
【幸せをお金で買う5つの授業】
193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実
幸福度や満足度を高めるためには、何にお金を使えばいいのだろうか? 私たちは数々の研究を行い、幸福度を高めるお金の使い方が5つあるということを証明しました。
今回は、エリザベス・ダンさんとマイケル・ノートンさんが書かれた『幸せをお金で買う5つの授業』という本を解説します。
この本は、以下のような方におすすめです。
- お金のことで損をしたくない
- お金の賢い使い方を知りたい
- 心理学や脳科学に興味がある
そんな方にとてもおすすめの本です。本書では、心理学や脳科学の知識の中でも特に「お金」に関する内容が取り上げられています。「これを知らなかったら人生めっちゃ損するところだったわ、危ねえ!」と思わされるような有益な学びがたくさんあるので、非常におすすめの1冊です。
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幸せをお金で買う5つの原則
お金の使い方によって、人の幸福度は大きく変わります。多くの心理学・脳科学の研究が、お金をどのように使えば幸福度が高まるのかを分析しており、その結果、「幸福度を高めるお金の使い方」には5つの原則があることが明らかになっています。
それでは、この5つの原則について詳しく解説していきます。
① 経験を買う
「物よりも経験にお金を使うほうが幸福度が高まりやすい」
心理学の研究によると、お金を「モノ(高級車やブランド品など)」に使うよりも、「経験(旅行やコンサートなど)」に使うほうが、幸福感が長続きしやすいことがわかっています。
物を買う vs. 経験を買う
項目 | 物を買う | 経験を買う |
---|---|---|
幸福感の持続 | 徐々に減少 | 時間とともに増加 |
思い出として残る | 購入時の満足が中心 | 何年経っても語れる思い出になる |
社会的なつながり | 自分だけの満足になりがち | 他人と共有しやすい |
脳の仕組み | 買った瞬間がピークで慣れてしまう | 時間とともに美化される |
例えば、「新しいスマホを買ったとき」と「旅行をしたとき」を比べてみましょう。
- スマホの場合:最初はワクワクするが、すぐに慣れてしまい、新しい機種が出ると欲しくなる。
- 旅行の場合:旅行前のワクワク感、旅行中の楽しさ、旅行後の思い出話と、幸福感が長く続く。
これは、人の脳が「過去の経験を美化する」性質を持っているからです。たとえそのときに大変な思いをしても、時間が経つと「いい思い出」として記憶に残りやすくなります。

幸福度を高める「4つの経験」
特に、幸福度を高める経験には、次の4つのパターンがあります。
- 他人とのつながりが生まれる経験(例:ボランティア活動、スポーツ大会への参加)
- 思い出話になりそうな経験(例:珍しい旅行体験、サプライズイベント)
- 自分の理想像に関係する経験(例:憧れの人に会う、目標の場所に行く)
- めったにないレアな経験(例:バンジージャンプ、熱気球に乗る)
→ こうした経験を積極的に増やすことで、長期的に幸福感を得やすくなります。

② ご褒美にする
「お金を使うことに意味を持たせる」
何かを達成した後に、「ご褒美」としてお金を使うと、幸福度が高まりやすくなります。これは、「努力の対価として楽しみを得ると、満足感が増す」という心理的効果があるためです。
ご褒美の具体例
- 仕事を1週間頑張った後に、おいしいレストランで食事する
- 試験勉強を頑張った後に、好きな映画を見る
- ダイエットの目標を達成した後に、お気に入りの服を買う
このように、努力と報酬のサイクルを作ることで、「お金を使うこと」自体が特別な意味を持つようになります。
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制限を設けることで価値を高める
人間の心理には、「希少なものほど価値を感じる」という性質があります。たとえば、
- 東京に住んでいる人が東京タワーに行かないように、身近なものほど価値を感じにくくなる。
- 何でも簡単に手に入ると、ありがたみが薄れる。
だからこそ、「ご褒美」として意図的に制限を設けることで、幸福感を増すことができるのです。
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③ 時間を買う
「お金を使って自由な時間を増やすと幸福度が高まる」
心理学の研究では、「収入が増えるよりも、自由な時間を持つほうが幸福度が高くなりやすい」ことが示されています。
時間を買う具体例
- 家事代行を頼む(掃除・洗濯を外注して自由な時間を確保)
- ロボット掃除機を使う(掃除の時間を減らす)
- 時短の交通手段を使う(タクシーや新幹線を利用して移動時間を短縮)
- 職場の近くに住む(通勤時間を減らす)
自由な時間が増えると、その時間を好きなことや大切な人との時間に使えるため、幸福度が向上します。

④ 先に支払って後で消費する
「支払いのタイミングを工夫すると幸福度が高まる」
先に支払いを済ませ、あとから消費するほうが、幸福度が高まりやすいことが研究でわかっています。
例えば、旅行の場合:
- 「先に航空券やホテルを予約し、旅行を楽しみに待つ」
- 「当日はすでに支払いが済んでいるので、気兼ねなく楽しめる」
これにより、「待つ時間」そのものが幸福感を生み出すのです。
逆に、「後払い」は幸福度を下げやすいとされています。たとえば、24回払いの車のローンなどは、毎月少しずつお金が引かれていくため、負担感が続いてしまいます。

⑤ 他人のために使う
「人にお金を使うと、自分の幸福度も高まる」
他人に対してお金を使うことは、自分自身の幸福感を高める効果があります。
他人のためにお金を使う具体例
- 友人や家族にプレゼントを贈る
- 困っている人に寄付をする
- 後輩におごる
- ボランティア活動に参加する
研究では、「自分のためにお金を使うよりも、他人のために使ったほうが幸福感が高まる」ことが示されています。これは、「人とのつながりを感じることで幸福ホルモン(オキシトシン)が分泌される」ためです。
幸福度を高めるお金の使い方5つの原則まとめ
- 経験を買う → 物よりも経験にお金を使うと、幸福感が長続きする。
- ご褒美にする → 「努力の対価」としてお金を使うことで、満足感が増す。
- 時間を買う → 家事代行や時短手段を利用して、自由な時間を増やす。
- 先に支払って後で消費する → 先払いすると、消費前のワクワク感が増す。
- 他人のために使う → 他人にお金を使うと、より大きな幸福感が得られる。

「やらなかった後悔」と「やった後悔」
心理学の研究によると、「やらなかった後悔」は「やった後悔」よりも強く、長く残ることが分かっています。
**「やった後悔」**は、一時的なショックや損失を伴うかもしれませんが、時間が経つにつれて薄れていきます。多くの場合、「失敗したけど学びになった」「次に活かせる経験だった」とポジティブに変換されることが多いのです。
一方で、**「やらなかった後悔」**は時間が経つほど大きくなります。「あのとき挑戦していたら、今の自分はどうなっていただろう?」と、何度も思い返してしまうため、脳内で「未完のストーリー」として強く残りやすいのです。
研究例:人生における後悔の調査
心理学者のトーマス・ギロヴィッチらの研究では、人生の長期的な後悔を調査したところ、以下のような結果が得られました。
- 人々が短期的に後悔するのは「やった後悔」(間違いを犯した、失敗したなど)
- 長期的に後悔するのは「やらなかった後悔」(挑戦しなかった、告白しなかった、旅行しなかったなど)
このように、「やらなかった後悔」は長く引きずることが多いため、幸福度を高めるためには「とにかくやってみる」ことが重要だと考えられます。

幸福度を高める4つの経験
先ほど述べたように、「物を買うより経験にお金を使ったほうが幸福感が長続きする」ことが分かっています。その中でも、特に幸福度を高めやすい経験には4つのパターンがあることが研究で示されています。
① 他人とのつながりが生まれる経験
例:マラソン大会、ボランティア、チームスポーツ、フェス参加など
人間は社会的なつながりを持つことで幸福を感じる生き物です。これは、脳内でオキシトシンというホルモンが分泌されるためです。オキシトシンは**「愛情ホルモン」「絆ホルモン」**とも呼ばれ、他人と協力したり、感情を共有したりすると分泌されます。
オキシトシンの効果
- 幸福感が高まる
- ストレスが軽減される
- 免疫力が向上する
- 不安や孤独感を和らげる
例えば、マラソン大会に参加したり、ボランティア活動をすると、他人と協力し、達成感を共有することで幸福感が増すことが分かっています。人とのつながりを感じられる経験は、人生の満足度を大きく向上させます。

② 思い出話になりそうな経験
例:旅行、イベント参加、サプライズパーティー、アドベンチャー体験など
思い出話になりやすい経験は、何年経っても語り継がれ、幸福感を持続させる効果があります。
特に「トラブルがあった旅行」や「ハプニングが起きたイベント」は、あとで振り返ったときに楽しいエピソードとして記憶されやすくなります。
例えば、
- 飛行機が遅れたことで、現地の人と仲良くなれた
- 予想外のハプニングで、思い出に残る経験ができた
こうした経験は、そのときは大変でも、後から振り返ると笑い話になりやすく、幸福感を高める要因になります。

③ 自分の理想像に関係する経験
例:憧れの人に会う、目標の場所に行く、夢だったことを体験する
「理想の自分」に近づける経験は、強いモチベーションや幸福感を生み出します。これは、脳内でドーパミンという「やる気ホルモン」が分泌されるためです。
ドーパミンの効果
- やる気や集中力が高まる
- 目標達成の喜びが増す
- 人生の満足度が向上する
例えば、
- 憧れのスポーツ選手やアーティストに直接会いに行く
- 志望大学のキャンパスに訪れて、実際の雰囲気を味わう
- 好きな職業の体験イベントに参加する
このような経験は、自分の未来への希望を高め、「もっと頑張ろう!」というモチベーションを生み出す効果があります。

④ めったにないレアな経験
例:ゾウに乗る、バンジージャンプに挑戦する、オーロラを見る、宇宙旅行に行く(!?)
レアな経験は、非日常的な刺激を与え、強い記憶として残ることが分かっています。これは、脳の扁桃体という部分が「特別な経験」を鮮明に記憶するためです。
レアな経験の特徴
- 記憶に強く残り、長期間幸福感をもたらす
- 友人や家族と話すネタになりやすい
- 達成感や高揚感を得られる
たとえば、
- スカイダイビングを経験して、人生観が変わる
- オーロラを見て、感動を味わう
- サファリツアーに参加し、野生動物を間近で観察する
このような経験は、普段の生活では味わえない刺激をもたらし、「人生でこんなことを体験できてよかった!」という満足感を生み出します。

「やらなかった後悔」は長く残る。まとめ
心理学の研究では、「やった後悔」よりも「やらなかった後悔」のほうが強く、長く残ることが示されています。そのため、幸福度を高めるためには、積極的に新しい経験をすることが重要です。
幸福度を高める4つの経験
No. | 経験の種類 | 具体例 | 幸福度を高める理由 |
---|---|---|---|
① | 他人とのつながりが生まれる経験 | ボランティア、マラソン大会 | オキシトシン分泌で幸福感アップ |
② | 思い出話になりそうな経験 | 旅行、サプライズイベント | 時間が経つほど楽しい記憶になる |
③ | 自分の理想像に関係する経験 | 憧れの人に会う、目標の場所に行く | ドーパミン分泌でやる気が高まる |
④ | めったにないレアな経験 | バンジージャンプ、オーロラ鑑賞 | 特別な記憶として強く残る |
これらの経験を意識して増やすことで、長期的に幸福度を高めることが可能になります。後悔しない人生を送るために、「やらなかった後悔」を減らし、積極的に新しい経験に挑戦してみましょう!

「科学的」とはどういうことか?
今回の書籍では、「お金をどのように使うと幸福度が高まるのか」というテーマについて、多くの心理学・経済学・脳科学の研究をもとに解説されています。これらの研究結果に基づいた方法は「科学的に根拠がある方法」と言われますが、それはどういう意味なのでしょうか?
科学的根拠があるとは?
科学的根拠があるとは、以下のような条件を満たしていることを指します。
- 統計的な結果に基づいており、ある程度の再現性がある
→ ある特定の状況で同じ結果が繰り返し観察される。 - 多くの研究によって示された傾向である
→ 1つの研究だけでなく、複数の研究で同じ結論が得られている。
つまり、「科学的に証明された方法」とは、多くの人に適用可能な確率が高い方法である ということです。
しかし、ここで大事なのは、「科学的に証明された方法=100%全員に当てはまる方法」ではないという点です。
科学的根拠があっても個人差がある
「科学的根拠がある」と言っても、それがすべての人に100%当てはまるわけではないことには注意が必要です。なぜなら、人間の行動や感じ方には個人差があるからです。
例えば、科学的な知見が適用しやすいものと、個人差が大きく影響するものを比べてみましょう。
1. 科学的に再現性が高い(個人差が少ない)もの
これらは「人間の生理的な仕組み」に基づいているため、比較的、誰にでも適用しやすいと考えられます。
✅ 例:睡眠・運動・栄養
- 睡眠:質の良い睡眠を取ることで、脳の機能が向上し、ストレス耐性が高まる。(再現性が高い)
- 運動:適度な運動をすることで、エンドルフィン(幸福ホルモン)が分泌され、ストレスが軽減される。(再現性が高い)
- 栄養:バランスの良い食事を摂ることで、健康が維持され、幸福度が向上する。(再現性が高い)
これらの事実は、人間の生物学的な仕組みに基づいているため、ほぼ全員に適用可能 です。
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2. 個人差が大きいもの
これに対し、「感じ方の問題」や「価値観に関わるもの」は、個人差が大きく出やすいです。
✅ 例:お金の使い方・仕事の満足度・趣味
- お金の使い方:ある人にとっては「旅行にお金を使うこと」が最高の幸福をもたらすが、別の人にとっては「貯金して将来の安心を得ること」のほうが幸福につながる。
- 仕事の満足度:ある人は「高収入が幸福につながる」と感じるが、別の人は「仕事のやりがい」や「自由な働き方」のほうが重要だと感じる。
- 趣味:スポーツが好きな人もいれば、読書が好きな人もいる。「趣味にお金を使うことが幸福度を高める」という研究はあるが、何にお金を使うと満足するかは人それぞれ。
科学的とはのまとめ
項目 | 再現性が高い(個人差が少ない) | 個人差が大きい |
---|---|---|
睡眠・運動・栄養 | ✅ 科学的に証明されており、ほぼ全員に適用可能 | ❌ 個人差は少ない |
お金の使い方 | ❌ 科学的な傾向はあるが、人によって異なる | ✅ 価値観によって効果が異なる |
仕事の満足度 | ❌ 科学的な分析は可能だが、個人の好みが大きい | ✅ 人によって重視する点が異なる |
つまり、「お金の使い方」についての研究は、統計的には有意義な傾向を示すが、個人の価値観や状況によっては当てはまらない場合もある ということです。

科学的根拠がある方法をどう活用するべきか?
科学的根拠があるとはいえ、それが**「自分にも必ず当てはまる」とは限らない**ことを理解した上で、次のような考え方が重要になります。
1. まずは試してみる
「科学的に正しい」とされる方法は、確率的に多くの人に有効なので、一度試してみる価値がある ということです。
✅ 例
- 「経験にお金を使うと幸福度が高まる」→ 一度旅行やイベントにお金を使ってみて、自分がどう感じるか試してみる。
- 「時間を買うことで幸福度が上がる」→ 家事代行サービスや時短ツールを試してみて、本当に効果があるか検証する。
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2. 自分に合わなかったら無理に続けない
科学的に推奨される方法でも、「自分には合わない」と感じたら、無理に続ける必要はない ということです。
✅ 例
- 旅行が好きではない人が、「経験を買うと幸福度が上がる」という研究を信じて無理に旅行に行くと、逆にストレスになるかもしれない。
- 他人にお金を使うことで幸福度が上がるという研究があっても、倹約家の人にとっては「お金を失うことのストレス」のほうが大きい可能性がある。
3. 「自分に合うものを探す」という姿勢が大切
科学的に有効とされる方法を試しつつ、「自分に合うかどうか」を見極めることが大切 です。
例えば、
- 「お金を使うと幸福度が高まる」 → どんなものに使うと自分は幸せを感じるのか?
- 「ご褒美を設定すると幸福度が上がる」 → どんなご褒美なら自分はワクワクするのか?
このように、「科学的に正しい」とされる方法を柔軟に取り入れつつ、最終的には自分に合った方法を見つけることが重要 です。
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まとめ
「科学的根拠がある」とは?
- 統計的な結果に基づいており、ある程度の再現性がある
- 多くの研究によって示された傾向である
- 確率的に多くの人に当てはまる可能性が高いが、100%全員に適用できるわけではない
科学的に正しい方法でも、個人差がある
- 睡眠・運動・栄養などの「人体の仕組みに関すること」 → 個人差が少なく、ほぼすべての人に適用可能。
- お金の使い方・仕事の満足度など「価値観に関すること」 → 個人差が大きく、科学的に示された方法がすべての人に当てはまるわけではない。
どう活用するべきか?
- まずは試してみる
- 自分に合わなかったら無理に続けない
- 「自分に合うものを探す」という姿勢を持つ
科学的に正しい方法を活用しつつ、最終的には「自分にとって何が幸せなのか?」を見極めることが、最も重要なのです。
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