本:読書「メタ思考」小林弘幸著

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変化の波に乗る:「メタ思考」で視野を広げる生き方

世界は絶えず変化しています。かつては一つの会社で一生を過ごすことが多くの人にとっての「正解」とされていましたが、現代ではプロゲーマーやYouTuber、音声発信者として生きる道も現実のものとなっています。さらに、生成AIの台頭により、私たちの働き方や創造の仕方も根底から変わろうとしています。このような変化が激しい時代において、「本当にこのままで大丈夫か?」と疑問を抱く人は少なくありません。

この背景を受け、元マイクロソフト役員であり、現在は多岐にわたって活躍する澤 円さんが提案するのが「メタ思考」のアプローチです。このコンセプトを深く掘り下げた彼女の著作は、私たちがどのようにして視野を広げ、より自由で満足のいく生き方を手に入れることができるのかを教えてくれます。

沢さんは、現在置かれている状況を外側から見ることで、新たな視点を得られると語ります。例えば、日本の厳しい面ばかりに焦点を当てがちな人も、海外から日本を眺めてみることで、その平和、美味しい食事、表現の自由など、多くの素晴らしい点に気づくはずです。

このブログでは、沢まどかさんの「メタ思考」について深掘りし、変化の激しい時代をどのように生き抜くか、その方法を見ていきましょう。

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価値観に縛られない

変化の激しい時代において、行きやすくなるためには、1つの会社や1つの価値観に縛られずに視野を広げることが重要です。これは、さまざまな価値観を知り、その中から自分に最適なものを選択することが、より有意義に生きていくために必要だからです。例えば、1つの会社に依存していると、職場で評価されないことが自分の存在価値がないと感じさせたり、プライベートよりも仕事を優先する、残業は当たり前といったその会社独自の価値観に染まりやすくなり、結果として視野が狭くなり、息苦しい人生を送りがちです。特に小規模な会社では、特有のルールや価値観が存在することもあります。

しかし、”これが正しい”と思っているその価値観は、人や場所によって大きく変わるものです。現在の社会では、必ずしも会社に勤めなければ生きていけないわけではなく、会社だけが自分の活躍できる場所でもありません。そうした1つの会社の価値観に深くはまり込み、無駄に疲弊しないためには、俯瞰して1段高い視点から自分の状況を見ること、すなわちメタ思考が重要です。

メタ思考とは、高い次元で超越した意味を持ち、自分がいる場所の外側から現在の状況を眺めることを意味します。このように自分の状況を俯瞰してみれば、冷静になれるだけでなく、絶望することも減りますし、より可能性のある場所、より面白そうな場所、より自分が興味を持ち、稼げそうな仕事に気づき、そこへ移動しやすくなります。

そのためには、意識的に視野を広げ、異なる価値観や会社が存在することを知り、自分が興味を持ち、居心地の良い場所へ移動することが望ましいです。サッカーで言えば、周囲が見える選手は良いパスを出しやすく、良いプレイができるのと同じです。視野を広げることの重要性は理解できましたが、具体的に何をすれば良いかは、これから説明していきます。まずは、1つの会社の価値観に縛られずに視野を広げることの重要性を覚えておいてください。

視野を広げる

視野を広げるためには、今属している会社に根ざしながらも、外側で自分が面白いと思うことに関わっていくことが重要です。これは、安定した収入源を保ちつつ、新たな価値観や興味がある分野に触れることで、自己の成長や満足感を高めることができるためです。例えば、自分が興味を持つコミュニティに参加する、オンラインサロンに入る、副業を始める、または同じ興味を持つ人々との出会いを求めるなどが挙げられます。

このアプローチは、自分の居場所や価値観を1つの会社にのみ依存するのではなく、複数の場所に分散させることにより、もし会社での評価が低くても他に居心地の良い場所があれば、精神的なダメージを最小限に保つことができます。また、多様な人々との関わりを持つことで、自分の給料が相対的に低いことや、新しい稼ぎ方を発見する可能性が高まります。副業から収入を得ることができれば、会社への依存度を減らすことが可能になります。

今の時代は、好きなことを仕事に変えるケースが増えていますが、もちろん、興味のあることを全て仕事にできるわけではありません。しかし、SNSや生成AIのようなツールのおかげで、以前に比べて興味のあることを探求しやすくなっています。面白いかどうかを基準に行動を起こすことが、自分自身の可能性を広げる第一歩になります。

具体的な例として、ゲームを最速でクリアすることを競うRTA(リアルタイムアタック)というイベントに興味があれば、そのイベントのスタッフとして参加してみたり、関連するコンテンツをYouTubeや音声発信ツールで発信することも、新たな仲間や居場所を見つける良い機会になります。

要するに、現在の会社に軸足を置きつつ、外部で自分が面白いと感じることに積極的に関わることで、所属先を分散させ、より豊かな人生を送ることができるようになります。この考え方を忘れずに、自分の興味や情熱を追求してみてください。

コミュニティーと関わろう

次は、さまざまなコミュニティに関わりつつ、自分の得意なことを把握しておくことが大切です。自分の得意なことを見つけてそれを生かせば、変化の激しい世界でも生きやすくなります。たとえば、声が良くて話すのが得意なら、その能力を軸に新しいテクノロジーと組み合わせて何かを始める価値があるでしょう。

しかし、「自分に得意なことなんてない」と感じる人もいるかもしれません。それは視野が狭いからかもしれません。1つの場所での評価は限定されており、そこで評価されないと、自分には得意なことがないと思い込みがちです。しかし、場所が変われば短所が長所に変わることもありますし、意外と見過ごしている自分の得意なことが見えてくることもあります。

実際、多くの人気YouTuberは、従来の職場ではなかなか評価されないタイプの人が多いです。これは、会社員としては評価されにくいけれど、YouTuberとしては非常に優秀だということを意味します。このように、会社では評価されない自分の得意なことや自分を生かせる環境が他にもあるかもしれません。

それを知るためには、1つの場所に留まらず、所属先を分散させてみると良いでしょう。ポイントは、客観的に自分の得意なことを知ることです。自分が歌が上手い、文章が上手い、イケメンだと思っていても、周囲からそう見られていなければ、それは本当に得意なこととは言えません。

では、どうやって客観的に自分の得意なことを知れば良いのでしょうか?それは、会社の業務以外で他人から「ありがとう」とか「上手いね」と言われることを探すことになります。会社での「ありがとう」は、得意だろうが苦手だろうが業務的に言われることが多いため、仕事以外で誰かから感謝されることは、客観的に見て自分の得意なこと、他の人よりもできることである可能性が高いです。

このように、さまざまな人との関わりの中で客観的に自分の得意なことを見つけ出し、把握しておくと良いでしょう。ここでは、さまざまなコミュニティに関わりつつ自分の得意なことを把握しておくことの大切さを覚えておいてください。

快感を覚えるポイント

仕事の中で自分が快感を覚えるポイントを見つけることが、仕事を楽しく感じるための鍵です。多くの人が仕事を単なる義務として捉えがちですが、自分がどんな作業に快感を覚えるかを知らないまま仕事をしていることが、仕事が楽しくないと感じる主な理由の一つです。

例えば、プログラマーの場合、完璧なコードを書くことに快感を覚える人もいれば、プロジェクトをスムーズに進行させることや、新しい機能を創造することに喜びを感じる人もいます。アニメーション制作においても、スタジオジブリの宮崎駿監督が「面倒くさい」と言いつつも長編作品を作り続けるのは、制作プロセスのどこかで快感を覚えているからでしょう。この快感がなければ、辛いだけの仕事は続けられないものです。

しかし、もし仕事の中で快感を覚える要素が見つからない場合、その仕事は自分にとって適切な場所ではない可能性が高いとこの本では述べています。つまり、仕事で快感を覚えられないなら、仕事を変えるべきかもしれません。これは、好きでもないゲームを無理やり続けることに例えられます。自分が快感を覚える部分があるゲームのように、仕事にも快感を覚えるポイントを見つけることが、長期的に仕事を続けていく上で重要になります。

また、たとえ40歳で仕事を辞めてFIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的独立・早期退職)を達成したとしても、残りの人生を充実させるためには、自分がどんな瞬間に快感を覚えるのかを理解しておくことが大切です。これは、仕事だけでなく人生を楽しむ上でも非常に重要なことです。

ここでは、仕事の中で自分が快感を覚えるポイントを見つけ、それを追求することの重要性を覚えておいてください。

機嫌よく生きる

資本主義社会で機嫌よく生きていく方法は、確かに簡単ではありませんが、自分の得意なことにプラスアルファを加え、オンリーワンの存在を目指すことによって、他者との競争から一歩抜け出し、より豊かな人生を手に入れることが可能になります。これは、単に他者と同じ土俵で勝負するのではなく、自分だけの独自性を確立することを意味します。

例えば、牛丼屋のような激しい価格競争の市場では、利益率を高めることが難しくなりますが、競争が少ない独自の価値提供ができる分野では、より高い価格でサービスを提供し、利益率を上げることが可能です。ピーター・ティールが述べるように、「競争は負け犬のすること」という観点から、競争を避け、独自の市場を創造することが、資本主義社会で成功する鍵となります。

このアプローチは、才能がある人だけができることではありません。自分の得意なこと、情熱を持っていることに加え、市場のニーズを見極め、独自の価値を提供できるようなアイデアを追求することで、誰もがオンリーワンの存在になるチャンスを持っています。重要なのは、自己の強みと市場のニーズの交点を見つけ出し、それを磨き上げることです。

ここからは、具体的にオンリーワンな存在になるための方法を深堀りしていきます。最終的には、仕事において自分の得意なことを生かし、さらに独自性を加えることで、他者とは一線を画した価値を提供することを目指してください。これにより、競争から離れ、機嫌よく資本主義社会を生きていく道が開かれます。

SNSの活用

SNSを活用して、競技人口1人の独自の分野を創造するアイデアは、自分の興味や得意を生かし、競争の少ないオンリーワンの存在を目指す上で非常に魅力的です。これは、自分だけのユニークな仕事を作り出し、そこに価値を提供することで、他の誰とも比較されないような独立したキャリアを築くことを意味します。

例えば、アイスクリーム評論家やラーメンに特化したYouTuberのように、従来は「仕事」とは考えられていなかった分野で自分だけの領域を切り開き、成功を収めた事例があります。これらの事例は、特別な才能があるから成し遂げられたわけではなく、むしろ自分の好きなこと、得意なことに注目し、それを生かして独自の価値を提供した結果、成功につながりました。

SNSの活用は、0からスタートして自分の分野を作り上げる際に非常に有効です。SNSを通じて、自分の活動を世界に発信し、共感する人々を集め、コミュニティを形成することができます。また、SNSはフィードバックを得るのにも役立ち、自分の提供する価値がどのように受け入れられているかを把握することができます。

このプロセスでは、まず自分が本当に好きで、他人とは異なる視点を持つことができる分野を見つけることがスタートラインとなります。次に、その分野について学び、自分なりのアプローチやスタイルを確立し、SNSなどのプラットフォームを利用して情報を発信します。徐々に認知度を上げ、フォロワーやファンを増やしていくことで、最終的にはその分野でのオンリーワンの存在として認識されるようになります。

この方法では、学歴や資格、従来のキャリアパスに縛られることなく、自分自身の価値を最大限に活かすことが可能です。重要なのは、自分の情熱を追求し続けることと、チャンスを見逃さないための視野を常に広げておくことです。

恐れをなくすために

恐れをなくすためには、まず知ることが重要です。未知のものに対する恐怖は、情報不足から生まれます。例えば、総合格闘技の選手が戦う上で最も重要とされるのは情報量です。相手についての情報が多ければ多いほど、戦略を立てやすく、不安や恐怖を減らすことができます。これは、日常生活や仕事においても同様です。知らないことへの恐れを乗り越えるためには、まずは知識を増やし、理解を深めることが必要です。

また、時間とエネルギーを自分がコントロールできることに集中させることも重要です。これには、自分の時間の使い方を見直し、何が本当に重要で、何がそうでないかを判断する力が求められます。ここで役立つのが、優先順位をつけるための4象限マトリクスです。このマトリクスは、事柄の重要度や緊急度を評価し、自分がコントロールできる範囲内で行動計画を立てるのに役立ちます。

  • 右上の象限(重要かつコントロール可能): ここには、自分の人生において最も価値のある活動が入ります。これらの活動には、最優先で時間を割くべきです。
  • 右下の象限(重要ではないがコントロール可能): これらは、自分の趣味やリラックスするための活動です。重要ではありますが、右上の象限の活動に比べると優先度は低くなります。
  • 左上の象限(重要だがコントロール不可能): これらは観察し、どこまで影響を与えられるかを探るべき事柄です。コントロールできる部分には積極的に取り組み、それ以外は受け入れるか放置することが賢明です。
  • 左下の象限(重要でも緊急でもなくコントロール不可能): これらは基本的には無視してよい事柄です。自分の時間やエネルギーをこれらに費やすのは得策ではありません。

このように、恐れをなくし、時間とエネルギーを有効に使うためには、まずは知識を増やし、自分がコントロールできることに集中することが大切です。これにより、不安や恐れを軽減し、より充実した生活を送ることが可能になります。

まとめ

まとめとして、このブログでは、変化の激しい世の中でいかにして生きやすくなるか、その方法について探求してきました。一つの会社や一つの価値観に縛られることなく、視野を広げ、多様なコミュニティに関わりながら、自分の得意なことを見つけ出し、それを生かすことの重要性を強調しました。さらに、作業中に自分が快感を覚えるポイントを見つけること、資本主義社会でオンリーワンの存在になるための戦略、恐れを克服するために知識を深めることなど、様々なアプローチを提案しました。

私たちがこれらのアイデアを実行するためには、まずは時間の使い方を見直し、自分がコントロールできることに焦点を当てることが必要です。特に、SNSを活用して独自の分野を開拓することで、競争を避け、人と比較されることなく、自分だけの価値を提供することができます。

重要なのは、外に飛び出して新しいことに挑戦し、自分自身を再発見する勇気を持つことです。現代はテクノロジーと医療の発展により、かつては不可能だったことが今では可能になっています。このチャンスを活かさない手はありません。新しいことに触れ、試みることで、自分が本当にやりたいことを見つけることができるでしょう。

このブログを通じて、少しでも視野を広げ、新しい可能性にチャレンジするヒントが伝わったのなら、私の目的は達成されたと言えます。生きやすく、そして幸せな人生を送るために、一歩を踏み出す勇気を持ちましょう

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