ブラック企業の実態】― ビッグモーター不正事件から見える現場の暗闇【岡田斗司夫氏の視点】

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【ブラック企業の実態】― ビッグモーター不正事件から見える現場の暗闇

ブラック企業。我々が想像するその実態は、長時間労働、過酷な労働環境、そして往々にして経営者の無関心、無理解による労働者の虐待でしょうか。しかし、ブラック企業の悪質さを理解するためには、単に現場の過酷な状況だけを見るのではなく、その背後にある経営者の視点や思考について理解することが重要です。

その意味で、岡田斗司夫氏の視点は非常に示唆に富んでいます。自身が経営した経験を元に彼は語ります。「仕事が面白ければ現場はブラックになっていくもの」。つまり、起業当初の情熱と意気込み、そして仕事への没頭が、会社が大きくなるにつれてブラック企業へと変貌する要因の一つであると。

ブラック企業について岡田氏が提唱するのは、3つのタイプが存在するという考え方です。

1つ目は、高い理想を追い求め、評価も高いものの、一見してブラック企業に近い会社。ジブリ、カラー、プロダクションIDを例に挙げています。社員の犠牲の上に成り立つ企業で、一見すればブラック企業ですが、そこには確かな価値があり、多くの人がそこで働きたいと願います。

2つ目は、経営陣が社員を安く使い、こき使う形態のブラック企業。社員への待遇が酷く、労働環境が悪い会社です。

そして、3つ目が一見してブラックに見えないが、実はブラックな会社。悪意はないものの、働き過ぎの文化や、残業が当たり前の風潮が存在します。ここには、自分だけが先に帰るという考えが無い、全員が一緒に働くという風潮が強いのです。

このように、ブラック企業は多種多様。そしてその多くが、経営者や社員が本来の目的を見失い、働き方を誤ることで生まれます。会社が成長し、多くの人々が関わるようになると、その組織の中で人々がどのように働くべきか、どのように組織を運営するべきかという問いが重要となるのです。

これらブラック企業の問題は、ビッグモーターの不正事件とも重なります。会社が成長し、大きな利益を追求する過程で、法律を犯すという結果を生んだのです。それは、働き方だけでなく、組織としての行動原理や倫理観を見失った結果と言えるでしょう。

岡田氏の話から、ブラック企業は単なる労働者の問題だけでなく、組織全体、社会全体の問題であることが見えてきます。そして、その問題に向き合うためには、現場の実態を直視し、個々の経営者、労働者が自分たちの働き方を見直すことが求められるのです。

最後に岡田氏から一つのアドバイスを。「給料の支払いが遅れる」という状況に遭遇したら、それは会社がかなり厳しい状況にある証。すぐに退職を検討することをおすすめします。

ブラック企業という言葉があまりにも一般的になり、その真の意味を見失いがちですが、私たちはこれを真摯に受け止め、企業組織として何が正しいのか、何が間違っているのかを見つめ直すべきなのかもしれません。

岡田斗司夫さんについて

岡田斗司夫(本名同じ)は、1958年7月1日生まれ、大阪府大阪市住吉区出身の日本のプロデューサー、評論家、文筆家です。彼は多岐にわたるジャンルで活動しており、その範囲はサブカル全般、SF、映画、人文科学、社会科学と広がっています。現在は独身で、過去に離婚歴があります。

彼の主な業績として、株式会社オタキングの代表取締役、株式会社クラウドシティの代表取締役、FREEexの設立者、そしてアニメーションスタジオの株式会社ガイナックスの元代表取締役社長(初代)としての役職があります。さらに、彼は東京大学教養学部の元非常勤講師、大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科の元客員教授でもありました。

彼は多くの作品を手掛けてきました。実写映画では『愛國戰隊大日本』と『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』の脚本、アニメーション映画では『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の企画、そしてOVAでは『トップをねらえ!』(企画・原作・脚本)、『麻雀飛翔伝 哭きの竜』(企画)、『炎の転校生』(脚本)、『おたくのビデオ』(企画)などを担当しました。

また、書籍でも多くの著作があります。その中には『ぼくたちの洗脳社会』、『オタク学入門』、『「世界征服」は可能か?』、『いつまでもデブと思うなよ』、『オタクはすでに死んでいる』などが含まれます。

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