世界三大幸福論から考える『幸せ』の定義

哲学
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「幸せ」とは何か、それをどのように定義するべきなのかは、人生を豊かにする上で重要なテーマです。多くの人が、物や人、時間やお金といった外部の要素に幸せを求めます。しかし、幸福とは努力や学びを必要とするものであり、自然に手に入るものではありません。まるで練習せずにスポーツ選手になりたいという夢のようなものです。

本記事では、世界三大幸福論の著者であるヒルティ、アラン、ラッセルの思想をベースに、幸福について深く考え直していきます。哲学書に基づく内容で少し難しく感じるかもしれませんが、可能な限りわかりやすく噛み砕いて説明します。皆さんと一緒に「幸せ」の定義を見つめ直す、充実した時間にしましょう。では、早速内容に入っていきましょう。

今日紹介する哲学者の簡単な解説をしておきます。

カール・ヒルティ (Carl Hilty)

カール・ヒルティはスイスの法学者であり、幸福に関する著作で知られています。彼の幸福論は、個人の内面的な成長と道徳的な充実を重視します。ヒルティは、幸福は外部の状況よりも、個人の精神的な態度に依存すると考え、日々の小さな喜びを見つけ、感謝の心を持つことが重要であると強調しました。

ベルトランド・ラッセル (Bertrand Russell)

ベルトランド・ラッセルはイギリスの哲学者で、その幸福論は『幸福の征服』などの著作に詳述されています。ラッセルは、幸福は愛や仕事、知的興味などから生まれると考えています。彼は、無知や偏見から解放され、多様な興味や情熱を持つことが、個人の幸福につながると主張しました。

アラン (Émile Chartier)

アラン、本名はエミール・シャルティエはフランスの哲学者で、一連のエッセイ『幸福論』で知られています。アランの幸福論は楽観主義に基づいており、人生の困難や挑戦を乗り越えることで幸福が得られると述べています。彼はまた、心の平静と客観的な見方を保つことが、内面的な幸福へと導く鍵だと考えました。

幸せの定義

まず、「幸せ」という言葉の定義をしっかりさせたいと思います。皆さんは、どんなときに「幸せ」を使いますか?多くの場合、快楽的な幸せを「幸せ」と呼んでいるのではないでしょうか。例えば、欲しいものが手に入ったり、お金がたくさん入ったり、成功したりすることです。このような幸せを否定する必要はありませんが、幸せについて学ぶ際に重要なのは、何を幸せと呼ぶかということです。

3大幸福論の著者たちの著作では、「どうやったら幸せになれるか」についてあまり詳しく書かれていません。しかし、「何を幸せと呼ぶのか」についてはしっかりと記されています。私たちはつい「幸せ」という言葉で様々なことを一括りにしてしまいますが、その中にはいろいろな要素や種類があります。欲しいものを買って得られる幸せもあれば、温かい日向でくつろいでいる時に感じる幸せもあります。

目指すべき幸せがどれなのかを意識する必要があります。また、快楽的な幸せ、たとえば物欲的な幸せを否定するわけではありませんが、それにばかり焦点を当てすぎるのは良くないということです。幸福論の大前提として、快楽的な幸せはあまり含まれていません。「ビールを飲んで美味しい、幸せ!」というような。

なぜこれを幸せと呼ばないのかというと、快楽的な幸せは「幸せになる」というより「幸せにさせられている」状態だからです。外部のものがなければその幸せは得られません。お金や美味しい食事を得ている瞬間は確かに幸せを感じますが、それらがなくなった瞬間に幸せも消えてしまうのです。お金持ちである人は、その状態を維持するために努力を続けなければなりません。それは大変なことです。

それよりも、内面的な強さを持っていれば、外部の状況に関係なく幸せでいられます。だから哲学は内側に目を向けるのです。経済的な成功やファイア(早期リタイア)の方法を追い求める本も多くありますが、外側のことに頼りすぎるとコントロールが難しくなるため、内面的な強さを磨くことが重要です。もし、食べ物が毎日ギリギリであったとしても、精神的に強ければ幸せだと感じることができます。極端な例ですが、これは重要なことです。

今回お話しするのは、外的な要因によって「幸せにさせられる」方ではなく、自分の内面にある「内的な幸せ」を認識し、それについて考えるという試みです。それでは次に、ヒルティ、アラン、ラッセルの幸福論について見ていきましょう。内容はかなり幅広いですが、言っていることには共通点が見られます。

カール・ヒルティ

ヒルティが「幸せ」として語っているのは、集中している時が幸せであるという考え方です。今の言葉で言えば「充実」した瞬間ですね。仕事に没頭しているときや勉強に集中しているとき、それは楽しい仕事があるから「幸せにさせられている」のではなく、自分の内面からの動機でやりたいことに集中している瞬間です。その状態はとても気分が良く、充実した幸せと言えます。

ヒルティの幸福論には、このような仕事に関する考え方が多く見られます。そして、ノウハウもかなり詳しく記されています。たとえば、隙間時間をどのように活用するか、仕事の集中力を維持するためには一つの作業ばかりやるのではなく、気分転換として別の仕事を行うことが重要である、休むとは仕事の種類を変えることを意味し、休日はだらだらと過ごすのではなく全く違うことをすることで休息を得られる、などです。

このようなノウハウだけ聞くと技術的なものに見えますが、ヒルティはキリスト教徒であり、キリスト教的な価値観に基づいています。仕事とは、単にお金を稼ぐものではなく、誰かの役に立つために自分の創造的な活動に真剣に取り組むものであり、それに没頭することで内面的に幸せな気持ちが生まれると述べています。

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アラン

次にアランについてお話しします。アランの考え方は、現代ではアドラー心理学に近く、馴染みやすいかもしれません。彼は、幸せを結果として捉えがちですが、実際は「結果ではなく原因である」と述べています。つまり、幸せは「何かを達成したから感じるもの」ではなく、「幸せな気持ちでいるからこそ生まれるもの」ということです。

アランの著作には、「笑うのは、幸せだから笑っているのではなく、笑うから幸せになる」という内容が書かれています。これは少し自己啓発的に感じるかもしれませんが、重要なのは「幸せは結果ではなく原因である」という考え方です。あなたがどのように思いたいかで、感じる幸せが変わるのです。

アドラー心理学も同様のことを述べています。例えば、いじめによって引きこもる人も、いじめが原因ではなく、自らが引きこもりたいと思った結果だと指摘します。つまり、視点や解釈を変えれば、どんな困難でもリセットして幸せになれるのです。「自分が不幸だ」と感じるのは、あなた自身がそう思っているからであり、ポジティブな面に目を向けることで、実際は不幸ではないと理解できます。

ただし、個人的にはこの考え方がやや強引だと感じることもあります。誰でも辛いときはあり、そのようなときは「辛い」と受け入れる強さや柔軟さも重要です。もちろん、アランやアドラーがすべてを解釈で解決しろとは言っていませんが、過度なポジティブシンキングはかえって無理をしているように見える場合もあります。

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ラッセル

次にラッセルについてお話ししましょう。ラッセルは非常に行動的な哲学者で、理論だけでなく実践を重視していました。たとえば、核兵器に反対し平和を訴えるため、自ら逮捕されることも辞さず行動したこともありました。そんな彼が幸せについて語るとき、彼は「達成」をキーワードにしています。幸せはただ与えられるものではなく、行動を通じて自ら得るものだと述べています。

彼の考え方もヒルティやアランに近く、能動的な姿勢を重視しています。幸せは自然に与えられるものではなく、普段の生活では見過ごしてしまいがちな形で存在しているので、そこに意識を向ける必要があります。たとえば、健康はその代表例でしょう。ショーペンハウアーの『幸福について』でも語られているように、「お金持ちの病人よりも、貧しくても健康な人のほうが幸せ」という考え方です。健康は普段意識しにくく、当たり前のように思ってしまいがちですが、失って初めてその価値に気づくものです。

ラッセルはこうした幸せを見つけるために、能動的な姿勢が必要だと説いています。幸せを外部から買って手に入れ、それを維持し続けることが幸せだと考える現代人は、その一時的な快楽に過ぎないと指摘します。内面を鍛えて、何事にも幸せや楽しさを見いだす視点を持つことが重要なのです。

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幸せになるためには

次に、どうすれば幸せになれるかについて話しましょう。結局のところ、能動的な姿勢を持つことが幸せに繋がるのではないかと思います。もちろん、快楽的な幸せや憧れの幸せもあります。これらも大切ですし、億万長者になって不幸な人は少ないでしょう。それが一番重要かどうかは別として、多くの人はお金が欲しいと思うし、美味しいものを食べたり、グータラな生活を送るのも魅力的に感じます。

しかし、それだけに頼りすぎると、インスタントラーメンのように偏った「栄養バランス」になります。だからこそ、もう一つの視点、つまり能動的な姿勢を取り入れましょう。毎週末に「面白いことがないかな」と探している人は、楽しいものや人に依存しているのかもしれませんが、そういった外部のものはコントロールが難しいため、頼りすぎると人生が不安定になってしまいます。

特に人間関係において、誰かにしがみつくことで自分の幸福を依存すると、その人の機嫌を取る必要があったり、好かれなければならなかったりと、自分が振り回されます。しかし、自分一人で十分やっていけるという姿勢を持てば、不安が減ります。他人からどう思われるかを気にする必要もなくなります。

私自身も、友達の数を気にするのではなく、勉強など自分で幸せを感じられる活動に集中するようになりました。もちろんそれだけだと偏りがあるのでバランスは重要ですが、現代社会では幸せにさせられるものが多く、それを手に入れるためにお金が必要だと考える人も多いでしょう。結果として、「お金があれば幸せなものを揃えられる」と思ってしまうのかもしれません。

幸せのアプローチ

最後に、今日は哲学的な話が中心でしたが、科学的なアプローチで幸せについて考えている方もいます。例えば、前野先生は理系の視点から統計データを用いて幸せを研究しており、その結果、4つの「幸せの因子」があることを提唱しています。

その4つの因子とは:

  1. 「やってみよう」因子:ポジティブな心を持ち、挑戦する意欲があること。
  2. 「ありがとう」因子:何でも感謝できること。
  3. 「なんとかなる」因子:楽観的であること。
  4. 「あなたらしく」因子:自分をしっかり持っていること。

驚くべきことに、科学的なアプローチでも最終的に哲学的な幸福論と同じような結論にたどり着いています。能動的なアプローチをする人が総じて幸せが高いという点が共通しています。内面的な幸せにフォーカスすることで、自分でコントロールできる部分が増えます。逆に、外部の幸せを求めると、それがコントロールできなくなり、幸福感が揺らぎます。

私たちは無意識に外部の幸せに引き寄せられがちですが、バランスを取るためには「能動的な意思による幸せ」を意識的に追求することが大切です。それが内面と外面のバランスを整え、真の幸せを見つける手助けになるでしょう。

まとめ

まとめると、幸福論の古典から現代の科学的アプローチまで、多くの哲学者や研究者が「能動的に生きること」の重要性を強調しています。外部から与えられる幸せは一時的かもしれませんが、自分の内側で見つける幸せは持続しやすいものです。挑戦する心や感謝の気持ち、楽観的な視点、自分らしさを大切にし、内面的な成長を意識することで、バランスの取れた幸福を追求できます。

人生の中で、外側から得る幸せに頼りすぎず、内側の幸せを育てることで、より豊かな毎日を作っていけるでしょう。このアプローチが私たちの人生をより良いものにするためのヒントとなれば幸いです。

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