仕事は楽しいかね【デイル・ドーテン】を要約してみた

啓発

今回のブログでは、仕事と人生の楽しみ方について。中心となるのは、アリゾナ州立大学の大学院を卒業し、マーケティング会社を立ち上げた後、執筆家としても名を馳せるデイル・ドーテン氏の著書「仕事は楽しいかね?」です。この本は、単に仕事の楽しさを探求するだけでなく、日々をいかに楽しく過ごすかという普遍的なテーマを探ります。

しかし、実際に仕事を楽しんでいる人はどれくらいいるのでしょうか?2021年の調査によると、仕事を楽しいと感じる人は35%、楽しくないと感じる人は32%、そしてどちらとも言えない人が31%という結果が出ました。これは、多くの人が仕事に対して複雑な感情を抱いていることを示しています。

私たちの多くは、日々のルーティンに追われ、仕事の意義を見失いがちです。毎日同じ電車に乗り、同じ職場で働き、同じ業務をこなすうちに、仕事は単なる義務となり、やがては人生そのものが退屈に感じられるようになるかもしれません。しかし、この本を通じて、仕事だけでなく人生をどう楽しむか、そのヒントを得ることができるでしょう。今日は、デイル・ドーテン氏の知恵を借りて、日々をより充実したものにする方法を学んでいきましょう。

遊び心

生き生きとした人生を送る第一の秘訣は、遊び心を持って常に新しいことに挑戦し続けることです。新しい体験を続けることの重要性は、単純な理由から来ています。同じことの繰り返しは、やがて飽きを感じさせ、自分に合うものを見つけ出す機会を逃してしまうからです。

例えば、あなたが毎日同じ寿司屋に行き、いつも同じマグロの寿司ばかりを食べているとしましょう。3日目には、そのマグロに飽きてしまうかもしれません。しかし、もし他の寿司屋に足を運んだり、今まで試したことのない種類の魚、例えばのどぐろやアジを試してみたらどうでしょう?新しい味覚の発見があるかもしれません。また、アオリイカやヤリイカ、剣先イカなどを食べることで、それぞれの食感の違いに気づくことができるでしょう。席を変えることによって、快適なエアコンの風を感じたり、素晴らしい景色を楽しむことができるかもしれません。

このように、日常に小さな変化をもたらすことで、新たな発見が生まれ、飽きることなく日々を楽しむことができます。今回は分かりやすくするために寿司を例にしましたが、この考え方は仕事や人生全般にも適用可能です。毎日同じことの繰り返しに飽きたと仰ったあなたも、変化を起こすことで新たな興味を見つけることができるでしょう。

具体的には、仕事の成果を上げたい場合は、効率を高める方法を考え、服装や睡眠時間、食事、笑顔など、さまざまな要素を変えてみるのが良いでしょう。また、仕事自体には満足しているが日常に退屈を感じる場合は、趣味やレジャー活動、例えばゲーム、カードゲーム、筋トレ、読書、旅行の計画、恋愛など、興味があることを仕事の後に少しずつ始めてみるのが効果的です。

このようにして、思いついたことを遊び心を持って試し続けることが、人生を楽しく豊かにする鍵です。ただし、変化をただ待つのではなく、積極的に行動することが重要です。学生の時は変化が自然と訪れることもありますが、大人になると自らが変化を起こしていく必要があります。まずは、遊び心を持ち、新しいことにチャレンジし続けることの大切さを心に留めておいてください。

新しいことに挑戦する

次は、新しいことに挑戦することに失敗はないという考え方について。新しいことに挑戦しない限り、自分にとってもっと適したものやもっと楽しいものを見つけることはできません。しかし、新しいことを試す際には、必ずしも成功するとは限らないのも事実です。

例えば、寿司に例えるなら、新しいネタを試してみたけれど、それが思ったより美味しくなかった場合、いつものマグロを頼んでおけばよかったと感じるかもしれません。また、いつもとは異なる美容室を試してみたが、結果が期待に応えなかったという経験もあるでしょう。

確かに、新しいことを試すときには、期待に沿わない結果が出ることが多いかもしれません。しかし、新しいことに挑戦しないと、今よりも自分に適した仕事や面白いものを見つけることはできないのです。さらに、新しいことを試さないことは、徐々に人生に対する興味を失ってしまうことにもつながります。

新しいことに挑戦することは、企業の研究開発費に例えることができます。研究開発費は未来への投資であり、それを惜しむ会社は長期的に見て衰退しやすいのです。同様に、私たちは自分自身の経営者であり、新しいことに挑戦して、未来への投資をすることが重要です。

たとえ新しいことに挑戦してうまくいかなかったとしても、自分に向いていないものが分かったという点で、それは失敗ではありません。トーマス・エジソンは「私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」と語っています。逆に、何も試さないことこそが真の失敗です。新しいことを試さなければ、新しい発見も成長もなく、友達との会話のネタもいつも同じになり、日々が退屈になってしまいます。

このように、何も試さないことは、実質的に失敗しているのと同じです。覚えておいてほしいのは、新しいことに挑戦すること自体に失敗はなく、むしろ試さないことが失敗である、ということです。

大きな目標はいらない

本書では、大きな目標を立てることに対して否定的な立場を取っています。大きな目標を立てることが必ずしも有効ではないというのは、目標は時間とともに変化し、また自身の状況や才能の発見によって変わるからです。

たとえば、ドラゴンクエストのシナリオライターである堀井雄二さんは元々漫画家を目指していましたが、自分の漫画に対する反応が芳しくなく、また周りには才能溢れる漫画家が多かったため、途中でゲームのシナリオライターに転向しました。このように目標を変えることで、新たな道を切り開いたわけです。

また、現在人気のVTuberやプロの格闘ゲーマーも、数年前に今の状況を予測していたわけではありません。彼らは単に面白そうだと思ったことに挑戦し、結果として成功を手にしました。成功のストーリーは、実際には「これが好きだ」「これが面白い」と思ったことを次々と試しているうちに、偶然成功に至ったというものが多いです。

したがって、目標が変わるのは自然なことであり、それは多くのことを試し、フィードバックを得ている証拠です。目標が変わることは成長の証であり、初めに立てた目標に固執すると、逆に自分の可能性を狭めてしまうこともあります。

本書では、大きな目標を立てる必要はないと述べていますが、その代わりに毎日一つ何かを試すことを目標にすることを推奨しています。現時点で将来どうなるかは予測できないため、毎日何か新しいことに挑戦することが大切です。このアプローチにより、大きな目標ではなく、日々の小さな目標を設定することが重要です。

毎日一つ新しいことに挑戦する

毎日一つ何か新しいことに挑戦し続けることで、必ず進歩が見られるというのは、新しいことに挑戦するほど、自分に適したものや興味を引くものを見つける可能性が高まるからです。例えば、プロ格闘ゲーマーの梅原大悟さんは、「目標を特に設定しなくても、日々の変化を感じることがモチベーションにつながる」と述べています。人が何かに飽きてしまうのは、同じことを繰り返し続けることが原因です。そのため、たとえ小さな変化であっても、毎日何かが違うと感じることが重要です。

この理論は、ビデオゲームの世界にも適用できます。例えば「ストリートファイター」というゲームで、いつもとは異なるキャラクターを使ってみたり、普段使わない技を試してみたり、戦術を大きく変えてみるなど、様々な試みをすることで、同じゲームでも飽きずに長期間楽しむことができます。そして、さまざまな試行錯誤を続けることで、必然的にスキルが向上します。

さらに、本書では「放送音効果」という実験についても触れています。これは、電話機を製造する工場で行われた実験で、作業環境に徐々に変化を加えることで生産性がどのように変わるかを検証したものです。具体的には、作業者の手元を徐々に暗くしていきました。当初は生産性が下がると予想されましたが、実際には生産性が上がったのです。この実験は、小さな変化が人々の作業に新鮮さをもたらし、生産性を高めることを示しています。

このように、日々新しいことに挑戦することは、生活に刺激と楽しさをもたらし、飽きることなく継続することで進歩につながります。ここでのポイントは、毎日一つでも新しいことを試し続けることが、成長と進歩への道であるということを覚えておいてください。

成功は宝くじと同じでたくさん試みる

成功者は、たくさんの試みを行うことでその確率を高めています。これは、くじ引きを例にとると、最初の1回で一等賞を当てるのは難しいですが、100回、さらにはそれ以上引くことで一等賞を当てる確率が格段に上がるのと同じ理論です。成功者たちは、一発で大当たりを狙うのではなく、より多くの試みを行い、成功の可能性を高めているのです。

例えば、売れる営業マンは、最初の訪問先で契約を取ることを目標にせず、多くの営業先を回ることに重点を置きます。高森ゆうきさんの著書「幸福論」によると、成功している営業マンは1日に3万歩を歩いていると言われています。これは、同じやり方に固執せず、毎回少しずつ方法を変えて改良していることを意味します。服装、髪型、笑顔、靴、声のトーン、雑談の長さ、褒める内容、話すリズムなど、気づいたことはすべて試してみるのです。

しかし、すべての人が何を試せばいいかすぐにわかるわけではありません。試すべきことが見当たらない場合は、本や論文を読んで、そこに書かれている方法を試してみることが良いでしょう。また、結果を出している他の人の方法をまねるのも有効です。そうすることで、「これはうまくいかないな」「これは結構いいかもしれない」といった発見があり、試行錯誤の中で新しいアイディアが生まれるはずです。このプロセスを繰り返すことで、自分に合った成功の道を見つけ出すことができるのです。

気づいたことを積極的に試してみる

次に、成功を収めるためには、「気づいたことを積極的に試してみる」ことが挙げられます。これは、仕事、健康、筋トレ、恋愛など、自分が取り組んでいるあらゆる分野に適用できる原則です。たとえばサプリメント選びでも、自分に合うものを見つけるためには、多くの種類を試すことが必要です。成功者は、試す回数が非常に多いという点を覚えておいてください。

ここからは、どのようにして試みを行うかについての具体的な手順を説明します。まず、現在抱えている問題点を書き出し、それを解決するために行動を起こすことから始めます。たとえば、「モテたいがモテない」という恋愛の問題がある場合、今日から何か一つでも試してみるのが良いでしょう。髪型を整える、眉毛を整える、筋トレを始める、歯を白くするなど、小さな変更から始めるのがおすすめです。美容室を予約するだけでも良いスタートです。ただし、最初から完璧な解決策を見つけようとは思わずに、いろいろと試してみることが大切です。

もし試したことが合わないと感じたら、迅速に次の試みに移ること。大事なのは、自分が興味を持ち、取り組める問題を特定し、それを解決するために即座に動き始めることです。本書では、「適切な時」や「完璧な機会」などは存在しないとされています。変化は小さくても構わないので、とにかく行動を変えてみることが勧められています。現在抱えている問題を具体的に書き出し、それを解決するための行動を今すぐに始めることが、成功への道を切り開く鍵となります。

どんなに完璧になっても試みをやめない

最後は、たとえ自分が完璧な状態に達したと感じても、常に新しいことを試し続けることの重要性です。一部の人々は、自分が「完璧」に近づいたと感じたら、これ以上新しいことを試す必要はないと思うかもしれません。しかし、これは誤った考え方です。私たちはこの記事で、試すことの重要性について説明してきましたが、試し続けることは、人生の終わりまで続けるべき活動なのです。

例えば、将棋の棋士である羽生善治さんや藤井聡太さんが「私はもう十分強いから、新しい戦術を考える必要はない」と思うことはあり得ません。もしそう考えたら、他のライバルにすぐに追い抜かれてしまうでしょう。変化を避け、新しいことを試さないことは、時間の流れに取り残されることを意味します。

完璧だと思って変化をやめてしまうと、そこから衰退が始まるのです。チャールズ・ダーウィンは「強いものや賢いものが生き残るのではなく、変化できるものが生き残る」と言っています。試すこと、変化することに終わりはなく、それは一生続くプロセスです。しかし、これを辛いことだと感じる必要はありません。実際、常に新しいことを試すことは、人生を楽しく感じさせる要素なのです。完璧な状態であっても試し続けることを覚えておいてください。これこそが、常に進化し続けるための鍵なのです。

まとめ

今回の本「仕事は楽しいかね。」の内容をまとめてみましょう。新しいことを遊び感覚で試し続けることが、日々を豊かにする鍵です。試すことに失敗はありません。むしろ、試さないことこそが失敗であり、新しい発見への道を閉ざしてしまいます。大きな目標を設定する必要はなく、毎日気になることを一つ試すことを目標にしましょう。そうすれば、必ず上達や進歩を遂げることができます。

成功者は、単純に試す回数が多いという特徴を持っています。今抱えている問題点を明確にし、それを解決するためにすぐに行動を起こすことが重要です。完璧なタイミングや機会を待つ必要はありません。現状を把握し、一つずつ試していくことで、完璧な状態であっても成長し続けることができます。

最後に、試すことの楽しさを見出した人は、まさに人生の達人と言えるでしょう。彼らは失敗や成功をあまり気にせず、何をするとどうなるかを知ること自体に満足感を得ています。常に新しいことを試すことで、子供のようなワクワク感を持ち続けることができるのです。あなたの身の回りにも、そんな人が一人はいませんか?私たちもそうなることを目指しましょう。

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