スタンフォード大学の人気講師が教える!「ユーモアは最強の武器である」

仕事効率

今回は、スタンフォード大学ビジネススクールの人気講義で紹介されている「ユーモアは最強の武器である」というテーマに基づいたジェニファーアーカーさんとナオミバグドナスさんによる共著書を紹介します。この本は行動科学の先端的な手法を用いて、ユーモアについての誤解を解き明かし、ユーモアが私たちのキャリア、ビジネス、そして人生にもたらす可能性を示しています。

本書は、ユーモアについて深く理解し、その力を仕事や日常生活に活かしたいと考える人々に特にお勧めです。ユーモアがビジネスや人生のあらゆる状況でどのように活用できるか、そして人間の心理や行動にどのような影響を与えるかについて詳細に説明されています。また、ユーモアの科学的な側面とそのメカニズムについても理解することで、読者は自身の視野を広げることができるでしょう!

では早速みていきましょう。

ユーモアがもたらすパワー

「ユーモアがもたらすパワー」というテーマを取り上げ、その中から2つの主要な視点、「ユーモアは人々を動かす」と「ユーモアの4つのタイプ」に焦点を当てて詳しく解説します。

ユーモアは人々を動かす

まず、「ユーモアは人々を動かす」という視点から見てみましょう。ユーモアには、予想外の力があり、人々を動かす力を持っています。それは、他人からの見え方を高める、知識を引き立てる、交渉を有利に進める、記憶に残りやすくする、信頼を得やすくする、アイデアを生み出す、困難に耐える助けとなる、などの様々な形で現れます。しかし、ユーモアは筋肉のようなもので、定期的に使わなければ弱ってしまいます。

現状では、ほとんどの人々がこの「ユーモアの筋肉」を鍛えていないと言えます。166カ国、140万人に対する調査結果から明らかになったことは、人々が1日に笑ったり微笑む回数は、23歳を境に急激に減少しているという事実です。子供の頃はよく笑っていた人も、大人になって仕事を始めると、真面目さが増し、ユーモラスさが失われてしまいます。確かに職場では、様々なリスクが潜んでいるため、無難な態度を保つことが求められます。しかし、これは私たちがどう振る舞うべきか、どうすれば成功するのかという観点についての深い誤解を示しています。職場ではプロ意識を超えて、自分らしさや人間らしいつながりを大切にすることが必要です。

では、何が職場でのユーモラスさを阻害しているのでしょうか。多様な業界や地位の700名以上の人々を対象に調査した結果、ユーモアが職場で発揮しにくい4つの理由が明らかになりました。それは、

「ビジネスは真面目であるべきだ」

「ユーモアがウケないと困る」

「常に面白くなければならない」

「ユーモアは生まれつきの才能だ」という思い込みの4つです。

これら全てが、私たちが職場でユーモラスさを発揮するのを阻んでいる要因となっています。

つまり、これらの思い込みが取り除かれれば、職場におけるユーモラスさが増す可能性があります。ユーモアは私たちがより効果的に仕事をこなし、より良い職場環境を作るための重要なツールであると言えます。

ユーモアの4つのタイプ

ユーモアの4つのタイプについて詳しく見ていきましょう。面白さは人それぞれで、その個性やスタイルは多種多様です。それぞれの人がどのようなユーモラスな話を選び、どのような手法でユーモアを表現するかは個々に異なります。

著者による6年間の実験の結果、ユーモアには4つの基本的なタイプが存在することが明らかになりました。それらは「スタンドアップ」、「スイートハート」、「マグネット」、「スナイパー」と名付けられています。自分がどのタイプに該当するかを理解することで、ユーモアをより効果的に、そして自信を持って使うことができます。

スタンドアップ

このタイプは攻撃的で表現力が豊かな人々を指します。彼らはエンターテイナーであり、笑いを取るためには時には物事を大げさに表現することもあります。彼らは人前に出ることでエネルギーを得るタイプで、しばしば自分自身をジョークのターゲットにします。

スイートハート

このタイプは親しみやすく、さりげないユーモアを持つ人々です。彼らは誠実で、きちんと考えたユーモアを好みます。また、他人の感情を傷つけるようなジョークは避け、周囲を明るく元気にするタイプのユーモアを好みます。

マグネット

このタイプは、親しみやすく、表現力豊かな人々です。彼らは常にポジティブで、周囲の雰囲気を盛り上げるのが得意です。即興のコメディーや人前でのプレゼンテーションが得意な人々がこのタイプに当てはまります。

スナイパー

このタイプは、攻撃的だがさりげないユーモアを好む人々を指します。彼らのユーモアは鋭く、皮肉が特徴的です。彼らは大勢の人々の中で、じっくりと状況を見てから行動に出るタイプです。

これらのタイプは、その時々の状況や気分によって変わることがあります。また、それぞれのタイプが固定的なものではなく、適切な状況に応じて変えることが推奨されています。多くのコメディアンは、その場の雰囲気に合わせて自分の態度や話し方を変えることが、ユーモアを効果的に使うための一つの方法であると認識しています。

たとえば、「スタンドアップ」や「スナイパー」タイプの人は、相手をからかうことで親しみを感じますが、それが過度になると、「マグネット」や「スイートハート」タイプの人を遠ざけてしまう可能性があります。一方、「マグネット」や「スイートハート」タイプの人は、相手を高めるために自分を卑下しますが、これが過度になると、「スタンドアップ」や「スナイパー」タイプの人には弱々しく見えてしまうかもしれません。

ユーモアのタイプは断定的なものではなく、何を面白いと感じ、どのようにユーモアを発揮するかという傾向や好みは変わります。自分のユーモアのタイプを理解するだけでなく、どのタイミングでタイプを切り替えるべきかに気づくことで、大きな効果が得られます。

ユーモアを活用するためのテクニック

次に、ユーモアを活用するためのテクニックについて、2つの観点から説明します。具体的には、「プロのコメディアンから学ぶテクニック」と、「職場に陽気さとユーモアをもたらす方法」の2つの観点です。

プロのコメディアンに学ぶテクニック

まず、1つ目のテーマ、「プロのコメディアンに学ぶテクニック」についてです。健康心理学者のケリー・マクゴニガルは、「体を動かす」と「運動」を明確に区別しています。「体を動かす」は日常生活の中で体を使うこと、一方で「運動」は意図的な目的を持って体を動かすことです。それと同様に、「陽気さ」と「ユーモア」、さらに「コメディ」にもそれぞれ違いがあります。

「陽気さ」は心構えで、自然と喜びを感じやすい状態を指します。この心構えは私たちが行う全ての行動に影響を及ぼし、少しの変化でも自分自身や他者の態度に大きな変化をもたらします。それに対し、「ユーモア」はもっと意図的なもので、特定の目的のために陽気さを使う行為です。

ヨガが好きな人もいれば、サッカーやサイクリングが好きな人もいるように、ユーモアにも個々の好みがあります。一部の人々はジョークを好み、一方で他の人々はモノマネや体を張ったギャグが好きです。そして、ユーモアは鍛えることができますが、運動と同じようにスキルと努力が必要です。

そして、「コメディ」はユーモアを構築し、それを実践するものです。スポーツと同じように、コメディもテクニックを自由に使えるようになるためには大量の練習が必要です。しかし、多くの人々にとっての目的は、プロのコメディアンになることではなく、もっと陽気に生きる方法を学び、自分だけのユーモアを磨き、それをうまく使うことにあるでしょう。

誤解されやすいことの一つに、ユーモアは何もないところから生み出されるという考え方があります。しかし、実際には、ユーモアは身の回りの不可解な事象や不条理に気づき、それを予想外の方法で解き明かすことで生まれます。これがユーモアの基本的なパターンや構造です。それを理解し、実践することで、自分自身のユーモアを磨くことができるのです。

ユーモアの核心は事実にある

まず、原則1「ユーモアの核心は事実にある」について説明します。これを簡単に言うと、ユーモアは現実の出来事から生まれるということです。

例えば、あるパーティーの場面を考えてみましょう。30分も遅れて一人の人が会場に入ってきて、申し訳なさそうに「遅れてすみません、来たくなかったんです」と言います。

ここで笑いが起こるのは、その人が本音をぶっ直ぐに言ったからです。このように、ユーモアは事実に基づいています。だからこそ、面白いことを探す前に、まず何が事実なのかを見つけることが大切です。

ユーモアには驚きとミスディレクションが必要

ユーモアには驚きとミスディレクションが必要」という原則について考えてみましょう。これは、ユーモアは人々の予想を裏切ることで生まれるということを意味します。つまり、ジョークが笑いを生むためには、聞き手の予想を上手く裏切る必要があるのです。

では、どうやって事実を見つけて、それをユーモアに変えるのでしょうか。まずは、自分自身や周りの人々の生活に存在する事実に目を向けます。それは自分の性格や意見、感情、あるいは他人からの見方などが含まれます。

例えば、「公園で見かけた犬の防寒着が友達の新しいコートに似ていた」や、「子供が突然変なことを言った」などのエピソードは、ユーモアの種になり得ます。

そして、その事実を面白くする方法がいくつかあります。それは、

  • 大げさに話す、
  • 対比を使う、
  • 具体的な表現を使う、
  • 比喩を用いる、
  • 3のルールを守る

などです。

大げさに話すことで、聞き手の予想を裏切ります。

対比を使うと、事物間の不一致が面白さを生み出します。

具体的な表現を使うと、話がリアルに感じられ、笑いが増します。

比喩を用いると、全く違うものを比較することで、状況の滑稽さが際立ちます。

3のルールを守ると、聞き手の予想を二つの通常の事例で誘導し、三つ目で予想を裏切ることができます。

これらの手法を活用すれば、日常生活の中の普通の事実をユーモラスなエピソードに変えることが可能です。面白さは必ずしも特別なことや珍しいことから生まれるわけではありません。

あなたの周りに溢れている日常的な出来事や感じたことを、適切な表現や視点で照らし出すことで、ユーモラスな話が生まれるのです。そして、そのユーモアは予想外の面白さで人々を笑顔にすることでしょう。

ジョークを作るためには、いくつかの方法

持ちネタを用意する

一つ目は、持ちネタを用意することです。これは、自分が話すのが楽しく、人々を笑わせることができる話題やエピソードを用意しておくことです。でも、同じネタを使い続けるのではなく、その場の雰囲気や状況に合わせて話す内容を変える工夫が必要です。

今この瞬間に注目する

二つ目は、今、この瞬間に注目することです。周りの人たちの特徴や、目についた面白いものを見つけて、それをネタにするということです。

以前に聞いたジョークや面白い出来事を再利用する

三つ目は、以前に聞いたジョークや面白い出来事を再利用する方法です。これを「コールバック」と言います。何か面白いことがあったときは、それを覚えておいて、後で使うチャンスがあれば、それを話題にするのです。これはグループの絆を深める効果もあります。みんなで共有できる笑いのネタは、一緒に笑うことで仲間意識を高めるからです。

話し方

四つ目は、話し方についてです。ジョークの99%は、どう話すか、つまり話し方によるとも言えます。声の調子や話し方が上手ければ、何を話しても人々は笑います。

職場にユーモアを持ち込む方法

職場にユーモアを持ち込む方法についても考えてみましょう。職場でユーモアを使うことに不安を感じる人もいるかもしれません。でも、必ずしもジョークを飛ばさなければならないわけではありません。目指すべきは、日常のちょっとした瞬間にも人間らしいつながりを持つこと、そして仕事の生産性や効率を上げることです。

コミュニケーションは仕事の成功に欠かせない要素です。ただ、リモートワークが増える現代では、同僚たちとのコミュニケーションはデジタルな文字のやり取りに取って代わられがちです。ですが、私たちは仕事上のコミュニケーションでも人間らしさを忘れないようにしたいですよね。そのためには、メッセージにもユーモアを加えると良いですね。

メールにユーモアを加える方法としては、「コールバック」を使うことや、メールの終わりに特別な一言を加えること、「追伸」を利用することがあります。

コールバック

「コールバック」とは、ある話題やエピソードを再び持ち出すことを指します。例えば、あなたが友達と一緒に映画を見て、その中の特定のシーンがとても面白かったとします。後日、その友達と話している時に、その面白かったシーンについて再び話すことができます。それが「コールバック」の一例です。

この技法は特に効果的な理由があります。それは、相手がその共有体験を思い出し、その楽しさを再び感じるからです。その結果、相手は笑いや楽しい返答をしやすくなります。たとえば、「あの映画のあのシーン、また見たいなあ」と言えば、友達も笑ったり、「本当にあのシーンは最高だったよね!」と返答しやすくなります。

メールの終わりに特別な一言を加える

メールを書くとき、最後に「よろしくお願いします」や「ありがとうございます」と書くのは普通ですよね。でも、ここに自分らしい一言を足すだけで、そのメールは一気に個性的になりその一言が相手の印象に残り、会話を楽しむきっかけになります。

例えば、「今日の天気があなたの一日を明るくしてくれますように」とか、「読んでくれてありがとう!今日も最高の一日にしましょう!」など、自分らしい言葉を加えることで、相手に強く印象を与え、会話をもっと楽しくすることができます。

これは、自分の性格や思考を表現する素晴らしい機会です。自分だけの独特な言葉を使うことで、相手はあなたのことをもっと知ることができ、それがさらなる会話のきっかけになります。

追伸を利用する

ドイツの研究者、ジークフリート・フェーゲルさんが行った研究によれば、90%の人々は、手紙やメールの本文よりも先に「追伸(P.S.)」を読むそうです。つまり、手紙やメールを開いた時、最初に目に入るのが追伸なので、それが第一印象を作ることになります。

このことを利用して、追伸にちょっとしたユーモアを加えると、全体として真面目すぎるメールに少しの楽しさやリラックス感を加えることができます。

メールを送る際には、追伸にちょっとしたユーモアを加えてみてください。それが職場に笑いや楽しさをもたらす第一歩になるかもしれません。

このように、まずはメールから始めて、職場にユーモアをもたらす試みをしてみてください。

まとめ

「ユーモアは最強の武器である」の本の要約をしてみました。

その著書の内容は

ユーモアの力:ユーモアはただ笑いを生むだけでなく、人々を動かし、コミュニケーションを円滑にする力を持っています。

ユーモアの4つのタイプ:ユーモアにはさまざまな形があります。その中でも4つの主要なタイプを紹介しました。

プロのコメディアンに学ぶ:プロのコメディアンたちはどのようにして笑いを生み出すのか。そのテクニックを紹介しました。

職場に陽気さをもたらす:職場の雰囲気を明るくし、コミュニケーションを促進するための具体的な方法を説明しました。

これらの知識とテクニックを活用することで、あなた自身の人間関係や職場環境をよりポジティブで楽しいものにする方法が書かれています。是非手に取って読んでみてくださいね。

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