「またうっかり自分を後回しにするところだった」中村天風著をちょっとだけ解説

今回は、元大王製紙の社長　井川意高さんがおすすめしていた本で、あなた自身を大切にすることの重要性を改めて考えさせる一冊、「またうっかり自分を後回しにするところだった」という本をご紹介します。

この本は、昭和の鉄人として知られる中村天風の貴重な教えを集約しており、自分を優先しないという一般的な傾向に警鐘を鳴らすものです。

中でも注目すべきは、大リーガー大谷翔平も愛読しているという事実。52の教えを通じて、中村天風は「あなたはあなたのままで素晴らしい」と伝えています。このメッセージは、日常で忘れがちな自己肯定の大切さを教えてくれます。

またうっかり、自分を後回しにするところだった [ 中村天風 ]

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中村天風氏とは
中村天風氏の教え
終わりに

中村天風氏とは

中村天風の人生は、まさに波乱に満ちたものであり、多岐にわたる彼の業績は現代にも影響を与え続けています。彼は日本で最初にヨガを広めた先駆者として知られ、その実践と教えを通じて多くの人々に心身の健康をもたらしました。また、彼の経歴はスパイ活動にも及び、特に戦時中はその能力を活かして重要な役割を果たしました。戦後、30歳の時に結核を発病するという重大な試練に見舞われるものの、その逆境を乗り越える強さを見せました。

戦後の復興期には、新聞記者や会社役員として活躍し、その時の経験から得た深い洞察と教訓が彼の著書に反映されています。特に、彼が会得したヨガの精神と身体の調和の教えは、ストレスが多い現代社会においても非常に有用です。彼の言葉には、困難な状況を乗り越えるための智慧と勇気が込められており、読者に深い共感とモチベーションを与える力があります。

さらに、ロックフェラー家との関連や国際的な影響力も中村天風の興味深い側面の一つです。彼の国際的な経験と交流は、彼の教えや思想に多文化的な視点をもたらし、より幅広い層の人々に訴えかける内容となっています。これらの背景を通じて、彼は現代日本だけでなく、世界中の人々に影響を与える存在となりました。

中村天風氏の教え

中村天風は「幸福の鳥は実は家の中にいた」という言葉を引用し、幸福が外部の環境や状況に依存するものではなく、自分自身の心の中に存在すると説明します。彼のこの洞察は、自己の内面に目を向け、そこに無限の可能性を見出すことの重要性を強調しています。この視点から、どんな状況でも前向きに取り組むことができるという楽観的な気持ちを育てることができます。

本書では、このようなポジティブな心構えを持ち続けるための具体的なアプローチも紹介されています。特に現代社会においては、マスメディアの発展により私たちは絶え間なく情報にさらされていますが、天風はその多くが本当に価値のある内容ではなく、消極的なもので心を乱していると指摘します。彼は心の倉庫を大掃除し、価値のある、清らかで楽しいものだけをすることで、精神の安定を図るべきだと説いています。

これは、情報過多の現代において、心の健康を保ち、自己実現に向けて前進するための非常に価値ある教訓です。天風の教えは、自己肯定感と内面の平和を育てるための実践的な方法を提供しており、私たちにとって大きな示唆を与えています。

中村天風は、人間を「万物の霊長」と称し、私たちが持つ宇宙の進化と向上に寄与する能力を深く認識しています。彼によれば、人間が享受できる「程度の高い豊かな生活」とは、物質的な豊かさだけでなく、心が充足し、豊かな状態にあることを意味します。天風は、人間の存在自体が偶然ではなく必然であるとし、私たち一人一人がこの世界の進化に貢献するための力を持って生まれてきたと言っています。

この認識は天風の哲学の出発点であり、彼は常に前向きに、向上心を持つことで人生が良い方向へ進むと信じています。彼の教えは、私たちが日々の生活の中で直面する様々な課題に対しても、ポジティブな姿勢で臨むことの重要性を示唆しています。天風の思想は、自己実現と共に社会全体の向上に貢献するという責任感を私たちに訴えかけるもので、個々人が持つ内なる力を最大限に発揮することを促しています。