「全速脳の秘密:脳の能力を100倍にする方法」
こんにちは、読者の皆さん。今日は、苫米地英人氏の著書「全速脳〜脳は鍛えると100倍加速する」の興味深い内容を2回に分けて要約し、その第2回目をお届けします。本書は、仕事や学習での成果を高めたい人々に向けて、脳のタスク処理能力を最大限に引き上げる方法を探求しています。
著者は、脳のタスク処理能力、つまり思考のスピードを極限まで向上させることで、仕事や学習、読書の効率を従来の10倍、あるいは100倍に高めることが可能だと説いています。そして、このように「全速脳」を鍛えることで、手の届かないと思われた夢を実現させたり、眠っていた潜在能力を引き出し、人生を変えることができるのです。
さて、前回は「脳のタスク処理能力を極限まで高める3つの方法」と「一つのことをより早く処理する、すなわちクロックサイクルを高める方法」について詳しく説明しました。興味のある方は、ぜひ前回の投稿もご覧ください。
今回は、「複数のことを同時並行で処理する(すなわち並列度)」と「抽象度を高める」という2点に焦点を当て、わかりやすく解説していきたいと思います。脳のタスク処理能力を極限まで引き上げる方法論に迫ってみましょう。それでは、始めましょう!
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並列思考の秘密:無意識の力を最大限に活用する
多くのタスクを同時に処理する能力、つまり「並列度」について、その深い理解と実践的なトレーニング方法を掘り下げていきましょう。
並列度とは?
並列度とは、複数のタスクを同時に効率的に処理する能力のことを指します。人間の意識は通常、一度に処理できるタスクの数に限界があります。例えば、私たちは電車に乗りながら音楽を聴いたり、本を読んだりすることはできますが、これらは比較的簡単なタスクです。複雑な作業を同時に行うことは困難です。人間の意識的なタスク処理は、大体同時に2つまでが限界です。これは左脳と右脳がそれぞれ一つずつのタスクを処理することを意味します。
無意識下の力
しかし、並列度を本当に高める鍵は「無意識」にあります。無意識のレベルでのタスク処理は、意識的な努力を必要とせず、自然かつ効率的に行われます。例えば、私たちは心臓を動かしながら呼吸をし、食べ物を消化し、身体を動かすといった多くの活動を無意識のうちに行っています。
車の運転は並列思考の素晴らしい例です。慣れた運転手は、目で見たりミラーを使ったりしながら、同時にアクセルやブレーキを操作し、ハンドルを動かします。これらの行為はすべて無意識化されており、意識的な努力を必要としません。一方で、初心者は各動作に集中し、複数のタスクを同時に処理するのに苦労します。しかし、運転に慣れると、これらの行為は無意識化され、自然と並列的に行えるようになります。
無意識での問題解決
無意識の領域では、並列思考は実質無限に可能です。例えば、週末に公園を散歩している時に、突然解決策が閃くという経験はありませんか?これは、無意識が常にその問題に取り組んでいる結果です。意識して他の仕事をしている間も、無意識は問題解決のために作業を続けています。
また、複数の難しい問題を抱えている場合、就寝前にそれらの問題を思い浮かべてみると良いでしょう。すると、睡眠中に無意識のうちに脳が解決策を考え出してくれることがあります。朝起きた時には、思いもよらないアイデアが浮かぶことが多いのです。
人間の脳は、無意識のレベルで多くのタスクを並列的にこなすようにできています。無意識の領域では、私たちの脳は元々超並列的な機能を持っているのです。この無意識の力を理解し、最大限に活用することで、並列度を高めることが可能です。
タスクを無意識レベルでマスターする方法
さて、タスクを無意識レベルで実行するための具体的なアプローチについてお話ししましょう。このプロセスは意外とシンプルです。要点は、一つのタスクに集中し、それを徹底的にマスターすることにあります。
ステップ1: 一つのタスクに集中する
例えば、あなたが同時に3つの新しい習慣を身につけたいと考えているとしましょう。多くの人はこれらを同時に行おうとしますが、ここでのポイントは、初めに一つの習慣だけに焦点を当て、それに深く没頭することです。この一つの習慣を完全に習得するまで、他の習慣は一旦後回しにします。
ステップ2: 習慣を無意識レベルに落とし込む
人間は練習によって何かを習得する能力を持っています。徹底的に練習することで、その習慣はやがて無意識のレベルに落とし込まれます。これは、行動が自動的かつ無意識的に行えるようになることを意味します。一つの習慣が無意識のレベルに達したら、次の習慣に着手します。
ステップ3: タスクを順番にマスターする
このアプローチを繰り返すことで、一つずつタスクを無意識レベルに落とし込んでいくことが可能です。疑問に思う方もいるかもしれませんが、自転車に乗ることや車の運転が自然にできるようになったことを思い出してください。これらの技能も、最初は意識的な努力が必要でしたが、練習を重ねることで無意識のレベルで行えるようになりました。これは、無意識下にタスクを落とし込むプロセスの素晴らしい例です。
簡単にまとめると以下のようになります。
- 並列度を高めるコツは無意識レベルにある:無意識の領域では、並列思考が実質的に無限に可能です。
- タスクを一つずつ徹底的にこなす:一つのタスクを完全にマスターし、無意識レベルに落とし込んだ後、次のタスクに取り掛かります。
- 繰り返しを通じてスキルを構築する:この方法を繰り返すことで、多くのタスクを無意識レベルで処理できるようになります。
このプロセスによって、あなたは徐々に多くのタスクを無意識のレベルで処理できるようになるでしょう。それには時間と練習が必要ですが、このアプローチは非常に効果的です。
抽象度を上げる方法とその重要性
本稿の最後に、情報空間における「抽象度」の高め方について掘り下げていきます。抽象度と聞くと、一見難解に思えるかもしれませんが、実は情報を見る視点の高さ、すなわち、情報をどのレベルで捉えるかということを指します。ここでは、抽象度の概念を深く理解し、それを実践することで脳のトレーニングにもつなげる方法を紹介します。
抽象度の基本概念
抽象度を理解するためには、情報をどのように階層化し、広範囲に渡って捉えるかが重要です。たとえば、「チワワ」という概念を考えてみましょう。最も具体的なレベルでは、チワワは特定の犬種を指します。しかし、抽象度を少し上げると、「犬」というカテゴリーになります。さらに抽象度を上げると「哺乳類」、「脊椎動物」、「地球上の生命体」というように、より広いカテゴリーに分類されます。
抽象度を上げることの利点
抽象度を上げることで、情報を広い視点から捉えることができます。たとえば、「犬」という抽象度では、チワワだけでなくドーベルマンも含まれます。さらに、「地球上の生命体」という抽象度では、チワワやドーベルマンはもちろん、キリンやライオン、さらにはインフルエンザウイルスまでもが含まれることになります。このように、抽象度を高めることで、視野が広がり、より多くの情報を包括的に理解することが可能になります。
抽象度を高めることの重要性
抽象度を高めることは、情報の理解を深め、複雑な問題解決に役立ちます。異なる概念やカテゴリー間の関連性を理解するためには、より高い抽象度で情報を捉える必要があります。これは、脳の思考パターンを拡張し、より効果的な問題解決能力を養うために非常に重要です。
抽象度を上げるプロセスは、情報を階層的に捉え、広い視野で見ることを可能にします。これにより、より多様な情報を統合的に理解し、複雑な問題に対してより洞察力を持って対処することができるようになります。一度で理解するのが難しいかもしれませんが、何度か繰り返し考えることで、徐々にこの概念を身につけることができるでしょう。
タスクのグレインサイズを理解し、効率的に管理する
この本では、仕事のタスクに焦点を当てており、理解を容易にするために「グレインサイズ」という用語が使用されています。グレインサイズとは、本来穀物の粒を指す言葉ですが、ここではタスク処理の単位を意味します。抽象度と同様に、グレインサイズを上げることで、一つのタスクで扱える情報の範囲や深さが広がります。
グレインサイズの理解
グレインサイズを理解するために、飲食店の経営という枠組みで考えてみましょう。最も小さいグレインサイズのタスクは、例えば「コーヒーを運ぶ」ことです。これにはオーダーを取る、コーヒーを淹れる、料理を運ぶなどの同等レベルのタスクが含まれます。これらは具体的で小規模なタスクで、ウェイターの日常業務に該当します。
グレインサイズを拡大する
グレインサイズを一段階上げると、ウェイターのシフトを決めたり、募集をするなどの管理レベルのタスクになります。これはフロアマネージャーの責任範囲です。さらにグレインサイズを大きくすると、店舗マネージャーが担当するような、店舗の内装やメニュー構成の決定、収支計算などが含まれます。ここでは、より大きな範囲でタスクを統括します。
グレインサイズのさらなる拡大
グレインサイズをさらに拡大すると、エリアマネージャーや飲食店グループの社長レベルのタスクになります。これらのポジションでは、店舗の経営状況のチェック、店舗の増減の決定、全体のコンセプトの策定など、非常に広範囲なタスクを扱います。これらは個々の小さなタスクを直接実行することは少ないものの、全体のタスク処理の方向性や戦略を含んでいます。
タスク処理の効率化
グレインサイズが大きくなるほど、処理するタスクの範囲が広がり、より多くの情報を一度に扱うことができます。小さいグレインサイズでは、多数の小さなタスクを個別に処理する必要がありますが、大きなグレインサイズでは、これらを一括で処理することができるようになります。これにより、タスク処理の効率が大幅に向上します。
実践的な応用
この概念を具体的なビジネスシーンに応用すると、単に多くの小さなタスクをこなすよりも、より大きなスケールのタスクに焦点を当てることで、大きな成果を得ることが可能です。たとえば、商品を市場に導入してシェアを拡大するという大きなグレインサイズのタスクは、単に見込み客に商品をアピールするなどの小さいタスクを積み重ねるよりも、はるかに効果的です。
グレインサイズを大きくすることは、タスクの効率化、スピードアップ、および品質の向上に不可欠です。グレインサイズ(または抽象度)を高めることで、より高い視点から全体のタスクを見渡すことが可能になり、仕事の効率が劇的に向上します。この方法で物事を見ることは、より高次元のスケールからの理解を意味します。次に、これらの概念をどのように実践的に適用し、タスクの抽象度を高めるためのトレーニング方法についても触れていきたいと思います。
日常での抽象度を高めるトレーニング方法
本書では、日々の生活の中で目の前にある事柄に対して抽象度を高めて捉える習慣を身に付けることを推奨しています。このプロセスを理解しやすくするために、以下に具体例を挙げて詳細に説明します。
抽象度を高める具体例
- 物理的な存在からのスタート: 最も低い抽象度で捉えると、あなたが読んでいるこの本は物理的な存在、つまり手に持っている一冊の本です。
- 同じ種類の集合としての理解: 次に抽象度を一つ上げると、この本は全国の書店やAmazonで見つけることができる「同種の本」というカテゴリーになります。
- 著者によるカテゴリーへの分類: もう一段階抽象度を上げると、「苫米地英人の著書」という分類が可能になります。また、ジャンルで分類すると「ビジネス自己啓発書」というカテゴリーになります。
- 出版物としての概念化: さらに抽象度を高めると、本は単行本や雑誌など様々ですが、共通する概念は「印刷製本された出版物」となります。
- デジタル化への適応: 現代では書籍の電子化が進んでいます。電子書籍は印刷製本された出版物には当てはまりませんが、抽象度をさらに上げると、「書物」というカテゴリーに含めることができます。これは、文字を使って情報を伝えるメディアという広い意味合いを持ちます。
- メディアとしての最高抽象度: 最高レベルの抽象度では、本を「メディア」として理解します。このカテゴリーにはCDやDVDなどの音声や映像メディアも含まれ、さらに未知の新メディアの概念も内包しています。
自己に関する抽象度の上昇
物事を抽象化する練習に慣れたら、自身に関する情報の抽象度を上げることも有効です。例えば、住所や職業など、自分に関連するデータを高い抽象度から見てみましょう。これにより、自分を取り巻く様々な関係性を認識し、自らを一つ上の抽象度で眺めることができるようになります。これは、自分を制約している概念や価値観から自由になる手助けになります。
抽象度を高める継続的な努力
抽象度を上げるためには、日々の思考において意識的に抽象度を高める練習を積み重ねることが必要です。この積み重ねを通じて、抽象的な思考が徐々に自然にできるようになります。突然、高度な抽象度を持つことは難しいですが、コツコツとした日々の努力が重要です。
まとめ:抽象度を高め、情報を深く理解する
それでは、今回のブログで取り上げた「抽象度」に関する内容を要点ごとにまとめておきましょう。
- 抽象度の基本: 抽象度とは、情報空間における視点の高さを指します。これは、物事をどの程度広範囲にわたって捉えるかということに他なりません。
- 抽象度の利点: 抽象度を高めることで、一つのタスクで扱うことのできる情報量が増えます。これにより、より深い洞察力を得ることが可能になります。
- 抽象度のトレーニング方法: 抽象度を高めるためのトレーニングは、日常的に目の前の物事について抽象度を上げて捉えることを習慣化することです。これにより、日々の経験からより多くの学びを得ることができるようになります。
皆様、いかがでしたでしょうか。今回のブログでは情報量が非常に多く、内容もやや難しいものでしたが、普段あまり耳にしないような話題を取り上げることができたと思います。そして、これらの知識は日々の生活やビジネスシーンにおいて非常に役立つものだと確信しています。
抽象度を理解し、それを高めることは、我々の思考を豊かにし、より幅広い視野で物事を捉える力を養うために重要です。日々の小さなトレーニングを積み重ねることで、思考の質を高め、新しい可能性を発見することができるでしょう。
それでは、今回のブログを締めくくります。皆さん、新たな視点で世界を見つめ、より深い理解を目指していきましょう!
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