
日本の政局が一気に動いた――。
公明党の斎藤鉄夫代表が、長年続いた自民党との連立を“電撃離脱”した背景には、単なる政策の不一致ではなく、宗教団体・創価学会の強い意向と、政治家としての主体性の欠如があったと櫻井よしこ氏は語ります。
取材によれば、創価学会の原田会長が渡米前に「もう自民党とは距離を置け」と斎藤代表に直接指示したことが転機となり、公明党内では自民党への不満が噴出。とりわけ「政治資金の集め方を制限せよ」という過剰な要求や、国交大臣ポストを死守したいという思惑が、協調よりも対立を招いたといいます。
一方、国民民主党の榛葉幹事長は櫻井氏の電話取材に対し、「高市さんは信頼できる。ガソリン税だけでなく軽油の暫定税率も引き下げる方向で合意している」と明言。自民党・国民民主の政策協力が水面下で進む中、公明党だけが取り残される構図が鮮明になってきました。
さらに、元公明代表の太田昭宏氏も「宗教と政治の線引きが失われ、創価学会の意向に政治が従属している現状は異常だ」と厳しく指摘。かつての「政教分離」の原則が崩れ、党内の決定すら外部に左右される現状に危機感を示しました。
結果として、公明党は“自ら離脱を選んだ”形に。
櫻井氏は、「高市氏にとってはむしろ好機。自民党が独立した国家運営を取り戻す転機だ」と評価しています。宗教依存の政治からの決別は、日本の政治にとって新たな時代の始まりを意味するのかもしれません。

公明党が自民党との連立を解消 背景には創価学会の不満も
公明党の斎藤鉄夫(さいとう・てつお)代表が、突然「自民党との連立をやめる」と発表しました。
この発表は、高市早苗(たかいち・さなえ)氏(自民党)との会談の場で行われました。
斎藤氏は高市氏に「今すぐ答えてほしい」と迫りましたが、高市氏は「党内で相談が必要です」と返答。
すると公明党はその場で「離れる」と決断したのです。
■なぜ公明党は離れたのか?
この決断の裏には、創価学会の原田稔(はらだ・みのる)会長の強い意向がありました。
- 自民党が「政治とカネ」の問題で信頼を失い、学会の支持者が離れ始めていた
- 選挙でも公明党の票が大きく減った
- 原田会長は出発前に「もう自民党との関係を見直すべきだ」と斎藤氏に伝えていた
つまり、学会側が「もう自民党に付き合いきれない」と判断したのです。
■公明党の中からも批判の声
元代表の太田昭宏(おおた・あきひろ)氏は
「今の公明党は創価学会の言いなりで、政治家としての独立性を失っている」と厳しく批判しています。

公明党離脱で動き出す「新しい連立」 国民民主がカギに?
公明党が自民党との連立をやめたことで、政界の再編が一気に動き始めました。
その中心にいるのが、国民民主党です。
■国民民主との接近
政治ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、国民民主党の榛葉賀津也(しんば・かづや)幹事長に直接取材しました。
榛葉氏は次のように語っています。
- 「高市さん(自民)は信頼できる政治家だ」
- 「ガソリン税だけでなく、軽油の暫定税率も下げる方針だ」
これは、物価高に苦しむ国民への経済対策として高く評価されています。
榛葉氏は「考え方(理念)が合わない政党とは組まない」としながらも、
自民党の高市早苗氏とは協力できる余地があると前向きな姿勢を見せました。
櫻井氏も「国民民主と自民(高市ライン)による新たな連立が生まれる可能性がある」と指摘しています。
■立憲民主の動き
一方で、野党側も動き出しています。
公明党が離脱したタイミングで、立憲民主党が国民民主党や日本維新の会に対して
「野党連合を作ろう」と呼びかけました。
しかし、国民民主の玉木雄一郎(たまき・ゆういちろう)代表が
「私には首相になる準備がある」と発言したことで、周囲に波紋が広がりました。
榛葉氏はその発言について
「勢いをつけるための言葉にすぎず、立憲とは組まない」と説明しています。
つまり、今の日本の政界は「公明離脱」で大きく揺れ、
自民・高市ラインと国民民主の接近が注目される一方、
立憲民主との溝は深いままという構図になっています。

公明党が抱えていた「不満」と「心配」 連立解消の本当の理由とは?
公明党が自民党との連立を解消した背景には、長年積もってきた不満と懸念がありました。
それは「自民党が公明党を軽く見ている」という感情です。
■自民党に対する不満:「軽視された」という思い
公明党はこれまで20年以上にわたり、**国土交通大臣(国交相)**のポストを担当してきました。
しかし今回、自民党がそのポストを手放す可能性を示したことで、公明党内には強い不安が広がりました。
特に国交省は海上保安庁を管轄しています。
ところが、公明党はこれまで「防衛的な対応を避ける」姿勢をとっており、
安全保障の観点から「甘い」と批判されることもありました。
こうした事情もあり、国交相ポストを失うことは党の影響力低下を意味し、公明党にとっては大きな痛手となるのです。
■政治資金問題での対立
さらに決定的だったのが、政治資金をめぐる対立です。
公明党は自民党に対し、
「政治資金の受け皿(口座)を3つに限定せよ」と強く求めました。
しかしこの提案は、自民党の議員一人ひとりの政治活動を制限する内容でもあり、
自民党内では「行き過ぎではないか」という反発が起こりました。
元公明党代表の太田昭宏(おおた・あきひろ)氏も、
「それでは自由な政治活動ができなくなる」と批判しています。
櫻井よしこ氏も次のように指摘しています。
「この要求は、自民党の文化や自由な政治活動を壊すものだ。」
つまり、公明党の離脱は単なる「一時的な対立」ではなく、
信頼関係が崩れ、政策面でも根本的にかみ合わなくなった結果と言えます。

櫻井よしこの総括:「公明との別れ」は日本政治の転機
政治評論家の櫻井よしこ氏は、今回の公明党の連立離脱について
「これはむしろ日本政治にとって良い転機だ」と評価しています。
■「理念の違い」はあまりにも大きかった
櫻井氏はまず、
「公明党と自民党では、もともと政治の考え方(理念)が大きく違う」と指摘しました。
自民党は国家の安全保障や防衛力の強化を重視するのに対し、
公明党は平和主義を掲げ、軍事的な対応に慎重すぎる面があります。
そのため、これまでの連立政権では、
安全保障政策で常にブレーキがかかっていたというのです。
■高市早苗氏にとって「しがらみを断つチャンス」
櫻井氏はさらに、
「高市早苗氏にとっては、公明党とのしがらみを自然に断ち切るチャンスになった」と述べています。
公明党が離脱したことで、高市氏は自由に政策を進められるようになり、
真の意味で“自立した政権”を作る準備が整ったと見ています。
■安倍元首相も本心では「別れたかった」
櫻井氏によると、安倍晋三元首相もかつて
「本当は公明党とは距離を置きたかった」と考えていたそうです。
公明党の支持団体である創価学会の影響力が強すぎることを懸念していたといいます。
■「公明党は中国に物を言えない政党」
櫻井氏は最後に強い言葉でこう指摘しました。
「公明党は中国に対して強く言えない政党だ。」
この発言には、
公明党が中国との関係を重視するあまり、
日本の安全保障や外交で自民党の足を引っ張ってきたという批判が込められています。
■自由に動ける自民党へ
その結果、櫻井氏は次のように結論づけています。
「これで自民党は、ようやく安全保障や外交の分野で自由に動けるようになった。」
つまり、公明党との別れは「終わり」ではなく、
高市政権が自立して新しい一歩を踏み出す“始まりだというのです。
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