
「EQって知ってる?」
そう聞かれて「IQなら知ってるけど…」って思った人、多いんじゃないでしょうか。
EQは「感情の知能指数」って言われていて、ざっくり言うと「自分や他人の感情をうまく扱う力」のこと。
最近は「頭の良さ(IQ)」よりも、この「EQの高さ」の方が大事だって言われる場面が増えてるんです。
たとえば、職場で誰かがケンカしてた時。
高学歴の上司が見て見ぬふりする中、普段あんまり目立たない清掃員さんがうまく仲裁してくれて場が落ち着いた――
こんな場面、けっこうリアルにあるかもしれません。
この記事では、「EQって何?」「高いとどうなる?」「育てられるの?」という疑問に、やさしく、わかりやすく答えていきます。
あなたの中の“いい人”の部分、ちょっと育ててみませんか?


EQ(感情知能)ってなに?
EQ(イーキュー)というのは、**「感情をうまく扱う力」**のことです。
正式には「Emotional Quotient(エモーショナル・クオーシェント)」または「EI(Emotional Intelligence)」とも呼ばれています。
ざっくり言えば、
- 自分が今どんな気持ちなのかをちゃんとわかる力
- その気持ちをコントロールする力
- そして、相手の気持ちを感じ取って、うまく関わる力
こういった「心の使い方」のスキルがEQです。
よく聞く「IQ(知能指数)」は、頭の良さを表す指標で、主に論理的な考え方とか、計算力、記憶力、問題解決力を測るものですよね。
それに対して、EQは「人との関わり」や「自分の感情の扱い方」を表す力なんです。
最近ではこのEQが、心理学はもちろん、会社のマネジメント(経営学)、学校教育、リーダーシップの育成など、いろんな分野でとっても注目されてきています。
つまり、頭が良いだけじゃなくて「人としてどう関われるか」が大事な時代になってきたということですね。
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EQ(感情知能)をつくる5つの力
――ダニエル・ゴールマンのモデルより
EQは「感情をうまく扱う力」ですが、それをもっと具体的にすると、5つのスキルに分けて考えることができます。
① 自己認識(Self-Awareness)
👉 「自分の気持ちに気づける力」
たとえば、イライラしてるときに「自分は今、イライラしてるな」って冷静に気づける力のこと。
気分や感情の変化に自分で気づける人は、自分をうまく扱えるし、周りに振り回されにくくなります。
② 自己制御(Self-Regulation)
👉 「感情をコントロールする力」
怒りに任せて怒鳴ったり、落ち込みすぎて行動できなくなったりしないように、
ネガティブな感情とうまく付き合い、冷静な判断ができる力です。
感情を「感じないようにする」のではなく、「ちゃんと扱う」力ですね。
③ 動機づけ(Motivation)
👉 「内側から湧き出るやる気で動ける力」
給料や評価など外からの報酬だけじゃなく、
「これが好きだから頑張りたい」「もっと成長したい」という内面の情熱で行動できる力。
自分から動ける人は、途中であきらめずにコツコツ続けられるタイプが多いです。
④ 共感力(Empathy)
👉 「相手の気持ちを感じ取る力」
言葉になっていない感情にも気づける力。
たとえば、友達が元気ないときに「何かあったのかな?」って気づいたり、
相手の立場に立って物事を考えられる人は、この共感力が高いです。
⑤ ソーシャルスキル(Social Skills)
👉 「人間関係をうまく築く力」
相手とうまくコミュニケーションを取ったり、チームの中でいい関係を作ったりする力です。
職場や学校、家庭など、いろんな場面で求められるスキルですね。
交渉や協力、リーダーシップなんかにもつながってきます。
これら5つの力が高い人は、「空気が読める」「信頼されやすい」「ストレスに強い」など、社会でも活躍しやすい傾向があります。
つまりEQが高いって、頭がいい以上に「人としての強さ」や「生きやすさ」に直結するんですね。
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EQが高い人ってどんな人?
EQが高い人は、感情の扱い方がうまくて、人との関係もスムーズ。
いわゆる「一緒にいて気持ちいい人」「信頼できる人」が多いです。
そんな人たちの特徴をあげると、こんな感じです:
✅ EQが高い人の特徴
- 素直:自分のミスを認めて、ちゃんと謝れる
- 誠実:嘘をついたりごまかしたりせず、まっすぐ
- 冷静:感情的にならず、落ち着いて判断できる
- 共感力が高い:相手の気持ちにちゃんと気づける
- 努力家:自分の目標に向かってコツコツ取り組む
- ストレスへの耐性が高い:うまく気分転換できて、落ち込んでも立ち直りが早い
- 人間関係がうまい:トラブルを未然に防いだり、揉めてもちゃんと解決できる
こういう人は、周りから信頼されやすくて、自然と「人が集まるタイプ」ですね。
じゃあ、EQが低いとどうなる?
逆に、EQが低いと「感情の扱いが苦手」「人との関係がギクシャクしやすい」傾向があります。
❌ EQが低い人の特徴
- 共感性が低い:相手の気持ちをくみ取るのが苦手
- 他人を許せない:一度のミスでも根に持つタイプ
- 愚痴が多い:感情のモヤモヤを人にぶつけがち
- 協調性が低い:自分のやり方に固執して、周りと合わせるのが苦手
- プライドが高い:間違いを認めるのがイヤで、謝れない
こういった傾向があると、どうしても職場や学校などで孤立したり、ストレスを溜め込みやすくなってしまいます。
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EQって、生まれつき?それとも鍛えられるの?
「EQが高い人って、もともとの性格じゃないの?」と思うかもしれませんが――
実は、EQはトレーニングで伸ばせる能力なんです!
たしかに、EQにも遺伝の影響はあります。
研究によると、EQは約40%が遺伝で決まるそうです(ちなみにIQはもっと高くて約66%)。
でも、残りの60%は「後から身につけられる部分」なんです。
どうやって鍛えるの?
EQを伸ばすには、こんな方法が効果的だとされています:
✅ 1. 自己認識を高める
「今、自分はどんな気持ち?」と定期的にふり返ることで、感情のパターンに気づけるようになります。
日記や感情ログをつけるのもおすすめ。
✅ 2. 感情をコントロールする練習
深呼吸やマインドフルネスなどで、イライラや不安に飲まれにくくなる力が育ちます。
✅ 3. 人と話す・聴くトレーニング
グループディスカッションやワークショップなど、他人と関わりながら自分の感情や相手の気持ちを意識する場が、EQ向上にはとても効果的。
「話す練習」というよりも、「聴く練習」や「気持ちに気づく練習」がポイントです。
つまり…
EQは「持って生まれた性格」で終わるものではありません。
毎日の小さな意識や行動の積み重ねで、誰でもじわじわと伸ばしていけるスキルなんです。
「自分、人付き合いが苦手かも…」という人ほど、EQを伸ばすことでびっくりするほど楽になるかもしれませんよ!

日本人って、EQ低いの…?実はちょっと心配なデータも
「日本人ってEQ高そうじゃない?」と思うかもしれませんが、
実は意外なことに――世界的に見ると、日本人のEQスコアはかなり低めなんです。
たとえば、2019年に行われたグローバルなEQ調査では、
なんと日本は参加国の中で最下位という結果に。
「えっ、なんでそんなに低いの?」と思いますよね。
これには、日本ならではの文化背景が関係しているんです。
感情を出すのはNG?「感情を抑える」文化の影響
日本では昔から、感情をあまり表に出さないことが美徳とされてきました。
たとえば、
- 怒っていても笑顔で対応
- 悲しくても「大丈夫です」と言う
- 喜びもあまり大げさに表現しない
…といったように、感情を「見せない・抑える」ことが大切にされてきたんですね。
この文化そのものが悪いわけではありません。
場の空気を読む力や、他人を思いやる配慮が強いのは日本人の長所でもあります。
ただし、EQを伸ばすには「感情との向き合い」がカギ
EQは、「自分の感情をちゃんと感じて理解すること」がスタートライン。
感情を感じない・言語化しないままだと、EQはなかなか育ちにくいのが現実です。
だからこそ、これからの日本では、
- 「本音を見つめる練習」
- 「感情に名前をつけてあげる習慣」
- 「感情を安心して話せる場づくり」
などが大切になってきます。
文化的にハードルはあるけど、変えていける!
日本はEQを育てにくい土壌があるのは事実ですが、
そのぶん意識すれば、伸びしろが大きいということでもあります。
ちょっとずつでも、「自分の感情に気づくこと」「相手の気持ちに寄り添うこと」を意識するだけで、EQは確実に育っていきますよ!

結論:EQは育てられる。これからの時代の「本当の知性」
EQは、「生まれつきの性格だから仕方ない」ものではありません。
ちゃんと育てていける能力なんです。
実際、自己認識力や感情コントロール、共感力などは、意識とトレーニング次第で少しずつ伸ばしていけます。
これからの社会では、IQ(頭の良さ)だけでなく、
EQ=人間性や感情との向き合い方が、ますます大事になっていきます。
「スーパーのおじさん」が信頼される時代へ?
たとえば、毎日ニコニコして、困ってるお客さんに自然に手を差し伸べる――
そんなスーパーの優しいおじさん、いませんか?
ああいう人こそ、EQが高い人なんです。
知識や肩書きだけじゃなく、
「人に安心感を与えられる」「空気を読んで心を動かせる」人が、
これからの社会で本当に信頼され、選ばれていく時代が来るかもしれません。
だからこそ、自分のEQを育ててみよう
自分の気持ちにちょっと素直になってみる。
人の話をじっくり聞いてみる。
イライラしたら、深呼吸して一歩引いてみる。
そんな小さなことの積み重ねが、あなたのEQをぐっと引き上げてくれます。
誰にでも伸ばせる「心の知能」=EQ。
あなたの人間力を、今日から少しずつ磨いてみませんか?
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