少子化対策は必要なのか?楽園実験:ユニバース25 実験 

啓発

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何度やっても滅亡する禁断の楽園実験(ユニバース25 実験 )

突然ですが、皆さんに2つの質問を投げかけます。まず一つ目、”人口削減計画”という言葉を聞いたことがありますか?二つ目、皆さんにとって”楽園”とはどのようなものでしょうか?

今回、実験者の名前はジョン・B・カルホーン。彼が25回も繰り返して実施した一つの特殊な実験についてお話しします。それは「すべての危険や『脅威』が排除された楽園のような環境にマウスを住まわせた場合、どのような社会が形成されるのか?」というものです。

この「脅威」とは、私が考える5つの主要なものです。それらは、1) 住居からの追放、2) 食糧不足、3) 悪天候、4) 病気、5) 捕食者の存在、というものです。これらの要素が完全に排除された状況が、まさに「完璧な楽園」です。

では、この極めて理想的な環境で、マウスたちはどのように振る舞ったのでしょうか?具体的な結果については、以下で詳しく説明します。

とんでもない実験に触れる前に、ちょっと一息ついてくださいね

フェーズA適応期

1968年7月9日、ユニバース25 実験 25回目の実験を開始しました。今回の実験の詳細について説明します。

まず、実験エリアは2.57メートル四方の空間で、それを高さ1.37mの壁で囲んでいます。壁の上部にはマウスが登れないように、鉄のメッキ部分を43cm取り付けています。このエリア内には16の巣穴を配置し、それぞれがさらに細かく分けられた256の独立した居住エリアを用意しました。この広さと構造であれば、理論上最大で約38,040匹のマウスを収容することが可能です。

この空間内では、食料と水は無制限に供給され、病気は予防され、最適な気温が保たれます。天敵も存在しません。つまり、ここはマウスにとっての真の楽園です。

実験開始時、我々はオスとメスのマウスを4組、合計8匹導入しました。最初のうちは、新しい環境と他のマウスに慣れるまで、彼らは混乱していましたが、徐々に適応していきました。

ちなみに、この実験で使用されたマウスの平均寿命は約800日です。これは人間の80歳に相当します。そのため、この実験での10日は、人間で換算すると約1年に相当すると考えられます。

実験開始から104日後、マウスたちの楽園で初めての子供が生まれました。初めての8匹が新しい環境に適応し、初の繁殖に成功したこの期間を、フェーズA適応期と名付けました。

ここから、この実験の本題に入ります。甘いものでも食べてリラックス

フェーズB:社会形成期

“フェーズB:社会形成期”

初めてのマウスが生まれてから約55日ごとに、その個体数は倍増しました。つまり、文字通り”ねずみ算式”に個体数を増やしていったのです。実験開始から315日後、個体数は約620匹にまで増えました。

この段階になると、いくつかの変化が観察できました。最初の一つは、スペースの利用についてです。各マウスがそれぞれのスペースを均等に使っていたのが、段々と特定のスペースへの偏りが生まれてきました。つまり、マウスの楽園でも「社会」という概念が形成され始めたのです。

この社会形成期とは、具体的には実験開始から約315日目までの期間を指します。

次に、この期間の個体数について詳しく見ていきましょう。620匹のマウスのうち、親(年長のマウス)は150匹、子供(年少のマウス)は470匹でした。つまり、社会性を確立した年長のマウスに対して、年少のマウスが3倍以上存在していました。これは、人間社会でいうところの人口爆発に相当します。

しかしながら、個体数が620を超えた後からは、出生数が徐々に減少し、個体数の増加率も緩やかになってきました。

フェーズC:停滞期

“フェーズC:停滞期”

315日目以降、個体数が倍増するのに約145日かかるようになりました。通常の自然環境では、個体が死滅したり寿命を迎えたりした場合に、その数を補充するためには、成熟して生き残る新たな個体が必要となります。

自然の環境では、必要以上に個体が生まれると、余剰分は他の環境に移住します。しかし、この実験では移住する場所がないため、そのような事はできませんでした。このため、年長のマウスや同世代のマウス間で、激しい競争が生じました。

これにより、マウス社会に格差が生じ始めました。一部では、支配者層と呼べる少数のマウスが広いスペースを独占する一方で、他のマウスは大量にいて、狭いスペースを共有して生活する状況になりました。支配者層においては、その地位を巡る争いが見られました。

2世や3世の新たなオスマウスも、成長すると同様の争いに加わるようになりました。マウス社会では、通常、オスが領土を守り、メスが子供を守る役割を果たします。支配者層にいるメスマウスは、子煩悩になり、子供の世話をきちんと行っていました。妊娠すると、出産に向けて積極的に準備を始め、巣作りを行った後、子供の世話を行います。

富裕層とも言えるこの層のマウスの中では、出産後の子どもの死亡率は約50%でした。それゆえ、彼らの生活は比較的安定していると言えます。

一方で、争いに負けて窮屈な状況で生活する、いわば貧困層に属するマウスたちには、さまざまな変化が見られました。

集団で行動するマウス

この段階では、一部のマウスが集団で行動するようになりました。本来、マウスは一匹で活動する生物ですが、この実験では、多くのマウスが一斉に餌を食べに行くようになりました。集団行動に参加しない、一匹で餌を食べているオスも存在しましたが、彼らは何か不安げに見えました。集団行動を取るマウスの数は増え続け、多数のマウスが一緒に行動することが一般的になっていました。

性の変換

貧困層のマウスの間で、交尾行動に関しての異常が見られるようになりました。いくつかのオスは同性間での交尾行動を行うようになり、未成熟の子マウスを対象にするマウスも出現しました。一部のマウスは、性別や年齢を問わず、性行為の対象にするという行動を始めました。

ストーカーの出現

「ストーカー」という現象も見られました。通常は闘争から逃れ、弱気なマウスでも、活発に求愛行動を繰り返しました。マウスの社会には通常、求愛行動にルールがありますが、このストーカー化したマウスたちはそのルールを無視し、本能のままに行動するようになりました。

子育てできないメスマウス

メスマウスの中には、巣作りや子育てがうまくいかない個体が増えてきました。その結果、出産後の子マウスの死亡率は90%にも達しました。また、一部のメスマウスは、オスの役割であるテリトリーの防衛行動を取るようになりました。その攻撃性は自身の子供にまで向けられ、子供は母親から攻撃され、早期に巣を離れることを余儀なくされました。

引きこもりマウス

「引きこもり」のマウスが誕生しました。これらのマウスは他者に対する関心を持たずテリトリー争いからも避け、食事と睡眠だけに専念するようになりました。これらのマウスは他のマウスから無視され、社会から孤立していました。この引きこもり現象は、オスだけでなくメスにも見られ、彼らは他者との関わりを避けるようになりました。これらの現象は日々増加の一途を辿っていました。

フェーズD:死滅へのカウントダウン

フェーズD、つまり死滅へのカウンドダウンが始まり。実験開始から562日目になると、マウスの個体数の増加は停止し、出生率はわずかに死亡率を上回る程度まで低下しました。この時点でのマウスの総数は約2200匹でした。ここから、このマウス社会は衰退の道を辿っていくことになります。

600日目には、それ以降の新生児死亡率が100%に上昇し、つまり全ての新生児が死亡するようになりました。この日に最後の出産がありました。また、受胎率も著しく低下し、ほとんどのメスマウスが妊娠しなくなりました。

そして920日目に、最後の妊娠が起こった後、全てのマウスが妊娠しなくなりました。1973年3月1日、つまり実験開始から1330日後には、生存しているマウスの平均年齢は776日となりました。メスマウスの閉経は生後約560日で、その約200日後にあたるこの時点では、ほとんどのメスマウスが妊娠できない状態にありました。

ここで一つ考えてみてください。マウスの10日は人間でいうと1年に相当します。つまり、このマウス社会は、平均年齢が77.6歳の超高齢化社会となっていたのです。死亡率は寿命に応じて上昇しますが、個体数の補充は行われず、個体数は急激に減少していきました。

1972年6月22日、つまり実験開始から1444日目には、生き残っているマウスはわずか122匹となりました。その内訳はオス22匹、メス100匹でした。自然界では、集団の個体数が一定数まで減少すると、一部の個体によって集団の個体数が増加に転じることがあります。これは、個体数が減少すれば餌や繁殖のパートナーを確保しやすくなるからです。

しかしこの実験では、餌は十分にありましたが、残ったオスのほとんどが異性に対して興味を示さなくなりました。彼らは引きこも、あるいは“beautiful マウス“と呼ばれるようになりました。

一部のメスはまだ生殖可能な年齢でしたが、”beautiful マウス”となったオスたちは彼女たちに興味を示しませんでした。このフェーズDでは、ホールC博士と同僚の研究者たちは、マウスの小グループを新しい環境へと移す実験も並行して行いました。しかし、どのグループも社会を形成する能力をほぼ完全に失っていました。混雑していない新しい環境で、成熟した異性と一緒にいても、適切な生殖行動が維持される兆候はほとんど見られませんでした。

実験開始から1471日目には、生存しているマウスの数は100匹まで減少しました。そして、この論文をまとめている現在、実験開始から1588日目には、生存しているマウスの数は27匹にまで減りました。その中には23匹のメスと4匹のオスが含まれています。

さらに絶望的な事実として、生き残った27匹のマウスの中で最年少のものでさえ、生後987日という超高齢であったという事実が挙げられます

当初、マウス社会では、個々のマウスが社会的な役割を果たすことが可能でした。しかしながら、生存期間が延びるにつれ、その社会的役割を果たすマウスの数が減少しました。何世代にもわたって、全ての社会的ポジション、つまり役割が満たされる状況が続いたのです。多くのマウスが長く生存し、社会的な役割を持つ者が不足すると、成熟した若いマウスが増え、彼らは社会の中で活動することが難しくなります。

しかし、これら若いマウスたちは、彼らが持つ潜在能力を社会的なポジションに生かす機会はほとんどありませんでした。なぜなら、彼らはコミュニティの年長者たちと社会的なポジションを巡り、厳しい競争を強いられたからです。この結果、本来の社会組織、つまり、正常な社会的な循環が崩壊し、集団全体が滅亡する結果となりました

この社会的な崩壊が進行する中で生まれた子どもたちは、母親や他の大人たちに拒絶されました。さらに、高密度の集団生活が引き起こす強い干渉によって、本来の行動サイクルが中断され、社会的なつながりが断絶しました。結果として、生存のためだけに必死になり、種を存続させるための複雑な行動を行わなくなるマウスが生まれました。

マウスのような比較的単純な生物にとって、最も複雑な行動は求愛、母性、社会階層内または社会間の組織など、他者との相互作用に関連する行動です。これらの行動が未発達のままであると、社会組織の発展がなく、繁殖行動も行われません。結果として、全ての群体メンバーが老化し、結果的には滅亡します。

最後に2つの質問を投げかけます。「人口削減計画」というものを聞いたことがありますか?また、あなたにとって「楽園」はどのようなものでしょうか?

終わりに

昨今政府が少子化対策で色々な施策をしようとしている。

果たして効果のあることなのだろうか?

他国と比べ日本は食料は満たされ、水も蛇口をひねれば出てくる。

暑くても、寒くても、エアコンや暖房器具で快適になり、治安も良い。

そう日本というのはユニバース25 実験 と似ているのだ。

しかもフェーズDの状態にあるのです。すなわち超高齢化社会であり、出生率より死亡率の方が上回っているのだ。

さて、本当に今少子化対策は必要なのであろうか?

それよりもっと、やらなければいけないことがあるのかもしれない、、。

それは何なのでしょうか?あなたの意見は何ですか?コメントしていただければ幸いです。

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