本要約:読書「自分を変える習慣力」

本要約

今日は、三浦翔馬さんの『自分を変える習慣力』改訂新版をご紹介します。この本では、習慣を味方につけ、日々の生活をより良い方向に変えていくための具体的な方法が解説されています。「良い習慣を身につけたい」と思っても、実際に続けるのは難しいもの。本書の著者は、潜在意識をうまく活用することで習慣化が容易になると提唱しています。

今回の解説では、以下の2つのテーマに沿って進めていきます。

  1. スイッチとなる習慣を見つける
  2. 習慣スイッチの見つけ方

どちらも、実際に良い習慣を生活に取り入れるためのヒントに満ちた内容です。習慣を確実に身につけたい方には、必見の内容となっています。それでは、本書のエッセンスを掘り下げていきましょう。

改訂新版 自分を変える習慣力 [ 三浦将 ]

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感想(1件)

1. スイッチとなる習慣を見つける

この章では、習慣形成を促進し、自己成長をサポートするために重要な3つのポイントを解説します。

習慣は連鎖する

まず1つ目のポイントは、「習慣は連鎖する」です。本書では「まず1つの習慣を身につけることが大切だ」と強調されています。1つの小さな習慣を身につけただけで生活全体に良い影響が及ぶのかと疑問に思うかもしれませんが、実際にはそれが非常に効果的であることが研究で証明されています。

オーストラリアの研究者、メーガン・オーチンとケン・チャンが行った興味深い実験をご紹介しましょう。この研究では、被験者に2ヶ月間、週3回のジム通いを課し、ウェイトトレーニングやエアロビクスといった運動を続けてもらいました。この運動プログラムの目的は、単に体力向上を図るだけではなく、運動習慣が生活全体に及ぼす影響を測ることにありました。

実験中、被験者たちは「衝動買いの頻度」「喫煙量」「飲酒量」「カフェイン摂取量」「ジャンクフードの摂取頻度」「人との約束を守る回数」「親切にする頻度」といった生活全般の行動に関する詳細な報告を行いました。その結果、驚くべき変化が見られました。運動を続けた被験者には、衝動買いや飲酒、ジャンクフードの摂取が減り、人に対する親切な行動が増加するなど、良好な行動が生活全体に広がったのです。さらに、運動を継続したことで意志力や自己制御力の向上も明らかになりました。

この実験から分かるように、1つの習慣をしっかりと身につけることが他の良い習慣へと連鎖し、生活全体の改善に繋がるのです。これは「習慣の連鎖効果」とも言え、ポジティブな行動が次々と他の良い行動を引き寄せる様子を示しています。

小さなアクションを起こし続ける

2つ目のポイントは、「小さなアクションを起こし続ける」ことです。習慣化を目指す時、最初から大きな目標を立ててしまうと挫折しやすくなります。本書が推奨するのは、小さな行動から始め、それを続けることの重要性です。コーチングのセッションでは、毎回の終了時に「次回までに行う小さなアクション」を決めることが習慣づけられています。たとえば「夜に1行だけ日記を書く」や「誰かに連絡を取る」など、日常生活に取り入れやすい小さなアクションです。

小さなアクションを続けることは単に自己満足に留まりません。日々の小さな成功体験が積み重なることで、次第に自己効力感(自分ならできるという感覚)が高まります。このように小さなアクションを実践し続けることで、目に見える効果が徐々に表れます。実際に、ある企業経営者が6ヶ月後の目標を立てていたところ、わずか3ヶ月で目標を達成した例もあります。営業職の人が営業成績を20%アップさせる目標を掲げていたところ、続けた結果、200%の達成率を記録したケースもありました。

このように、日々の小さなアクションが大きな成果に繋がる可能性を持っています。たとえ特別な意志の力がなくとも、実行可能な範囲でコツコツと取り組むことで、思いがけない大きな変化を引き起こすのです。

良い習慣化は脳の構造を変える

3つ目のポイントは、「良い習慣化は脳の構造を変える」というものです。これは習慣が単なる行動の繰り返しにとどまらず、脳の神経構造そのものを変える力を持っていることを示しています。良い習慣が定着すると、脳の神経パターン自体が変わり、これが他の良い行動を生み出す新たな基盤となります。

例えば、毎日の運動や日記を書く習慣を身につけることで、脳内の神経回路が強化されます。この神経回路の変化は「神経可塑性」と呼ばれ、脳が柔軟に新しい行動パターンを習得できる状態を意味します。つまり、1つの良い習慣が定着することで脳の構造そのものが変わり、次第に他の良い行動も取り入れやすくなるのです。さらに、この神経回路の変化は自己成長や目標達成のための強固な基盤を築き上げます。

良い習慣は脳にとっても良い影響をもたらし、意識的に自分の生活や考え方をポジティブに変えていく手助けをしてくれます。これは「才能には限界がある」と思いがちな人にとっては大変励みになる話であり、1つの小さな習慣が積み重なることで大きな変化を生み出す可能性があります。

第2章:習慣スイッチの見つけ方

本章では、習慣形成の「スイッチ」を見つけ、持続的に習慣を身につけるための3つの重要なポイントについて深く掘り下げて解説します。それぞれのポイントは、習慣の定着や自己成長をサポートする実践的なヒントに満ちています。

1. 本当の目的を考える

最初のステップは、習慣化したい行動の「本当の目的」を明確にすることです。人は目的が明確であるほど、それに向かう意志が強くなり、行動の持続が楽になります。しかし、多くの人が「体にいいから運動しよう」や「周りがやっているから自分も」といった曖昧な動機で新しい習慣を始めますが、それでは長続きしないことが多いのです。ここでのポイントは、自分にとっての「本当にしたいこと」を見極めることです。

例えば、ダイエットを目指すなら「単に痩せたい」だけでなく、「子どもたちと健康に遊ぶために元気でいたい」や「いつまでも自分に自信を持っていたい」といった個人的で心に響く理由を見つけると、動機が強化され、継続がしやすくなります。このプロセスを深めるためには、以下の質問を自分に投げかけてみてください。

  • 本当に成し遂げたいことは何か?
  • その習慣を身につけたとき、自分にどんな変化が訪れるのか?

このような質問を通して、習慣の目的が「自分にとって意味のあるもの」になるよう掘り下げていきましょう。

2. 最高の目標の作り方

次に、具体的で実現可能な目標を設定する方法について解説します。目標設定の際には、あまりに高すぎる目標は避け、現実的で達成可能なものにすることが重要です。大きすぎる目標はモチベーションを奪い、かえって3日坊主になりやすくなります。ですので、最初は「毎日5分だけ運動をする」や「毎日1行日記をつける」といったように、小さなステップから始めましょう。

この目標設定の際には、以下の基準を考慮すると効果的です。

  • 具体的であること:目標が漠然としていると行動に移しづらくなります。「毎日健康に気をつける」という目標よりも「夕食後に10分歩く」など、具体的な行動に落とし込みましょう。
  • 測定可能であること:目標を達成できたかどうかを判断できるようにしましょう。例えば、「週に3回運動する」など、達成度を数値化できると進捗を管理しやすくなります。
  • 継続できること:最初から完璧を目指さず、自分にとって続けやすい目標を設定しましょう。

こうした工夫により、日々少しずつ進めることができ、達成感も得やすくなるため、最終的に大きな成果につながります。

3. 3日坊主から脱却する方法

最後のポイントは、「3日坊主を克服するための方法」です。多くの人が「続けたい」と思いながらも、わずか数日で挫折してしまうのはなぜでしょうか?その原因の1つに「モチベーションが維持できないこと」が挙げられます。本書では、潜在意識レベルでの持続力を作り出し、習慣を根付かせるための方法が紹介されています。

ここで紹介するのは「行動を快い感情と結びつける」というテクニックです。これは、習慣化したい行動を、自分にとって楽しい・心地よいものと関連づけることで、行動の持続を促す方法です。例えば、毎朝のジョギングを習慣にしたい場合、その時に「お気に入りの曲を聴く」というルールを作ると、音楽の楽しさがジョギングに結びつき、習慣化が進みやすくなります。

また、以下のような方法も効果的です。

習慣を定着させるためには、行動に小さな楽しさや達成感を結びつける工夫が効果的です。以下のような方法を取り入れると、習慣化への意欲がさらに高まります。

1. ご褒美ルールを作る

毎回の習慣の後に「特別なご褒美」を用意することで、行動が楽しみになり、習慣が定着しやすくなります。ご褒美は習慣の際だけに限定するのがポイントです。たとえば、毎朝のジョギング後にお気に入りのフルーツを食べたり、読書後に好きなコーヒーを飲むといったように、行動とご褒美をセットにすることで習慣への期待が高まります。特別感のあるご褒美を用意することで、次の実行へのモチベーションを引き出しやすくなります。

2. 進捗を記録する

自分がどれだけ継続できているかを視覚的に確認できるようにすることも、やる気を維持するための重要な要素です。カレンダーにチェックをつけたり、スマホのアプリを使ったり、簡単なノートに記録を残すだけでも効果があります。たとえば、「1週間続けたら赤いシールを貼る」「1ヶ月続けたら大きな○印をつける」といったように記録することで、進捗が目に見える形になります。自分の継続状況が視覚的に確認できると「ここまで続けられた」という達成感が得られ、次の目標へのモチベーションも高まります。

3. 小さな成功を祝う

たとえ小さな進歩でも「自分を褒める」ことが重要です。大きな目標を達成するのには時間がかかりますが、小さな一歩ずつを認めていくことで、達成感を感じやすくなります。たとえば、3日続けたら自分に「よくやった!」と声をかけたり、10日目にはプチご褒美として少しリラックスする時間を設けるなど、小さな成功をしっかり祝うことが習慣化への意欲を支えてくれます。成功を自分で認めることが、さらに続けようという意欲に繋がります。

このように、3つのステップを経ることで、習慣形成に必要なスイッチを見つけ出し、継続力を高めることができるでしょう。

終わりに

今回紹介した本『自分を変える習慣力』にはまだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですので、ぜひ読んでみてください。

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