【哲学】現代思想を超わかりやすく解説します。

哲学

現代哲学の中でもジャックデリダ、ドゥルーズ、ミシェルフーコーという人物に注目し、彼らが目指したのは当たり前だと思っていた考え方を疑うことであり、その先に進むことであることを説明している。常識を疑うことは大切であるということが強調されている。また、このような現代思想が日常生活にどのように役立つのか解説していきます。

【哲学】現代思想を超わかりやすく解説!

哲学と聞くと、難しそうで自分には無理だと感じる人も多いでしょう。哲学とは、難しくてすぐに答えの出ない問題について考えることだと捉えられます。古代ギリシャのソクラテスや19世紀のニーチェなど、昔の哲学者から学べることはたくさんありますが、現代にも難しくてすぐに答えの出ない問題はたくさん存在します。これについて考えるのが現代思想です。

今回ご紹介するのは、20世紀後半に活躍した現代思想家のジャック・デリダジル・ドゥルーズミシェル・フーコーの3人です。彼らは、現代社会を理解するための考え方を提案しています。それは、今まで当たり前だと思ってきた考え方を疑うことです。ただし、彼らが目指していたのは、単純に良いことと悪いことを入れ替えるのではなく、さらにその先を見据えることでした。

実際に社会では、善悪や損得、常識かどうかといった物差しでは測れない問題がたくさんあります。単純にどちらか一方が正解だとしてしまうことで、人間関係がギスギスしてしまうこともあります。現代思想では、これまでの物事の考え方を一度やめて、新しい視点を持つことを提案しています。

以前は、世の中のすべての出来事には正解と不正解があって、物事を決めることが普通だと考えられていました。しかし、実際には正解・不正解に当てはまらない人や場合が存在します。例えば、昔は勉強していい学校に行っていい会社に入るのが良いことだとされていました。しかし、現実はそう単純ではありません。

人と違う特徴を持っているだけで批判される経験をする人もいますが、それが本当に正しいことなのか疑問が残ります。複雑な現実を単純化せずに理解するには、頭の切り替えが大切です。デリダ、ドゥルーズ、フーコーは、この頭の切り替えについて

真剣に取り組み、新しい考え方を示した重要な哲学者たちです。

  • ジャック・デリダは、「解構」の概念を提案しました。これは、言語や文化、社会構造などに潜む前提や矛盾を見つけ出し、それらを批判的に分析することで、従来の価値観や権威を再評価する方法です。デリダは、従来の固定された意味や概念に疑問を投げかけ、新しい解釈や理解を生み出すことを目指しました。
  • ジル・ドゥルーズは、「多様性」や「差異」を重視する哲学を展開しました。彼は、既存の枠組みやカテゴリーに囚われず、個々の事象や現象を独自性として捉えることを提案しました。ドゥルーズの思想は、固定された概念や規範から解放された新しい創造性や可能性を追求することを目指しています。
  • ミシェル・フーコーは、「権力」や「知識」の関係を研究しました。彼は、権力が知識を制御し、それによって人々の行動や意識が形成されると主張しました。フーコーの分析によれば、従来の権威や制度によって生み出された知識や真理を疑問視し、それらの背後にある権力構造を明らかにすることが重要です。

これらの哲学者たちは、従来の価値観や概念を見直し、新しい視点や考え方を提示することで、現代社会をより深く理解しようとしました。彼らの思想は、私たちが自分たちの世界を見つめ直し、柔軟な思考や多様性を尊重することの重要性を教えてくれます。この3人について詳しく書いていきましょう。

あなたの人生は世界の名著で大きく変わる【最強読書アプリSMITH】

ジャック・デリダ

かつての世界では、社会全体が一定の筋書きに沿って進んでいると考えられていました。その筋書きは、人間の理性が素晴らしく、科学の発展によって皆が豊かで幸せになるといったものでした。その実現のために、社会は努力を重ねていました。しかし、その価値観によって甚大な被害がもたらされたのが第一次世界大戦です。

ジャック・デリダは、その狭間の時代に生まれました。彼はフランスの植民地支配下の北アフリカで生まれたユダヤ人で、政府のユダヤ人差別政策によって中学校を追放されました。その後、人間学校を卒業し、サッカーに熱中しながら哲学書を読みふけり、社会への反抗精神を育てました。第二次世界大戦後、パリに渡り、哲学の道を歩み始めました。

デリダの哲学の特徴は、従来の当たり前だとされていた考え方を積極的に解体することにあります。ただ単に壊すのではなく、一度壊すことで物事がより明確に見えるようになり、そこから考え直すことを目指していました。

例えば、家庭を顧みずに仕事に専念することがある場合、それは生活できないから仕方がないとされることがあります。しかし、デリダは、仕事と家庭の優劣を決めつけることに疑問を投げかけます。彼は、「本当にそうだろうか?」と疑うことが最初のステップだと考えました。

さらに、家庭を犠牲にして働くことが正しいとされる場合、誰のために働いているのか分からなくなることを指摘します。このように白黒つかない立場を取ることで、これまで見えなかった現実に気づくことができます。

そこから、仕事と家庭を両立する方法を考えたり、サポート策を思いついたり、妥協点を探って協力できる道を見つけることができるかもしれません。そのためには、まずこれまでの思い込みから脱却することから脱却するべき だというのがでリーダーの哲学です。

すべての社会人のための業務効率アップ講座【速読解Biz】

ジル・ドゥルーズ

かつて同じ時代にジャック・デリダと共に生まれ育った別の哲学者がいました。第二次世界大戦の時、ナチス・ドイツに占領されたフランスで10代を過ごしたその人物の名はジル・ドゥルーズと言います。彼はナチスへの抵抗活動に参加し、戦争を経験していました。戦後にパリで高等教育を受け、大学で哲学を学んで教師になりました。

ドゥルーズの考え方の特徴は、存在の決めつけを解体していくことだと言われています。これは一体どういう意味でしょうか?

例えば、「自分は今も昔もこういう人間だ」と言う人がいるとします。しかし、同じ人でも今と昔で見た目や考え方が変わったり、また人それぞれに違いもあります。ドゥルーズは、このような存在の決めつけを疑いました。彼はそこに大きな見落としがあると考えたのです。

通常、人々は自分や他者の存在を決めつけ、その後に違いに目を向けます。しかし、ドゥルーズは違いが先にあると主張しました。つまり、決まった形などはもともと存在せず、後から人間が決めつけているだけだと考えたのです。これは、決まりきった価値観から自由になるための大胆な発想の転換です。

しかも、ドゥルーズはただそう考えるだけではなく、具体的な思考法まで提案しました。例えば、「自分はコミュニケーションが苦手だ」という決め付けを持っている人がいたとします。そして、そのために会話を避けます。しかし、実際には人生のどこかで人との会話が弾んだ経験が何度かあったかもしれません。これが決め付けを否定する違いです。

違う視点に注目することで、決めつけを疑い始めます。そうすると、昔人との会話で笑われた経験があり、そのせいで会話を避けるようになっていたという気づきがあるかもしれません。もしそうなら、コミュニケーションが苦手なのではなく、人に笑われるのが怖いという別の問題だったことがわかりますするとこれ から取り組むべきことも違うものになるでしょう 。

ドゥルーズはすべて変化の途中だとも言っており、それは今からでも変わっていけるということを意味します。自分はこう いう人間だというのは非現実的で、そうとも限らない方が現実的だと教えてくれるのが トゥルーズなんです。

子育てのスキマ時間に本を聴いて楽しむ – audiobook.jp

ミシェル・フーコー

最後に紹介するミシェル・フーコーは、デリダにとっては学生時代の先生であり、ドゥルーズにとっては親しい友人だった人物です。エリート家系の出身でしたが、医学部へ進学を強く求める父親とうまくいかず、息苦しさを抱えるようになります。同性愛者でもあったため、社会の少数派であることの苦しさも重なり、精神的にはかなり辛い人生を送りました。そんな苦しさの中で磨かれていったフーコーの哲学は、権力という考えを壊していくことだと言われています。

父親という権力者と向き合ってきたせいかはわかりませんが、権力と支配される人との関係に疑問を投げかけたのです。フーコーによると、権力が一方的に人を支配しているのではなく、相互に依存しあっていると言います。

これがどういうことかというと、ブラック企業に例えると分かりやすいでしょう。ブラック企業で酷い扱いを受けながらも、ブラックな労働をしているとします。多くの人はそんな環境で働く労働者や経営者を悪い存在だと思うでしょう。しかし、フーコーはそう考えません。働く人がいなければ会社は回らないので、実はブラック企業に勤め続けることで、会社の存続に協力している側面があるのです。そこには、権力は上から押し付けられるだけではなく、下からも支えているという別の事実が見えてきます。

このように権力に対して別の考えを示すのがフーコーです。権力の現実的な姿を浮かび上がらせることで、さらに見えてくるのが正しさの問題です。

現代社会は、これが正しいという決まった意見で線を引きたがるところがあります。例えば、最近では健常者と障害者という区別が強まる傾向があるかもしれません。そこで、障害者をケアするという発想が登場しますが、フーコーの考えに照らせばそこにはある問題が浮かび上がります。

人を障害というは口で区別することで正常 vs 異常という両極端な関係が作り出されると いうことです。

そしてこの正常側の考え方が いまでいう社会の基本的なルールとなります。現代社会はこのルール化を進めていく流れの中にありますが裏を返せば、そこから 外れることを恐れるあまり、帰って生き辛くなっている面もあると思います。ですがルールから外れればいいかというと、単純な話ではなく別の視点を持って現実と向き合おう。と伝えているのがフーコーの 哲学なのかもしれません。

ストレス社会を生きるすべての人へ。“吸う“CBDアロマ【PEAQ】

まとめ

これまでに3人の哲学者を見てきましたが、彼らは生涯をかけて複雑で難解な問題に取り組んでいました。彼らは多くの問題提起を行い、単純に正解か不正解かで表すことのできない問題にも、熱心に取り組んでいました。現代は彼らの時代よりも趣味や嗜好が多様化しているため、現代思想を学ぶことが特に重要だと言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました