今回はスコット・ゲロウンが著した『GAFA NEXTステージ 四騎士+Xの次なる支配戦略』という本を解説します。解説は次の通りに進めていきます。
- 新型コロナとGAFA+X
- 搾取経済
という順番で解説していきます。
新型コロナ危機以降、急速に資本市場が回復しました。コロナ危機に陥った2020年でも、7月末の時点ではアメリカの大型株公開の指標であるS&P500はプラスに転じていました。その後も株価は波はありつつも伸び続けていることはご存知の方も多いでしょう。ですが、このS&P500の中でも皆が伸びているというわけではなく、実際に大きく伸びたのはいわゆるGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)と言われる企業たちでした。著者はこの状況を「強者はもっと強くなり、弱者はもっと弱くなる」と表現しています。本書はそんな巨大企業たちの戦略と実態を教えてくれる本です。
それでは紹介していきます。
GAFA next stage ガーファ ネクストステージ 四騎士+Xの次なる支配戦略【電子書籍】[ スコット・ギャロウェイ ] 価格:1980円 |
1. 新型コロナとGAFA+X
ここでは以下の3つのポイントについて解説します。
- プロダクト時代へ
- プロダクト時代を支配する赤と青のビジネスモデル
- 赤と青に分岐するGAFA+X
プロダクト時代へ
著者は、現代がかつてのブランドが重要視されていた時代から、プロダクト時代へと大きく変化していると述べています。この変化の背後にはデジタルツールの普及があり、これがブランド時代を終わらせたのです。私たちは今、このプロダクト時代の始まりに立っています。
ブランド時代の特徴
ブランド時代では、消費者はブランドの力に強く影響されていました。特に裕福な旅行者は、新しい場所を訪れた際に、名高いブランドホテルに滞在することを選びました。例えば、タクシーに乗った裕福な旅行者は、「リッツカールトンに連れて行ってください」と頼むのが普通でした。この時代には、有名ブランドの名前が、その品質やサービスの保証として機能していたのです。
プロダクト時代の到来
しかし、プロダクト時代になると状況は一変します。この時代に入ると、消費者は自分のスマートフォンを活用して情報を収集するようになりました。例えば、同じ裕福な旅行者が飛行機を降りた瞬間にスマホを開き、リッツカールトンの評価や料金の高さを確認します。その上で、他の選択肢としてブティックホテルを検索し、利用者のコメントや評価を比較するのです。
デジタルツールの影響
このように、デジタルツールが普及した結果、消費者はブランドに依存せず、実際のプロダクトの評価や口コミを元に選択を行うようになりました。この変化により、ブランド時代の主要プレイヤーであった広告会社やメディア会社、クリエイター主導の広告会社は、大きな影響を受けました。
広告会社やメディア会社は、これまでブランドの価値を高めるためのプラットフォームを提供していました。クリエイター主導の広告会社は、ブランドのイメージを作り上げるための高品質な広告を制作し、そのブランド力を高めていました。しかし、プロダクト時代の到来により、こうした広告やブランドイメージに頼る手法は通用しなくなりました。
変化の影響
具体的には、消費者がスマートフォンを利用して詳細なレビューや評価を簡単に入手できるようになったため、ブランドの名前だけでは選ばれなくなったのです。これにより、広告会社やメディア会社は、消費者の心を掴むための新しい戦略を模索しなければならなくなりました。
プロダクト時代の本質
プロダクト時代の本質は、実際の製品やサービスの質が重視されるという点にあります。ブランド時代では、大規模な広告キャンペーンや有名ブランドの名前が消費者の購買行動を左右していましたが、プロダクト時代では、消費者は実際の製品やサービスの質を直接確認し、その評価に基づいて選択を行います。
例えば、同じホテルでも、過去の宿泊者のレビューや評価が高いかどうかが重要視され、その評価に基づいて消費者は選択を行います。このように、プロダクト時代では、実際の体験や評価が非常に重要な役割を果たしているのです。
このように、プロダクト時代は、デジタルツールの普及によって消費者の購買行動が大きく変化し、ブランド時代の終焉を迎えたことを示しています。消費者はブランド名に依存せず、実際の製品やサービスの質に基づいて選択を行うようになり、これにより広告会社やメディア会社は新たな挑戦に直面しています。プロダクト時代は、消費者にとってより良い製品やサービスを提供するための競争が一層激化する時代であるといえます。
プロダクト時代を支配する赤と青のビジネスモデル
プロダクト時代における基本的なビジネスモデルは、大きく二つのタイプに分けられます。それぞれを「青のビジネスモデル」と「赤のビジネスモデル」と呼びます。
青のビジネスモデル
青のビジネスモデルは、商品を製造コストよりも高い価格で販売する手法です。このモデルは、製品自体の価値やブランドイメージに依存して収益を上げるものです。代表的な例はAppleです。
AppleのiPhoneは、その製造コストが約40ドル程度の回路やガラスなどの部品から構成されています。しかし、AppleはiPhoneを1200ドルという高額で販売しています。この価格設定が可能なのは、Appleが製品の品質とブランド価値を高め、消費者にとってその高額な価格を支払う価値があると感じさせることに成功しているからです。
Appleは、デザインの美しさ、使いやすさ、高度な機能、そして他の製品との連携など、製品自体の優れた特徴を前面に出し、ユーザーにとってのプレミアムな体験を提供しています。これにより、消費者は高い価格でも購入する意欲を持つのです。
赤のビジネスモデル
赤のビジネスモデルは、商品を無料で配布するか、あるいは製造コスト以下で販売し、その代わりに利用者の行動データを収集して他の企業に有料で提供する手法です。このモデルの代表例としては、GoogleのAndroidが挙げられます。
Androidは、基本的には無料で提供され、多くのスマートフォンメーカーが利用しています。これにより、Androidは世界中で広く普及しています。GoogleはAndroidを通じてユーザーの行動データを収集し、そのデータを基に広告を最適化して広告主に提供しています。このデータ収集と広告の最適化が、Googleの主要な収益源となっています。
このモデルでは、ユーザーは製品やサービスを無料で利用できる一方で、個人情報や行動データが企業に提供されることになります。企業はこのデータを分析し、ターゲティング広告を行うことで収益を上げています。例えば、ユーザーの検索履歴や位置情報、アプリの利用状況などがデータとして収集され、それを元に広告が配信されます。
両モデルの共存
プロダクト時代においては、この青と赤のビジネスモデルが共存し、それぞれ異なるアプローチで成功を収めています。青のビジネスモデルは、高品質で高価格な製品を提供することで直接的に収益を上げる一方、赤のビジネスモデルは、無料または低価格の製品を提供し、データの収集とその利用により間接的に収益を上げています。
両モデルの成功は、それぞれの企業がユーザーに提供する価値の形態が異なることを示しています。青のモデルでは、消費者は製品そのものの品質や体験に価値を見出し、その対価として高価格を支払います。赤のモデルでは、消費者は無料または低価格での利用の代わりに、自分のデータを提供することを受け入れます。
プロダクト時代を支配する赤と青のビジネスモデルは、それぞれ異なるアプローチで企業の成長を支えています。Appleのように高品質な製品を高価格で販売する青のモデルと、Googleのように無料で製品を提供し、データ収集と広告により収益を上げる赤のモデルは、いずれも現代の消費者のニーズに応えるための重要なビジネス戦略です。どちらのモデルも、消費者に対して独自の価値を提供し、企業にとって持続可能な収益を生み出しています。
赤と青に分岐するGAFA+X
著者は、産業界が次第に「赤」と「青」の2つのビジネスモデルに分岐していくだろうと述べています。このトレンドはすでにスマートフォン市場で顕著に見られます。ここでは、AppleのiOSとGoogleのAndroidを例に挙げて、その特徴とビジネスモデルの違いを詳しく解説します。
AppleのiOS: 青のビジネスモデル
AppleのiOSは、青のビジネスモデルの典型的な例です。このモデルの特徴は、高品質でブランド力があり、高価格な製品を提供することです。
- 高品質とブランド力:
- Appleは製品のデザイン、機能、ユーザー体験において一貫した高品質を維持しています。例えば、iPhoneは高解像度のディスプレイ、優れたカメラ性能、洗練されたデザインを持ち、他の製品とのシームレスな連携を提供します。
- Appleのブランド力は非常に強く、多くの消費者がApple製品をステータスシンボルとみなしています。
- 高価格:
- iOSデバイスは高価格帯に位置し、ユーザーは製品の品質とブランドに対する対価として高額を支払います。例えば、最新のiPhoneモデルは1000ドル以上することが一般的です。
- プライバシーの重視:
- Appleはプライバシー保護を重視しており、ユーザーデータの収集と利用を最小限に抑えています。これは、消費者にとって安心感を提供し、Apple製品を選ぶ重要な理由の一つとなっています。
GoogleのAndroid: 赤のビジネスモデル
一方、GoogleのAndroidは赤のビジネスモデルの代表例です。このモデルは、製品を無料または低価格で提供し、その代わりにユーザーデータを収集して収益を上げる手法です。
- 無料または低価格:
- Androidは基本的に無料で提供され、多くのスマートフォンメーカーがこのOSを採用しています。これにより、Androidは世界中で広く普及しています。
- データ収集と広告:
- GoogleはAndroidを通じてユーザーの行動データを収集し、そのデータを基にターゲティング広告を提供しています。例えば、ユーザーの検索履歴、位置情報、アプリの使用状況などがデータとして収集され、広告主に提供されます。これにより、Googleは広告収入を主な収益源としています。
- プライバシーの取引:
- Androidユーザーは無料または低価格でデバイスを利用できる一方で、個人情報や行動データをGoogleに提供することを受け入れなければなりません。これにより、プライバシーが犠牲になる側面があります。
産業界の分岐
著者は、このような赤と青のビジネスモデルの分岐が、スマートフォン市場だけでなく、他の産業分野にも広がっていくだろうと予測しています。例えば、自動車業界でも同様の分岐が見られるかもしれません。高品質で高価格な自動車(青のモデル)と、低価格でデータ収集を重視する自動車(赤のモデル)が共存する未来が考えられます。
この分岐は、消費者の価値観やニーズの違いに対応するために生じるものです。高品質やブランド力を重視する消費者は、青のビジネスモデルに引かれ、プライバシーを重視しないがコストを抑えたい消費者は、赤のビジネスモデルを選ぶ傾向があります。
「赤と青に分岐するGAFA+X」は、現代のビジネス環境における重要なトレンドを示しています。AppleのiOSが象徴する青のビジネスモデルは、高品質とブランド力を武器に高価格で収益を上げる一方、GoogleのAndroidが象徴する赤のビジネスモデルは、無料または低価格で製品を提供し、ユーザーデータを活用して収益を上げます。この二つのビジネスモデルの分岐は、消費者の選択肢を広げ、企業にとっては異なるアプローチでの市場戦略を可能にしています。
2. 搾取経済
この章では以下の3つのポイントについて解説します。
- イノベーション経済から搾取経済へ
- ビッグテックが搾取しているもの
- 消費者からの搾取
イノベーション経済から搾取経済へ
過去10年でアメリカはイノベーション経済から搾取経済へと変化したと著者は述べています。この変化は、技術革新や市場の動態に対する大手企業のアプローチに大きな影響を与えています。
イノベーション経済とは
イノベーション経済では、新しいアイデアや技術が市場に導入され、その結果として市場のダイナミズムが変化します。これは新しいプレイヤーが古参のプレイヤーから市場シェアを奪う機会を生み出します。例えば、かつてのスタートアップ企業が新しい技術やサービスを提供することで、従来の大企業に挑戦し、競争力を持つようになることが典型的な例です。
イノベーション経済の特長:
- 技術革新: 新しい技術やアイデアが次々と生まれ、市場に変革をもたらす。
- 競争の促進: 新しいプレイヤーが市場に参入し、古参プレイヤーに挑戦することで競争が活性化する。
- 市場の流動性: 市場シェアの変動が頻繁に起こり、新しいビジネスモデルが成功する可能性が高い。
搾取経済への転換
しかし、著者はアメリカが次第にイノベーション経済から搾取経済へと変化していると指摘しています。搾取経済では、大手企業が市場支配力を強化し、既存のビジネスモデルを維持しつつ、あらゆる手段で利益を最大化しようとします。この結果、イノベーションが抑制され、新しいプレイヤーが市場に参入することが難しくなります。
搾取経済の特長:
- 市場支配力の強化: 大手企業が市場の主要部分を支配し、新規参入者を排除する。
- 利益の最大化: 労働者や消費者からの搾取を通じて利益を最大化しようとする。
- イノベーションの抑制: 新しい技術やアイデアの導入が減少し、既存のビジネスモデルが維持される。
具体例: Apple
Appleは、現在のやり方で多くの利益を上げており、変化の必要がないと考えています。Appleは高品質な製品を提供し、強力なブランド力を維持することで、市場支配力を強化しています。しかし、このアプローチにはイノベーションの抑制という側面もあります。Appleは市場シェアを維持し、利益を最大化するために、従来のビジネスモデルを継続し、新しいプレイヤーが参入する余地を少なくしています。
Appleの戦略:
- 高品質な製品: 優れたデザインと機能を持つ製品を提供し、ブランド力を維持する。
- 強力なブランド力: 消費者の忠誠心を高めることで、競争優位性を確保する。
- 市場支配力の強化: 新規参入者を排除し、既存の市場シェアを維持するための戦略を継続する。
過去10年でアメリカはイノベーション経済から搾取経済へと変化してきました。イノベーション経済では新しい技術やアイデアが市場に変革をもたらしましたが、搾取経済では大手企業が市場支配力を強化し、利益を最大化するために既存のビジネスモデルを維持しています。この変化により、市場のダイナミズムが減少し、イノベーションが抑制される傾向が見られます。Appleの例は、こうした変化の一端を示しています。
ビッグテックが搾取しているもの
著者は、独占的な企業が触れるもの全てを搾取していると述べています。この搾取は、まずは自社の従業員に対して行われています。ここでは、パンデミック時におけるAmazonやUberの事例を通じて、ビッグテック企業の搾取の実態を詳しく見ていきます。
Amazonの従業員搾取
パンデミック時に、Amazonの倉庫労働者は新型コロナウイルスの感染リスクと危険な労働環境にさらされました。労働者たちはこれに対して声を上げ、ストライキを計画し、署名を集め始めました。しかし、Amazonはこれに対し、ストライキを計画した配送センターの社員を解雇するという措置を取りました。この行動は、従業員の健康と安全よりも、企業の運営効率と利益を優先する姿勢を明らかにしました。
Amazonのケーススタディ:
- 健康と安全の訴え: 労働者たちは、新型コロナウイルスの感染リスクと危険な労働環境を改善するよう訴えました。
- 企業の対応: Amazonはストライキを計画した従業員を解雇することで、労働者の声を抑え込もうとしました。
- 結果: 労働者の健康と安全が二の次にされ、企業の利益が最優先されました。
Uberのドライバーパートナー搾取
Uberは、設備の購入とメンテナンスの責任をドライバーパートナーに負わせています。具体的には、ドライバーは自分の車を用意し、維持費や燃料費も自ら負担しなければなりません。また、Uberはドライバーを独立した請負業者として分類することで、従業員に対する健康保険や最低賃金の支払いを避けています。これにより、Uberはコストを抑えつつ、サービスを提供しています。
Uberのケーススタディ:
- 設備の負担: ドライバーは自分の車を購入し、維持費や燃料費を自ら負担します。
- 雇用形態: Uberはドライバーを独立した請負業者として分類し、従業員としての福利厚生や最低賃金の支払いを避けています。
- 結果: ドライバーは経済的リスクを負いながらも、安定した収入や福利厚生を享受できない状況に置かれています。
ビッグテック企業は、従業員に対する搾取を通じて利益を最大化しています。Amazonは労働者の健康と安全を犠牲にして効率と利益を追求し、Uberはドライバーに経済的リスクを負わせることでコストを削減しています。これらの事例は、ビッグテック企業がどのようにして搾取経済を築いているかを如実に示しています。従業員の権利や福利厚生が軽視され、企業の利益が最優先される現状は、社会全体にとって大きな課題となっています。
ビッグテック企業の搾取は、従業員だけでなく、消費者や他のステークホルダーにも影響を及ぼしています。次のポイントでは、ビッグテック企業がどのようにして消費者から搾取しているのかについて詳しく解説します。
消費者からの搾取
ビッグテック企業は、無料のソーシャルネットワークアプリなどを提供することで、消費者から大きな利益を得ています。しかし、これらの「無料」サービスの裏には巧妙な搾取の仕組みが隠されています。企業はアルゴリズムを駆使して人間の弱みに付け入り、ユーザーの時間とデータを吸い上げることで利益を上げています。
無限のスクロールとアルゴリズムの利用
FacebookやInstagramなどのソーシャルネットワークアプリは、ユーザーが止めどなくコンテンツを閲覧し続けることができる「無限スクロール」機能を提供しています。この機能は、ユーザーが次から次へとコンテンツに引き込まれるよう設計されています。アルゴリズムはユーザーの行動を綿密に分析し、彼らが興味を持ち続けるコンテンツを次々と表示することで、アプリ内での滞在時間を最大化します。
- アルゴリズムの効果:
- ユーザーの過去の行動や好みを基に、興味を引くコンテンツをパーソナライズして提供します。
- この結果、ユーザーは次々とコンテンツを消費し続け、気づかぬうちに長時間アプリを利用することになります。
- ユーザーの時間の搾取:
- 無限スクロールにより、ユーザーの時間が大量に消費されます。
- アプリ内での滞在時間が長くなるほど、広告が多く表示されるため、企業は広告収入を増やすことができます。
データ収集とプライバシーの侵害
ビッグテック企業は、ユーザーがアプリを利用する際に多くのデータを収集しています。これには、ユーザーが閲覧したコンテンツ、クリックしたリンク、さらには地理的な位置情報などが含まれます。これらのデータは広告主にとって非常に価値があり、ターゲット広告を効果的に配信するために利用されます。
- データ収集の範囲:
- ユーザーの閲覧履歴、クリック履歴、位置情報、さらには友人とのやり取りなど、広範なデータが収集されます。
- これらのデータは、ユーザーのプロファイルを詳細に作成し、ターゲティング広告に利用されます。
- プライバシーとの引き換え:
- ユーザーは、無料でサービスを利用する代わりに、自分のデータを提供することを余儀なくされます。
- 企業はこのデータを広告主に提供し、収益を上げますが、ユーザーのプライバシーは大きく損なわれます。
結果としての消費者搾取
ビッグテック企業のこれらの手法は、ユーザーの時間とデータを搾取することで成り立っています。ユーザーは一見無料で便利なサービスを享受しているように見えますが、その代償としてプライバシーを失い、自分のデータが企業の収益源として利用されているのです。
- 時間の浪費:
- 無限スクロールやパーソナライズされたコンテンツにより、ユーザーは多くの時間を消費することになります。
- この時間は、他の生産的な活動に使われるべき時間を奪われているとも言えます。
- データの商業化:
- ユーザーの行動データは、広告主にとって価値のある商品となり、ターゲティング広告に利用されます。
- ユーザーは、自分のデータがどのように使われているのかを完全には把握していないことが多いです。
消費者からの搾取は、ビッグテック企業の収益モデルの中心にあります。ユーザーは無料のサービスを利用することで時間とデータを提供し、企業はそのデータを基に広告収入を得る仕組みです。このように、消費者の時間とプライバシーを代償に、ビッグテック企業は巨額の利益を上げています。消費者にとっては、この代償の大きさを理解し、デジタルプライバシーを守るための意識を高めることが重要です。
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おわりに
今回の解説は以上です。『GAFA NEXTステージ 四騎士+Xの次なる支配戦略』には、まだまだ紹介しきれていない重要な内容がたくさんあります。この本は非常におすすめですので、ぜひ読んでみてください。今回の解説が、皆さんの理解を深め、役立つ知識となれば幸いです。
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