
男女共同参画は「無駄」なのか?――予算の仕組みから批判・必要性まで徹底整理
最近、SNSやニュースでこんな声をよく見かけます。
「男女共同参画の予算ってムダなんじゃないの?」
「10兆円も使ってるって本当?」
たしかに、大きな金額の話になると不安になりますよね。
ちょうど先日の会見で、片山さつき財務大臣が
「政府のお金に無駄がないか、SNSで国民のみなさんから意見を集めたい」
と話しました。さらにその中で、
「男女共同参画は9兆円というのは誤解で、本来の規模は数千億円」
と説明しました。
なぜ、こんな“大きなズレ”が起きてしまうのでしょうか?
実は「男女共同参画予算」とまとめて言っても、
- 実際は保育や介護など、生活に直結するお金が多く含まれている
- 「どんな名前で分類するか」で金額が大きく変わってしまう
という事情があります。
つまり大事なのは、
お金が どこに使われているのか
それは 本当にムダなのか
を丁寧に見ていくこと。
このブログでは、
- そのお金はどんなことに使われている?
- 社会にとって必要な部分はどこ?
- 改善すべき“ムダ”はどの部分?
をわかりやすく整理していきます。
まずは、一緒に事実を見ていきましょう。
📌 男女共同参画の予算は「本当に10兆円」なの?
よく批判に使われる数字がこちら:
「男女共同参画基本計画関係予算」2024年度
約10兆5,584億円
しかし中身を分解すると…
| 区分 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 男女共同参画を直接目的とした事業 | 約3,200億円 | ジェンダー平等施策、啓発、支援策など |
| それ以外(介護・保育・教育など社会保障) | 約9割 | 性別関係なく必要な公共サービス |
つまり……
🔹「専用の平等政策予算」は実は数千億円規模
🔹残りの多くは社会保障全体を“ひとまとめ”にしているだけ
つまり「10兆円=男女共同参画の無駄遣い」
という批判は、実態とズレがあるということになります。
✅ 男女共同参画が必要とされる理由
主な根拠はこちら:
- 日本には今も男女の経済格差がある(賃金差・管理職比率など)
- 高齢化で労働人口が減る → 女性や介護者も働ける環境が必要
- 社会全体の多様な視点が経済力・競争力を上げる
- 家事・育児の負担偏りを改善し、家族の疲弊を防ぐ
つまりこれは
「女性だけの話」ではなく
「日本社会の持続力の確保」
に関わる重要政策なのです。
⚠️ ではなぜ「無駄」と言われるのか?(批判のポイント)
批判側にも、一定の合理性があります。
- 見えづらい制度になってしまっている
- 何にどれだけ使われているか分かりにくい
- 成果が実感しづらい
- 対象の偏り
- 働きやすいキャリア女性向け施策が多いという声
- 地方・非正規・子育て世代まで届きにくい
- 目的の曖昧化(ラベル問題)
- 社会保障を「男女共同参画」とラベリングして膨らむ予算
- 本来の目的とのズレが発生
- 働くことを前提にした価値観偏重
- 家庭中心の生き方の尊重が弱いという懸念
まとめると…
理想は立派だが、現場まで十分届いていない
→ 結果、「無駄に見える部分」が存在してしまう
🎯 では「無駄」と感じるときに必要な視点は?
批判をより建設的にするには、次の問い直しが大事です:
- どの部分が無駄なのか?(具体化)
- 無くしたら誰が困るか?(影響)
- 機能していない部分はどう改善できるか?
「全部ムダ」と切り捨てず、
改善すべきところをきちんと見える化することが重要です。
💡 結論:男女共同参画は
❌ 全部ムダ → 間違い
⚠️ ムダな部分もある → 正しい
✔️ ただし社会に必要な制度 → より正しい
現状の整理:
| 評価 | 根拠 |
|---|---|
| 必要 | 日本の人口減少・労働力不足・格差改善の観点 |
| 改善必須 | 目的のズレ、透明性の低さ、現場への浸透不足 |
つまり
「今の制度のままでは不十分。
でも無くせば社会の基盤が崩れる」
これが最もバランスの取れた理解だと私は考えます。
✋最後に:あなたはどれを重視しますか?
男女共同参画は、
- 「経済・国の未来」
- 「家族のあり方」
- 「多様性」
- 「公平性」
など、価値観の交わる場所にある政策です。
だからこそ、
一言で「ムダ」と決めつけず
何が誰に必要で
何をどう改善すべきか
を一緒に考えることが大切だと思います。

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