いじめはただの悪ふざけや意地悪だと思われがちですが、実はそれよりもずっと複雑な生物学的背景があります。
この行動は、私たちの体内で分泌される「ドーパミン」と「オキシトシン」という二つのホルモンに大きく影響されているのです。
ドーパミンは快楽を感じさせるホルモン、オキシトシンは人との絆を深めるホルモンとして知られています。
これらのホルモンがいじめという行動にどのように関与しているのか、その科学的な側面を探りながら、いじめがなぜ起こるのかを考えてみましょう。
ドーパミン
「ドーパミン」は、私たちが日常生活で快楽を感じるたびに関与している重要な神経伝達物質です。この物質はしばしば「快楽ホルモン」とも呼ばれ、食べ物を楽しんだり、運動による爽快感を得たり、友人との楽しい交流を経験したりする際に脳内で分泌されます。このドーパミンが分泌されると、私たちは幸福感や満足感を感じ、それがさらなる同様の行動を促します。
興味深いことに、ドーパミンはいじめの行動にも関与しています。研究によると、いじめを行う人々が他者を支配することから一時的な快感を得るのも、ドーパミンの分泌が一因とされています。具体的には、弱い者をいじめることで得られる快感が、ドーパミンの放出を促し、それがいじめ行動をさらに助長するという悪循環につながるのです。この現象は、快楽を追求する私たちの脳の基本的な機能が、残念ながら負の行動にも影響を与えることを示しています。
このように、ドーパミンの生物学的な役割を理解することは、いじめという行動が単なる意地悪以上のものであること、そしてその根底には複雑な神経化学的プロセスがあるということを念頭に置く必要があります。
オキシトシン
「オキシトシン」とは、しばしば「絆のホルモン」と称される物質で、私たちが親密な関係や信頼感、愛情を感じる際に大きく関与しています。例えば、家族や友人との心地よい時間を過ごしたとき、このホルモンが分泌されることで、その絆がさらに強まるのです。
しかし、オキシトシンの作用には裏面も存在します。このホルモンが過剰に分泌されると、仲間意識やグループ内の結束が強化される一方で、それが逆に「自分たちの群れに属さない者」と見なされる人々に対する排除や敵意を引き起こすことがあります。このような過剰な仲間意識が、異なるグループのメンバーを排斥しようとする行動へとつながり、結果的にはいじめという形で表れることがあるのです。
この現象は、オキシトシンが私たちの社会的な認識や行動にどれだけ深く影響を与えているかを示しています。社会的な結束を促進するこのホルモンが、場合によっては集団内の同調圧力を強め、外部の個人やグループに対する排他的な態度につながるのです。これを理解することは、いじめという社会問題に対処するための鍵となり得ます。
いじめから逃げよう。
私は、いじめが起こる背景には避けがたい生理的要因があると考えています。つまりホルモンが分泌されている以上いじめが起こる可能性を秘めているからです。
いじめは一種の人間の自然な反応かもしれません。
だから、いじめを完全に防ぐのは不可能であり、いじめをするという行動を力ずくでやめさせるというのは、歪を生み別の問題を引き起こす要因となりえるとおもう。
それより被害者が安全に逃れることができる環境を整えることが重要だと思う。いじめから身を守るための逃げ場を提供することで、子供たちが危険な状況から離れる選択肢を持てるようにするべきです。
歴史を見ると、人類は逃走や適応を通じて数多くの困難を乗り越えてきました。同様に、安全な逃げ道を提供することで、いじめられている子供たちが危機から自らを守る手段を持つことが、生存という観点からも非常に意味がある行動と言えるでしょう。。
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