
「30年以内に南海トラフ巨大地震が起きる確率は70%」——この政府発表を聞いて、不安を覚えた方も多いのではないでしょうか。しかしこの数字、実は科学的な裏付けが極めて乏しく、恣意的に作られた可能性があるとしたら?
ジャーナリスト・櫻井よしこ氏が特別番組で指摘したのは、まさにその点です。本記事では、櫻井氏の主張をもとに、南海トラフ地震の「70%説」の裏にある問題点と、その背後に潜む構造について、わかりやすく整理・解説していきます。

🔍 南海トラフ地震「30年以内に70%」という数字は本当に信頼できるのか?
「南海トラフ地震は30年以内に70%の確率で発生する」——このフレーズは、ニュースや防災関連の情報を通じて多くの日本人に広まり、地震対策を強く意識させるきっかけとなってきました。
ところが、専門家の間ではこの「70%」という数字に対して疑問の声が上がっているのをご存じでしょうか。
■ 異論を唱える学者たちの声
名古屋大学の地変動学(地震や地殻変動を研究する分野)の専門家である佐々木健(さっさ たけし)教授らは、この70%という数字の出し方について強く批判しています。
その理由はシンプルで、「南海トラフ地震にだけ特殊な計算方法が使われている」という点にあります。
■ 「時間予測モデル」とは?
南海トラフ地震の予測に使われているのは、**「時間予測モデル」**と呼ばれる手法です。
このモデルは、過去の大地震が起きた間隔や歴史的な記録から「そろそろ次が来るのではないか」と確率をはじき出すという、確率論に基づいた未来予測です。
しかし問題は、このモデルが他の地域の地震予測では使われていないという点です。つまり、「南海トラフ地震だけに特別ルールが適用されている」状態。
■ 他の地域と同じ手法なら「20%程度」になる?
佐々教授らの指摘によれば、南海トラフにも**他地域と同様の一般的な統計モデル(例えばポアソン分布モデルなど)**を使えば、発生確率は「せいぜい20%前後」にとどまるといいます。
この差はとても大きく、70%という数字を見て緊張感を持った人々にとっては誤解を招きかねない重大な誤情報とも言えるのです。
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■ なぜ南海トラフだけ“特別扱い”されているのか?
この点については、専門家の間でも意見が分かれますが、櫻井よしこ氏の番組などでは、「予算確保のために不安を煽るような高い数字を出した」という政治的な背景が指摘されています。
つまり、「本当の数字ではなく、都合のいい数字が使われているのではないか?」という疑念が持たれているわけです。
✔ ポイント
- 南海トラフ地震の「70%」という発生確率は、科学的に疑義がある。
- 特殊な計算手法(時間予測モデル)を使っており、他の地域と公平に比べられない。
- 一般的な方法を使えば、「20%程度が妥当」という見解も。
- その背景には、予算確保や政策判断のバイアスが存在する可能性がある。
このように、数字は一見科学的に見えても、その裏にはさまざまな意図や手法の違いがあることを理解しておく必要があります。「科学的な数字」に惑わされず、冷静に情報を見極めることが私たちにも求められています。
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② なぜ「70%」に“水増し”されたのか?
——数字の裏にある政治的な思惑
南海トラフ巨大地震の発生確率について、地震調査委員会の内部では当初からさまざまな議論があったと言われています。
実は、「正直に20%程度と発表すべきだ」という声も専門家からは上がっていたのです。
それにもかかわらず、政府の最終見解として発表されたのは、「70%」という非常に高い数値でした。
■ なぜ正確な数字が却下されたのか?
ここに政治の影が見え隠れします。櫻井よしこ氏によれば、この「70%」という数字は、科学的な根拠よりも、“予算確保”という現実的な事情によって採用された可能性が高いといいます。
つまり、
「地震の発生確率が高い → 国民に危機感が生まれる → 防災対策が急務になる → 政府は予算をつけやすくなる」
という流れです。
逆に言えば、発生確率が20%程度と低く見積もられると、防災関連の予算が削られてしまう恐れがある。これを危惧した一部の関係者が、「70%」というインパクトのある数字を支持したというわけです。
■ 科学よりも“都合の良い数字”が選ばれた
本来であれば、防災対策のための科学的知見は正確かつ客観的であるべきです。しかし、この場合、科学的議論よりも、政治的・行政的な都合が優先されてしまった可能性があるというのが、櫻井氏の批判です。
このように、「70%」という発生確率は、国民を守るためというよりも、国民の不安を利用して予算を取るために使われた数字ではないかという深刻な指摘がされているのです。
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✔ ポイントまとめ
- 委員会内部では「20%程度」という見積もりも検討されていた。
- しかし「予算を削られたくない」という意向が強く、「70%」という高めの数字が押し通された。
- 結果として、科学ではなく“政治”が数字を決めた可能性がある。
この問題は、単なる数値の違いではありません。政府や専門家の言う「科学的根拠」を私たちがどこまで信用できるのか、情報の透明性と説明責任が問われる重要な事例だと言えるでしょう。
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③ この「70%」という数字を作り出したのは誰か?
——カギを握る地震学者・島崎邦彦氏
南海トラフ地震の発生確率を「30年以内に70%」とする根拠となったのは、ある一人の著名な地震学者によるモデルでした。その中心人物こそ、島崎邦彦(しまざき・くにひこ)氏です。
■ 島崎邦彦氏とはどんな人物か?
島崎氏は、日本の地震研究の第一人者とも言える人物で、以下のような肩書を持っていました:
- 日本地震学会の元会長
- 政府の地震調査研究推進本部・地震調査委員会の部会長を17年務めた
- 2012年には、原子力規制委員会の委員長代理にも就任
つまり、日本の地震政策や原子力安全行政に極めて大きな影響力を持った学者だったのです。
■ 問題となった「時間予測モデル」とは?
島崎氏が導入したのは、「時間予測モデル」という予測手法です。
このモデルでは、過去の大地震が起きた間隔(再来周期)をもとに、次の地震の発生確率を計算します。とくに江戸時代の安政地震(1854年)の記録に依拠し、その翌日に高知県の室津港で観測された海面の低下(約1.2メートル)などの情報を根拠としていました。
■ 古文書を使った“あいまいな測定”が問題に
しかし、ここで大きな問題があります。
江戸時代に海面の高さをどう測ったのかといえば、竹の棒を海に突き刺す、縄に石を結んで水深を計るといった、非常に原始的で不正確な方法でした。当然ながら、現代の科学的な測定とはほど遠く、誤差も大きいとされます。
この点について、京都大学防災研究所の橋本学(はしもと まなぶ)所長は次のように批判しています:
「古文書に基づく数値は大ざっぱで、測定誤差の補正をせずに使うのは科学的とは言えない」
つまり、不確かな歴史資料をもとに現代の地震予測を行うのは極めて危険だというわけです。
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■ それでも政府見解になってしまった理由
このような「非科学的なモデル」が採用され、最終的に「70%」という政府見解にまで至った背景には、島崎氏の地位の高さと、政府との密接な関係があったと考えられます。
櫻井よしこ氏は、「このような学者の影響力が、科学的妥当性を超えて政策を左右してしまった」と警鐘を鳴らしています。
✔ ポイントまとめ
- 「70%」という数字は、**島崎邦彦氏の“時間予測モデル”**に基づくもの。
- その根拠は、江戸時代の安政地震の古文書の記録や素朴な測定法に依存。
- 測定誤差の補正も行われておらず、専門家からは「非科学的」と強く批判されている。
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④ 島崎氏と原子力規制委員会の関係
——“科学”を盾に再稼働を止めた非科学的判断
地震学者として「南海トラフ70%説」を主導した島崎邦彦氏は、実は日本の原子力政策にも深く関わっています。
2012年、東日本大震災の翌年。民主党政権下で新たに設置された原子力規制委員会において、島崎氏は初代委員長代理という重要なポストに就任しました。
■ 原子力規制委員会とは?
この委員会は、福島第一原発事故の教訓を受けて新たに創設された政府機関で、原発の安全性を審査し、再稼働の可否を判断する権限を持っています。委員は独立性が高く、内閣や電力会社からも一定の距離を置くことが期待されていました。
しかし現実には、**「安全」ではなく「リスクゼロに近い状態」**を求める極端な安全主義が前面に出るようになり、それが政策を歪める結果となります。
■ 活断層をめぐる“非科学的”な判断
島崎氏は、地震学の権威として、原発周辺にある活断層の有無とリスク評価に深く関与しました。
問題は、その評価基準が極めて厳格かつ主観的だったことです。
たとえば、ある原発の地下に「ごく一部、断層のように見える地層がある」とすると、それが数万年前に動いた証拠があいまいでも、「活断層の可能性が否定できない」というだけで“危険”と判断される傾向があったのです。
■ 鶴ヶ原発2号機の事例
具体例として挙げられるのが、福井県の鶴ヶ原発2号機です。
ここでは、他の専門家が「問題ない」と判断したにもかかわらず、原子力規制委員会は活断層の可能性を重視し、再稼働を不許可としました。島崎氏の「万が一にも備えるべきだ」という姿勢が色濃く反映された結果といわれています。
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■ 科学的か、政治的か
一見すると「安全を最優先する」姿勢のようにも見えますが、櫻井よしこ氏はこれを**「科学の名を借りた思考停止」**と厳しく批判します。
本来、科学的とは「多様な意見を取り入れ、証拠と論理に基づいて判断する」こと。しかし、原子力規制委員会の方針は、“結論ありき”で他の見解を排除する姿勢が強く、もはや“非科学的”と言わざるを得ないというのです。
✔ ポイントまとめ
- 島崎氏は、原子力規制委員会の初代委員長代理として原発審査に強い影響力を持った。
- 活断層の判断をめぐり、非常に厳格で主観的な評価基準を導入。
- 福井県の鶴ヶ原発2号機などは、他の専門家の意見を無視して再稼働不許可に。
- 櫻井氏は、こうした判断を「非科学的な決めつけ」と批判している。
このように、南海トラフ地震の予測だけでなく、日本のエネルギー政策にも影響を与えていた島崎氏の存在は、単なる学者の域を超えて、国の政策決定にまで強く関わっていたことがわかります。
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⑤ エネルギー政策と国民生活への影響
——原発停止がもたらす“静かな負担増”
櫻井よしこ氏が強調するのは、「南海トラフ地震の発生確率70%」という非科学的な数字や、活断層をめぐる過度に厳しい判断が、単なる学問上の問題にとどまらず、私たちの暮らしや国の経済に深刻な影響を与えているという事実です。
■ 原発再稼働が進まない現実
東日本大震災以降、日本では全国の原子力発電所が一時停止されました。その後、規制委員会の審査を経て一部が再稼働しましたが、そのスピードは非常に鈍く、全体として原発の停止状態が続いています。
その主な理由の一つが、前述のように活断層を過剰にリスク視する非科学的な基準。これにより、再稼働のハードルが極端に上がり、電力供給に大きな制約が生じているのです。
■ 電気料金の高騰と産業競争力の低下
この原発停止のツケが、最も顕著に現れているのが電気料金の上昇です。
- 家庭用電気料金は、国際基準と比べても割高
- さらに深刻なのは、産業用電気料金で、日本企業のコスト競争力を著しく低下させています。
これは単なる家計の問題にとどまらず、日本全体の製造業・輸出産業の衰退にもつながる構造的問題です。
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■ 政府は「補助金」で一時的に抑えているが…
政府は、電気料金の高騰を抑えるために補助金や電気代の一部負担策を講じています。しかし、これらは**“応急処置”に過ぎず、根本原因には触れていません。**
櫻井氏が指摘するのは、こうした現象の背後にある「原発が再稼働できない構造的原因」を、政府もメディアも正面から語ろうとしない姿勢です。
■ 背後にある“非科学的な学者の判断”
そもそも、活断層の定義や安全基準が科学的な合理性よりも、政治的な圧力や感情的な世論を優先して作られたのではないか――。
その一因として、櫻井氏は島崎邦彦氏のような地震学者の過度な影響力を問題視しています。
学術的立場を盾に、「万が一でも危ないなら止めるべきだ」といった極端なゼロリスク思考が、現実的なエネルギー政策を妨げているというのです。
✔ ポイントまとめ
- 原発が再稼働できないため、日本の電力供給が慢性的に不安定に。
- 結果として、家庭用・産業用の電気料金が高騰し、生活と経済に大打撃。
- 政府は補助金で対応するが、根本原因(原発停止)にはほとんど触れない。
- 背景には、一部の学者による非科学的な判断があり、それが国の政策全体を歪めている。
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🎯 櫻井よしこの主張の核心
——“科学”という名のもとに進む、政治的な操作と国民無視
櫻井よしこ氏が本特集で伝えようとしている本質は、単に「地震予測が間違っている」「原発政策が厳しすぎる」といった表層的な問題ではありません。彼女が問題視しているのは、日本の中枢において、「科学」を利用して政策を誘導し、結果的に国民の生活と未来を縛っている構造そのものです。
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■ 学者が「科学」を装い、実は政治を動かしている
地震予測や活断層の評価といった分野は、あくまで専門知に基づいた冷静な分析と、公開された議論によって成り立つべきものです。ところが、櫻井氏によれば、実際には一部の学者が“科学”を盾にして、自分の思想や価値観に基づく結論を押し通しているとのこと。
つまり、客観性を装いながら、実際は政策的な方向性を恣意的に決定づけているのです。
■ 「地震リスク」「活断層評価」が政策を歪める
このような判断が実際に何を生んでいるかといえば――
- 南海トラフの地震確率70%という過剰な数値で、防災政策が過熱し、
- 活断層の存在を過大視するあまり、原発の再稼働が止まり、
- 結果として、防災費とエネルギーコストが国民生活を直撃する
というように、公共政策そのものが歪められているというのです。
■ 説明責任を果たさない“権威”への疑問
さらに問題なのは、そのような影響力を持つ学者たちが、自らの発言や論文が社会にどれほどの影響を与えているかに対して、責任ある説明をしないという点です。
たとえば、「70%説」の元となった論文の著者・島崎邦彦氏は、櫻井氏による取材や質問に最後まで“ノーコメント”を貫いたとされています。
科学とは、本来、公開と反論を歓迎する世界のはずです。ところがその建前の裏で、密室的に政策決定へ関与し、都合の悪い反論には答えない態度は、学者としての倫理に反すると櫻井氏は断じます。
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■ 「非科学的な学術界の暗躍」に、私たちはもっと敏感になるべき
結局のところ、櫻井氏が最も訴えたいのは――
「学者だからといって鵜呑みにしてはいけない。
科学の名を借りて都合の良い情報操作を行う勢力に、国民はもっと目を光らせるべきだ」
ということです。
そして、
- 疑問を持ち、
- 情報の出所を見極め、
- 必要であれば声をあげる
こうした一人ひとりの行動こそが、政治や政策の暴走を抑える唯一の力である――それが櫻井氏の根底にある主張です。
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