残酷すぎる成功法則(橘玲 監訳)を要約してみた。

「残酷すぎる成功法則(橘玲 監訳)」

世の中には数え切れないほどの自己啓発書や成功法則が溢れています。「こうすれば成功する、ああすれば成功する」と言われるものの、それらの法則には実際の証拠、すなわちエビデンスが欠けていることが多いのが現実です。宝くじで一攫千金を掴む確率が低いのと同様、証拠のない成功法則に従うことの危険性は高いのです。

しかし、今回紹介する『残酷すぎる成功法則』(橘玲 監訳)は、異なるアプローチを取り入れています。この本は、巷に溢れる成功法則のほぼすべてにエビデンスがあるかどうかを検証し、科学的根拠を持ち込んでいます。その中で、人々の信じがちな誤った方法から、正しいと証明された成功法則への道を示しているのです。

今回の記事では、この画期的な作品を世界一わかりやすく要約し、特に以下の3つの法則に焦点を当てます:

1. 自分の増強装置を生かす。

2. バカみたいに夢中になって努力する

3. 自分なりの成功を定義する。

それでは、一緒に成功への真実の道を見ていきましょう。

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感想(3件)

自分の「増強装置」を見つけること

皆さんが成功を追求する際、自分の「増強装置」を見つけることが重要です。増強装置とは、一般にはネガティブな性質や欠陥と見られることもあるもので、特定の状況で強みに変わる特性のことを指します。

例として、自閉症の人々が挙げられます。日常生活の中で彼らは困難を感じることが多いかもしれませんが、プログラマーのような特定の職業で、通常の人では考えられないような集中力を発揮できることがあります。こうした集中力を持つ人々は、何十時間も連続して集中することが可能で、他の人々とは比較にならないほどの成果を上げることができるのです。

また、オリンピックの水泳選手であるマイケルフェルプスの例も考えられます。彼は長い腕と短い足、大きすぎる手足という体型を持っていました。これらは一見ネガティブに思える特性かもしれませんが、水泳にとっては理想的な体型であり、彼にとっての増強装置となったのです。

さらに、特異な特性や傲慢な態度、誠実性の欠如なども、クリエイティブな人々にとっての増強装置となり得ます。社会的には問題視されるような特性も、成功のためには必要であり、時にはポジティブに評価されることさえあります。

成功への道を究めるために、このような増強装置を見つけて活用することが求められます。それは、自分自身の特性と強みを深く理解し、それらを最大限に活かせる環境を見つけるプロセスです。

一例として、本が好きで1日10時間読むことができる人がいます。多くの人にとっては理解しがたい性質かもしれませんが、適切な環境を選ぶことで、この性質が強みとなり得るのです。

皆さんも、自分のユニークな特性や能力が何であるかを考え、それが評価される場所や環境を見つけてみてください。あなたのネガティブと思われる特性が、実は大きな強みに変わることがあるかもしれません。自分にとっての増強装置を見つけ、成功への第一歩を踏み出しましょう。

愚かに見えるほど夢中になって努力

成功を手に入れるためには、愚かに見えるほど夢中になって努力することが必要です。しかし、この考え方には現実的な側面も存在します。

まず、現実には夢のような魅力がない部分が多々あります。たとえば、長時間労働から生じる生産力は、多くの人にとっては厳しい現実です。成功者たちは目標に対して人生全体を体系化する必要があり、その過程で狂ったように没頭することが求められます。だらしない、優柔不断、移り気な性格の人々には、成功は訪れにくいでしょう。

トップ経営陣の中では、週60時間以上の労働が珍しくないことがわかります。スタンフォード大学は、起業で成功する秘訣は勝つ力とスタミナだと主張しています。自分の才能と効率が周りの人と同じであると仮定した場合、より多くの時間を費やす人が勝利することが多いです。

しかし、時間だけをかけるのではなく、絶えず向上しようとする意識が重要です。一方で、働きすぎは体に悪いとも言われます。運動不足やストレスが増え、人間関係や幸福度にも影響を及ぼす可能性があります。

ここでの例外は、自分の仕事に情熱を見出している場合です。強みを生かせる仕事は、毎日続けても苦にならないことが多いでしょう。自分の強みを活かすと、心配やストレス、怒り、悲しみが減り、物理的な強みも向上することが知られています。

逆に、嫌いな仕事はストレスを増やし、体とメンタルの健康を害する可能性があります。退屈な仕事は心筋梗塞のリスクを高めることもあるとされています。

最終的には、好きな仕事、すなわち天職に就いた人は、狂ったように働き、長時間労働して大きな成功を手にできるのに対し、転職についていない人や嫌いな仕事をしている人は、長時間働いても失うものが多く、バランスを取ることが重要となるでしょう。

自分なりの成功を定義する

最後の法則は、「自分なりの成功を定義する」というテーマに焦点を当てます。現在、社会ではワークライフバランスが大いに問題にされていますが、その背景には何があるのでしょうか。

現代社会は、自己への高い期待と夢の追求がますます強調されています。インターネットを通じて70億人と比べることができるため、成功の基準が高まっているのです。テレビでの成功者の紹介や年収10億、年商100億の会社の報道、華やかなライフスタイルの映像などが、人々の欲望を刺激し、期待値を跳ね上げています。

今の時代は、スマートフォンの普及により24時間働けるようになり、無限の選択肢が現れる世界です。一瞬一瞬で、どう過ごすかという決断が自分の選択に委ねられているため、絶えず頭の中で決断を迫られることはストレスの原因となります。

かつては、会社で働いて家に帰れば子供と遊ぶしかなかった時代もありましたが、今では、家でも働かないようという決断を下さなければなりません。全ての行動がトレードオフとなり、成功や努力に上限のない世界でみんなが健康や大切な時間を犠牲にして走り続けています。

現代の成功の基準はネットの影響で高くなりすぎ、もはや達成不可能なものとなっています。だからこそ、自分なりの成功を定義し、自分で限界を設定することが極めて重要なのです。自分は人生に何を望んでいるのか、どんなものが揃っていれば満たされるのか、それを明確にしなければ、テレビやインターネットなどの華々しい成功に惑わされ、健康や恋人との時間を失ってしまう恐れがあります。

周囲を基準に自分が成功しているかどうかを判断するのは現実的ではありません。他人と比較し、相対的な成功を追求することは危険です。全ての意思決定は自分で行わなければならず、自分なりの成功を明確に定義することが必須です。

例えば、自分なりの成功が家族と幸せに過ごすことなら、無駄に働く必要はないかもしれません。何が必要で何が必要でないのか、自分でつかみ取る必要があります。

このように、自分なりの成功を定義することは、人生の方向性を見失わないためにも不可欠です。何をするにしろ、この点から始めなければなりません。

最後に法則をまとめます。自分なりの成功を定義し、西洋世界がもう限界を設定してくれないので、自分の意思で限界をつくらなければ、健康や恋人など本当に大切なものを失っていくリスクがあるのです。自分の成功の定義に目を向け、しっかりとした人生の指針を立てましょう。

まとめ

今回は3つの法則を紹介させていただきました。

  1. 自分の増強装置、つまり強みを生かして、バカみたいに夢中になって努力する。
  2. 自分が好きな仕事に就いて、夢中になって努力し、成功する。
  3. 自分なりの成功を定義する。

さてみなさん、いかがだったでしょうか?なかなか残酷な成功法則でしたよね。しかしこれらはエビデンスがあるので、巷に溢れるような適当な成功法則と一緒にしてもらっては困るんです。

ときには自分と向き合い、「俺の強み、自分の増強装置は何だろうなぁ」と考えてみてください。そして、自分が好きな仕事に就いているならば、夢中になって努力して成功してしまってください。

しかし、こんな限界のない、誰もが不眠不休で働く世界において、自分なりの成功を定義して、自分で限界を作ることが大切です。自分は何を優先するのか、そのためにどれだけ働くべきか、家族の幸せを大切にした方がいいのではないか、など、自分なりの成功を定義してください。

その成功が他の人から見て成功には程遠いものであったとしても、そんなのはどうでもいいです。大事なのは、自分で成功したと思えること。そして、その方向性に向かって、着実に進んでいくことです。

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