
🍚「お米が高すぎる…」と感じたあなたへ。
最近、スーパーでお米を手に取って「えっ、こんなに高かったっけ?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
秋田産の一部を除いて、5kgで5000円〜6000円台という異常な価格。たった1年前は2000円台だったことを思い出せば、その高騰ぶりは明らかです。
政府は備蓄米を放出して対応しているはず。にもかかわらず、なぜここまで値上がりしているのか?
そこには、知られざる“お米利権”の構造と、政治と農業団体の深い癒着がありました。
本記事では、櫻井よしこ氏のニュース解説をもとに、今の「お米高騰の本当の原因」と、「誰がそれを引き起こしているのか?」について、わかりやすく解説します。

💥なぜ「備蓄米を放出しているのに」値下がりしないのか?
政府は米価の高騰を抑えるために、2024年後半から備蓄米を市場に放出し始めました。
ところが――まったくと言っていいほど、価格は下がっていません。
その理由は、「誰に売ったか」にあります。
実は、放出された備蓄米の9割以上が、「全農(全国農業協同組合連合会)」に渡っているのです。
スーパーや卸売業者など、私たちの生活に直結する流通経路にはほとんど届いていないのです。
しかも、全農はこの備蓄米を市場に十分に出さず、自分たちの利益になるように操作していた疑いがあります。
結果、お米は足りているのに市場には出回らない → 価格が下がらないという仕組みが生まれているのです。
![]() | 価格:13000円~ |

🧂「2万1000円で仕入れて、2万6000円で売る」――前農のビジネスモデルとは?
農林水産省は、備蓄米を1俵(60kg)あたり2万1000円で全農に売却しました。
ところが、全農はその米を卸業者に2万6000円で販売しているのです。
この差額5000円の利ざやは、結局どこにいくのでしょうか?
当然、全農の利益になります。
そしてその結果、卸業者やスーパーは高く仕入れるしかないため、最終的に価格が跳ね返るのは私たち消費者です。
本来なら、政府の備蓄米は市場価格を抑えるために使われるべきもの。
それを“特定団体に独占的に売却”し、しかも価格を高止まりさせる構造があれば、米価の抑制にはまったくなりません。
こうした仕組みが、「見せかけの放出」にすぎなかったことを裏付けています。
![]() | 価格:14500円~ |

🔁 実は「出していない」!? 備蓄米の“買い戻し”契約のカラクリ
表向きには「政府が米を放出した」と言われていますが、実質的には流通していない可能性があります。
なぜなら、農林水産省と全農の間には“来年買い戻す”という特約が結ばれていたからです。
どういうことかというと──
今年、農家が米不足を見越して例年より多く作付け(約30万トン増)をしています。
この秋(2025年)には、通常よりも多い約730万トンの新米が市場に出回る予定です。
しかし、農水省と全農は、現在放出している備蓄米(およそ60万トン分)を、来年になってから再び買い戻す契約を交わしているのです。
つまり:
「今出して、来年回収」=表面上は流通させたことにしながら、供給量は元に戻す
その結果、730万トンあるはずの米は、実質670万トンしか市場に残らず、例年の供給水準(700万トン)を下回る計算になります。
米不足が“演出”されることで、価格が高騰し続ける土壌がつくられているのです。
![]() | 価格:19000円~ |

🧑💼 石破氏と“農水族”の影――なぜ政治は米問題に手を出せないのか?
今回の米高騰の背後には、全農や農林水産省だけでなく、政治家の「沈黙と癒着」があると櫻井氏は指摘します。
中でも名指しされたのが、石破茂首相(元農水相)と、彼を支える自民党幹事長・森山浩氏ら「農水族」の政治家たちです。
石破氏は2009年、農林水産大臣だった当時に「減反政策(米を作らない政策)はやめるべきだ」と取材で発言した過去があります。
しかし、いざインタビューでは核心に踏み込んだ改革案は口にせず、玉虫色の答えに終始。
そして現在は、党内基盤が弱いために森山氏ら農水族に頭が上がらず、自身の本心があっても政策として実行できない状況にあるのです。
さらに森山幹事長は、
- 米輸入制限に強く賛成、
- 減反政策の見直しにも反対
という立場。
こうした保守的な姿勢に政治が縛られている以上、消費者のための価格是正や流通改革などは到底進まないと櫻井氏は断じます。
![]() | 価格:27000円~ |

🌾 若者が農業を離れる本当の理由――失われた生産意欲と夢
現在、日本の農業は深刻な人手不足と高齢化に直面しています。
農家の数は年々減り、特に若者の新規参入が極端に少ない。
その背景には、「作れば作るほど損をする」ようなゆがんだ政策構造があります。
たとえば、長年続いている減反政策。
これは「お米を作らなければ補助金が出る」という制度で、農家に“作らない努力”を促してきたものです。
一時的には生活を支えるかもしれませんが、30年、40年、ついには50年も続くと、農業そのものへの意欲が奪われていきます。
本来なら、「日本の主食である米を、もっと自由に・効率的に・多く作りたい」と願う若者が、
この制度のせいで夢を断たれ、農業を敬遠してしまうのです。
結果として、優れた農地も放棄され、日本の「瑞穂の国」の名にふさわしい豊かな稲作文化は、今や危機に瀕しています。
![]() | 価格:75000円 |

📉 結論:お米が高くなるのは“仕組み”が腐っているからだ
今回の「お米高騰」の裏には、単なる不作や需要の問題ではなく、意図的に価格を高止まりさせる仕組みがあります。
🔹 農林水産省と全農の“密接な関係”
🔹 市場に十分出回らない備蓄米
🔹 来年の“買い戻し”による供給圧縮
🔹 それを放置・黙認する政治家たち(農水族)
こうした構造は、消費者にとって不利益であるばかりか、日本の農業そのものを衰退させています。
お米を作る意欲を削がれた農家は減少し続け、若者の参入も進まず、
このままでは「日本で米が足りない」という状況が常態化する未来すら見えています。
櫻井よしこ氏ははっきりと断言します。
「この問題の本質を分かっていながら、利益と保身のために動かない人々こそ“本当に悪い人たち”である」と。
農業と政治が癒着したままでは、
私たちが安心して手に取れる価格でお米を買う日は、遠のくばかりかもしれません。
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