要約】億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド【田中渓】

本要約

「どうすれば、普通の人がお金持ちになれるのか?」
誰もが一度は考えたことがあるこの問いに、鋭く答えてくれるのが『億までの人 億からの人』です。

著者の田中渓さんは、世界屈指の投資銀行ゴールドマン・サックスに17年間勤務し、実に300人以上の世界の富裕層たちと実際に関わってきた人物。その経験から見えてきたのは、単なる「お金儲けのコツ」ではなく、富裕層たちに共通する考え方・行動・習慣、そして「兆人(ちょうじん)マインド」と呼ばれる圧倒的な人生戦略でした。

本書が教えてくれるのは、単なるテクニックや投資法ではありません。
お金・時間・人間関係・信頼・習慣
これらすべてを最適化し、真に豊かな人生を築くための本質的なメソッドが詰まった一冊です。

億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド [ 田中渓 ]

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8つの柱

「お金持ちって、やっぱり特別な人だけの世界なんじゃないの?」
そう思っている人は、きっと少なくないはずです。
でも、この『億までの人 億からの人』を読めば、そのイメージが大きく変わるはず。

著者の田中渓さんは、世界屈指の投資銀行ゴールドマン・サックスで17年勤務し、その間、世界中の富裕層300人以上と直接関わってきました。
そんな彼が気づいたのは、お金持ちには「共通点」があるというシンプルな事実。しかも、その共通点は、誰でも今から真似できるような習慣や考え方だったのです。

「結局、続けられるかどうか」
実は、そこにすべてがかかっています。

では、富裕層たちが当たり前のように実践している8つの共通点、そして“兆人(ちょうじん)”と呼ばれる次元へ進む人たちの行動とは何なのか?
これから、順番に詳しく見ていきましょう。

1. お金は「貯める」ではなく「運用する」

◾ 解説:

かつては「とにかく貯金すること」が美徳とされてきましたが、今やそれでは資産を守れない時代になっています。なぜなら、日本もすでに**インフレ(物価上昇)**の時代に突入しており、現金の価値は年々目減りしているからです。

たとえば、10年前に100円だったマクドナルドのハンバーガーが今では170円。ということは、同じ100万円でも買えるモノの量は年々減っているわけです。つまり、「お金を持っているだけ」では実質的な資産は減少していることになります。

このような状況で、富裕層はどうしているのかというと、**現金を動かして「お金にも働かせている」**んです。具体的には:

  • 株式への投資
  • 不動産購入・運用
  • 自分や他人のビジネスへの出資
  • 債券や投資信託(特にインデックス投資)

著者の田中渓氏は、「お金を運用していない富裕層は1人も見たことがない」と断言しています。彼が実際に関わった300人以上の富裕層は、例外なく資産を“貯金”ではなく“運用”という形で活かしていたのです。

📌 ポイントまとめ:

  • 貯金は「安心感」はあるが、「価値の目減り」リスクがある。
  • 投資しない=見えない損をしている可能性がある。
  • 「投資は怖い」ではなく、「何もしないことが最も怖い」時代。

2. 自分で意思決定する

◾ 解説:

富裕層に共通するもう一つの特徴は、あらゆる選択を“自分で”決めていることです。

たとえば:

  • 何に投資するか
  • どの仕事を選ぶか
  • どこに住むか
  • 誰と付き合うか
  • 何を食べるか、どう生きるか

このような人生の大小の選択に対して、「他人の意見を参考にはしても、最終判断は自分で下す」ことを徹底しているのです。

なぜそれが大切なのか?
それは、自分で決断しない=誰かの人生を生きていることになるからです。しかも、他人に決めてもらうことで責任から逃れられるように思えて、実は後から後悔や不満につながりやすい。

また、自分で決めたことであれば、たとえ失敗しても学びがあり、次に活かすことができます。逆に「親に勧められたから」「銀行員に言われたから」などの他人任せな判断は、失敗しても自分の成長にはつながりにくい。

著者が見てきた富裕層たちは、全員が“決断力”を持ち、責任を引き受ける覚悟があった人たちだったと言います。

📌 ポイントまとめ:

  • 他人に人生を委ねると、後悔と依存が生まれる。
  • 自分で決めるからこそ「学び」が得られ、「成長」につながる。
  • 投資でも人生でも「最後に決めるのは自分」だという姿勢が富裕層の共通点。

3. 完璧さよりスピード感

◾ 解説:

富裕層に共通する特徴の一つが、「とにかく決断が早い」という点です。

普通の人は、「失敗したらどうしよう」「もっと情報を集めてからにしよう」と考えすぎて動けなくなりがちです。でも、富裕層はこう考えます:

「多少間違ってもいい。とにかく早く動いて、修正すればいい」

実際、投資の世界では“チャンスは一瞬で消える”ことがよくあります。良い企業の株が発表を受けて急騰したり、不動産のいい物件が一晩で売れてしまうこともザラです。迷っているうちに、他の誰かがすでに動いて結果を出しているのです。

さらに、早く失敗すれば、それだけ早く学び、成長できるという利点もあります。遅くて完璧な判断よりも、「早くて70点」の判断をどんどん回すほうが、結果的に良い方向に進めるのです。

📌 ポイントまとめ:

  • 完璧を求めて動けないのが、最大のリスク。
  • 失敗しても、早ければ修正できるし、学びになる。
  • 決断にスピードがある人は、行動量も経験値も桁違いに多い。

🔑 キーワード:迷ったら即行動。動きながら考える。

4. 緊急ではないが重要なことに時間を使う

◾ 解説:

これは、富裕層が時間をどう使っているか、という話です。

私たちの毎日は、こんなもので溢れています:

  • SNSの通知やチャット返信
  • 急な飲み会の誘い
  • メール対応やルーティン作業
  • なんとなく見てしまうYouTubeやニュース

これらはたしかに「緊急性」はあるように感じますが、実はほとんどが「重要ではない」ことです。
一方で、以下のようなことは「緊急性はないけど超重要」です:

  • 読書・勉強・語学などの自己投資
  • 筋トレや定期的な健康管理
  • 長期的な人間関係の構築
  • 新しいスキルの習得や副業の準備

富裕層は、こうした「今すぐ結果が出ないけれど、未来をつくる行動」に多くの時間を使っているのです。

これは『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)の中でも非常に重要な概念で、「第2領域(緊急ではないが重要なこと)」にフォーカスする人こそ、人生を好転させられると説かれています。

📌 ポイントまとめ:

  • 緊急だけど重要でないことに人生を支配されない。
  • 未来の自分にとって価値ある行動に、今日から時間を使おう。
  • 富裕層は「忙しさ」ではなく「価値」で時間を選んでいる。

🔑 キーワード:忙しいのではなく、“重要なことを見失っている”だけ。

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5. 早起き+運動が基本

  • 富裕層は例外なく早起き。著者は3:45起床、数時間の運動を毎日継続。
  • 頭と心をクリアに保つ「自分だけの時間」を確保。

📌 ポイント: 「1日の主導権は朝に奪え」


6. 習慣化こそ最強のスキル

  • 意志力ではなく「仕組み」で習慣を守る。
    1. 最優先事項としてスケジュールに固定
    2. 他の行動とセットにする(紐付け)
    3. 前日に準備しておく
  • 習慣が人生を形づくる。

📌 ポイント: 「面倒でも毎日やれば、やがて“空気”になる」


7. 小さな成功体験で「勝ち癖」をつける

◾ 解説:

富裕層に共通するもう1つの特徴は、「小さな成功体験」を積み重ねているという点です。

成功体験というと、「大金を稼いだ」とか「大企業を作った」などをイメージしがちですが、実はもっと小さくて日常的なことです。

  • 毎朝起きる時間を守れた
  • 今日も運動できた
  • 勉強を30分続けられた

こうした些細な成功を積み重ねることで、「やればできる」という自信が身につきます。これが、著者が言う「勝ち癖」です。

自信は才能や生まれつきの性格ではなく、「繰り返しの成功体験」でしか作れないというのが著者のメッセージです。
小さな成功が積み重なると、自然に行動力が湧き、さらに大きなチャンスにも挑戦できるようになります。

逆に、小さな失敗や怠けが続くと、無意識に「自分はダメだ」と思い込み、行動できなくなります。
だからこそ、富裕層は日々のルーティンや目標達成を徹底し、小さな成功を毎日積み上げているのです。


📌 ポイントまとめ:

  • 成功は「やればできた」の積み重ね。
  • 自信は、才能ではなく「毎日の積み重ね」から生まれる。
  • 小さな成功がやがて大きな成功に化ける。

🔑 キーワード:成功体験は「習慣」からしか生まれない

8. 人間関係も分散投資する

◾ 解説:

富裕層は、人間関係も投資と同じように「分散」しているという特徴があります。

例えば、普通の人は「会社の人間関係」「古くからの友人」の2〜3の狭いコミュニティだけに頼りがちです。しかし、それでは1つのコミュニティに問題が起きたとき、孤立したり、ストレスが大きくなったりします。

富裕層は、家族・趣味・ビジネス・学び・地域・オンラインなど、複数のコミュニティに同時に属することで、1つに依存せずに人間関係を豊かにしています。

さらに重要なのは、「ギブ(与える)」をベースに人間関係を築いているという点です。

  • 見返りを期待せずに助ける
  • 役立つ情報をシェアする
  • 相手に時間や労力を提供する

こうした姿勢が信頼を生み、良い人間関係に育っていきます。
人脈作りというと、打算的に考える人も多いですが、富裕層は「人間関係そのものが人生と健康の資産」だと考え、真剣に取り組んでいるのです。

実際に、孤独は心身に悪影響を及ぼすことが多く、WHOのデータでは「1日タバコ15本に匹敵する健康リスク」と言われています。


📌 ポイントまとめ:

  • 人間関係も1つに依存せず「分散」させる。
  • 「ギブ」が信頼と新たなチャンスを生む。
  • 人間関係は、お金・健康と並ぶ「人生の資産」。

🔑 キーワード:人脈も“投資”と同じ。分散とギブが原則

✨ 兆人(ちょうじん)マインドとは?

✅ 解説

「兆人(ちょうじん)」という言葉は、田中氏がこの本の中で特別に使っている概念で、単なるお金持ち(億万長者)とは別格の存在を指します。

一般的に、私たちは「お金持ち」=「お金をたくさん持っている人」と考えがちですが、田中氏はそれだけでは不十分だと言います。


✔ 兆人の定義

兆人とは、
お金・時間・人間関係・習慣・信頼
この5つすべてをバランスよくコントロールできている人。


✅ 兆人マインドの5原則


🟣 原則① お金は「使う・増やす・守る」を同時にやれ

兆人はお金を単なる貯金や浪費で終わらせません。

  • 稼ぐ
  • 投資で増やす
  • 必要な支出は惜しまず使う
  • リスク管理で守る
    すべてをバランスよく行います。

🟣 原則② 時間は「未来資産」に使え

兆人は「緊急でないが重要なこと」に最優先で時間を使います。

  • 健康(運動・食事・睡眠)
  • 教養(学び・読書・語学)
  • 人間関係の構築
    短期ではなく、長期のリターンが大きいことに時間を投資します。

🟣 原則③ 習慣は「仕組み」で続ける

兆人は習慣を意志力で続けようとはしません。

  • スケジュールに固定
  • 他の行動に紐づける
  • 環境を工夫する
    などで、無意識でも続く仕組みを作り、自動化します。

🟣 原則④ 信頼は「時間をかけて積み上げる」

兆人は、人間関係においても「信頼」を資産と考えます。

  • 約束を守る
  • 誠実でいる
  • ギブ(与える)を惜しまない
    これをコツコツ積み重ね、長期的な信頼関係を構築します。

🟣 原則⑤ 人間関係は「分散」せよ

兆人は、ビジネス・趣味・家族・学び・地域など、複数のコミュニティに積極的に関わります。

  • 一箇所に依存しない
  • 多様な視点や情報を得る
  • 孤独やストレスから自由になる
    これが精神的にも経済的にも豊かさの土台となります。

▶ ポイント

兆人は「お金持ち」ではなく、
お金・時間・信頼・習慣・人間関係
すべてを“資産”と考え、戦略的に運用する人。


項目普通の人兆人マインド
お金貯金・運用のどちらか上手に稼ぎ、使い、増やす
時間目の前のタスクに追われる未来のために時間を使う
人間関係少ない・偏った人間関係多様な信頼関係を築いている
習慣気分次第習慣化で人生を自動化している
信頼その場しのぎ長期的な信用を築いている

つまり兆人は、「お金持ちになるテクニック」を知っているだけではなく、
人生そのものをマネジメントできている人です。


✅ 兆人マインドの本質

兆人マインドを一言で言えば、

お金だけでなく、人生のリソースを全て合理的に運用している

という考え方。

  • お金は投資
  • 時間は重要なことに集中
  • 人間関係は信頼と分散
  • 習慣は仕組み化
  • 信頼は誠実さと継続

この5つすべてを、意識と行動で管理し続けている人こそが、田中氏の言う「兆人」です。


✅ 著者が伝えたいこと

田中氏が読者に伝えたいのは、
「お金持ちになりたければ、まず人生全体の使い方を見直せ」
ということ。

資産形成は、単なるテクニック(節約術・投資法)ではなく、人生そのものの設計が結果として富をもたらすというメッセージです。


💡 補足

兆人は、単にお金が多い人ではなく

  • 心も豊か
  • 健康も良好
  • 信頼され
  • 自由な時間も持ち
  • 持続可能な成功をする

という、バランスの取れた“超”富裕層のことです。


✅ 兆人マインド 5原則チェックリスト


🔵 原則① お金の使い方・増やし方

  • □ 貯金だけでなく、投資もしている
  • □ お金の使い道に優先順位がある
  • □ 浪費と投資の違いを意識している
  • □ リスク管理(保険・分散投資など)もできている

🔵 原則② 時間の使い方

  • □ SNSや雑務より、学びや健康に時間を使っている
  • □ 毎日、将来に役立つ行動(勉強・運動など)をしている
  • □ 緊急性より重要性で予定を組んでいる
  • □ 長期的な目標に向けた行動ができている

🔵 原則③ 習慣の仕組み化

  • □ やるべきことはスケジュールに固定している
  • □ 習慣を他の行動と紐づけて続けやすくしている
  • □ 前日準備などで、続けやすい環境を作っている
  • □ 重要習慣(運動・学習・自己投資)を途切れさせない工夫をしている

🔵 原則④ 信頼構築

  • □ 約束・時間・ルールを守れている
  • □ 人にギブ(与える)ことを意識している
  • □ 周囲から「信頼できる」と言われる
  • □ 長期的な信頼関係を複数持っている

🔵 原則⑤ 人間関係の分散

  • □ 仕事以外にも複数のコミュニティがある
  • □ 趣味・学び・家族・地域などバランスよく人間関係を作っている
  • □ 1つの人間関係に依存していない
  • □ 新しい出会いやつながりを積極的に増やしている

✅ 判定目安

✅ 20個中

  • 15個以上 → 兆人マインド、かなり高い
  • 10~14個 → 兆人予備軍。あと一歩
  • 9個以下 → 兆人習慣、今から作ればOK

✅ まとめ|兆人マインドは特別な人のものではない

ここまで見てきたように、富裕層、そしてその先の「兆人」に共通するのは、決して特別な才能や裏技ではありません。
お金、時間、人間関係、習慣、信頼——これらを丁寧に管理し、積み上げていく「当たり前を徹底する力」です。

逆に言えば、誰でも今日から少しずつ兆人マインドを取り入れ、実践していくことができます。

最初は「小さな1歩」でOKです。
まずは、自分で意思決定すること、1つの習慣を身につけることから始めてみてください。
積み重ねた先に、気づけば豊かな人生が待っているはずです。

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