- 他者への影響力を高める
- 恐怖をコントロールする
続きの修正を行いました。
効率を高める
まず1つ目のポイント「効率を高める」。生産性を上げるためには、目標を決めること、エネルギーをしっかり保つこと、そして集中力を保つことが大切です。はっきりとした目標を持つことで、集中しやすくなり、やる気も上がります。また、よく眠ること、バランスの取れた食事をすること、定期的に運動することも、エネルギーを高めて生産性を上げる助けになります。明るく前向きな気持ちでいると、仕事や勉強の質が良くなり、創造力も高まります。
一方で、情報が多すぎたり、集中が途切れたりすると生産性が落ちてしまいます。そこで、より良い結果を出すためには、自分の分野で重要なアウトプットを知ることが必要です。例えば、成功している科学者や芸術家、ビジネスマンは長い間にわたって多くの成果を出しています。彼らは自分にとって一番大事な成果を見つけ、それに集中することで成功しています。
他者への影響力を高める
次に2つ目のポイント「他者への影響力を高める」。影響力を高めるためには、頼むこと、反復の力、質問すること、そして与えることが重要です。まず、頼むことは影響力を高める基本的な手段です。人は自分の頼みをどう受け入れられるかを過小評価しがちですが、実際には頼まれたことに相手が応じてくれる可能性は思った以上に高いとされています。また、頼むことで他者に自分の要求に慣れさせることもできます。同じお願いを何度もすることで、相手がその要求に慣れ親しむことができるという「反復の力」も影響力を高める手段の一つです。影響力を持つ人は、自分の考えを何度も伝える傾向があるのです。
さらに、質問することも重要です。相手の考えや望みを引き出し、彼らの意見を尊重することで、相手のモチベーションを高めることができます。特にリーダーシップにおいては、部下に対して質問を投げかけることで、彼らの考えを理解し、より良い成果を上げることができます。
最後に「与えることの重要性」も忘れてはいけません。何かを頼む前に他者に先に与えることで、影響力が増すことが研究で示されています。与えることで相手が自分の要望に応じやすくなります。さらに、感謝や賞賛を表すことも影響力を高める要素となります。他者に対して誠実な感謝の気持ちや賞賛を伝えることで、相手が自分をサポートしやすくなるのです。部下や周囲の人々の良いアイディアや成果を応援し、賞賛することが、影響力を高めるために有効です。
恐怖をコントロールする
では、3つ目のポイント「恐怖をコントロールする」についてです。高いパフォーマンスを発揮するためには、恐怖をうまくコントロールすることが必要です。調査によると、勇気と良い結果には強い関係があります。勇気がある人は、目標を持ち、エネルギーを高め、必要なことに取り組む力が強いのです。困難に直面したときの反応や、意見をはっきり言う能力も、勇気を測る要素です。勇気を持つ人は、恐怖を感じながらも行動することができる人です。
また、幸せな気持ちがある人はより勇気を持つことが多いとされています。幸せであれば、自己信頼が増し、不確実な状況に耐える力も強くなります。多くの人が勇気を出せない理由は、恐怖心やリスクを避けたい気持ちからです。自分の意見を主張したり、新しいことに挑戦したいと思っても、行動に移せないことが多いのです。これはマインドセットの問題であり、困難を避けることで、勇気を失ってしまいます。
私たちは困難を人格向上の一環として受け入れ、挑戦に対する前向きな姿勢を持つ必要があります。勇気ある行動は成長と成功の鍵なのです。
まとめ
最後に内容をまとめます。
- 先天的な資質を超えるハイパフォーマンスの探求
- 個人のパフォーマンスを高める3つの習慣
- 社会的価値を高める3つの習慣
という順番で解説しました。今回紹介した『世界3万人のハイパフォーマー分析で分かった成功し続ける人の6つの習慣』は、まだまだ紹介しきれていない部分がたくさんあります。おすすめの本ですので、ぜひ読んでみてください。
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