不公平な力「努力より大切な5つの要素」

啓発

「努力より大切な5つの要素」とは?

努力をすることよりも圧倒的に大切なことがあります。それはいかに不公平な力で相手を任すか、相手より優位に立つか、これが最も重要です。人生で一度はこう言われたことがあると思います。「努力しろよ、努力できないやつは成功できないぞ。最後は頑張ったやつが勝つ」と。私も散々言われて育ってきました。しかし、これだけでは不十分です。努力で勝てるというのは完全に平等であるというルールのもとでなければ成り立ちません。しかし残念ながらこの世界は平等ではありません。世は不平等で、成功している人間が努力ではなく最初から有利な場所にいたから成功している、そういう世界に私たちは存在しています。

分かりやすい例を出します。2020年からコロナという世界的パンデミックで世界はかなりの打撃を受けました。失業、ロックダウン、ステイホーム、多くの人が貧困に陥った中、上位1%の富裕層の資産は2021年だけで40兆円増えたと発表されました。さらに、今世界にいるビリオネアたちの膨大な資産の3分の1は、彼らが労働をして生み出したものではなく相続によって受け継がれたものであるという報告もされています。この世の中がどれだけ不平等か、はっきりと分かりますよね。

成功する人は不公平なほど有利な状況の中で戦い、競争相手に簡単に勝っていきます。実力ではなく、生まれや肩書き、運によって成功が左右される、これが真実です。しかし、今の日本の教育や世間は全く検討違いのことを私たちに植えつけてきました。平等ではないということをみんな薄々気づいているのに、それを隠して「努力だけでどうにかなる」と言っています。たとえ自分だけがなんとなく違うと思っていても、周り全員がそう言っている世界なら流されてしまうのも仕方ありません。この不平等な世界で努力だけでのし上がるというのはあまりにも綺麗事です。

では、親が金持ちでなかったら無理なのか?実はそんなことはありません。もし成功者が持っているこの不公平な力を私たちも利用する方法があるとしたらどうでしょう。私たちにも隠された優位性があり、成功者と同じように不公平なほど有利に戦うことができるとしたら。今回はそんな非常識と思える勝ち方について書かれた本『The Unfair Advantage』について解説します。

この本は日本語訳されておらず、ほとんどの日本人がこの本の存在すら認識していないでしょう。しかし、海外では登録者550万人超えの元医師・企業家のインフルエンサー、アリアブダールが既に解説しており、その動画の再生回数も280万回超えと非常に多くの反響を呼んでいます。

The Unfair Advantage: How You Already Have What It Takes to Succeed UNFAIR ADVANTAGE [ Ash Ali ]

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The Unfair Advantageについて

この本『The Unfair Advantage』は、まず人生は平等ではないというところから始まり、成功者は努力だけで達成している人は極めて少なく、ほとんどの成功者が努力とプラスで運が良かった、時代の流れに乗れた、元々持っていた特権を使ったなど不公平なアドバンテージを使ったことによって成功したということを証明しています。この本の良いところは、成功者は運がいいとか、親が富裕層なら成功しやすいという普通の結論だけでは終わらないところです。成功者が不公平に優遇されるように、私たちもこのずるい力をどうすれば使うことができるかというところまで教えてくれる、それがこの本の素晴らしいところです。

「成功=努力×不公平な力

まずはこの本が導き出した成功の法則を解説していきます。それは「成功=努力×不公平な力」成功は努力と不公平な力の掛け算によって成り立っています。まず、努力とはその言葉の通り目標に向けて私たちが頑張ることです。例えば、ビジネスで成功したい人が毎日朝5時に起きてPCに向かい作業を始め、週末も遊ばずに仕事に打ち込む、これが努力の部分です。私たちが成功するためには、この努力の部分を最大化すれば成功できると、みんなこれを信じています。YouTubeを開いてもほとんどのインフルエンサーたちが言っているのはこの努力の部分です。朝早く起きて行動しろとか、1日14時間働けとか、努力しないと結果は出ないとか、そういうことしか言わないインフルエンサーが多いです。確かに、圧倒的に突き抜けるためにそういう時期があってもいいし、必要だとも思います。現に私がまだまだ何者でもない時、短期間で結果を出した時は狂ったように作業していました。ただ、この本が言っているのは、努力だけでは不十分、それより右側の不公平な力の方がよっぽど強力で大切だということです。

同じ起業家でも、ゼロから出発する人もいれば、親が超金持ちでいきなり5000万円の投資を受けた状態で会社をスタートできる人もいます。あまりにも不公平だと思うかもしれませんが、このような不平等さは生きていく以上必ず起きることです。ただ、この不公平な力は裕福な人間だけが持っているわけではありません。お金という圧倒的な物量で押す戦術は私たちには真似できませんが、逆にそういう人たちが真似できない私たちにしかない不公平な要素も存在します。実際に、この本を書いた『The Unfair Advantage』の著者も、人生というのは平等なゲームではない、ただ、誰もが異なる強みや弱みを持っている状況、ネットワーク、場所、タイミングが違えば不公平なアドバンテージは私たちにも作り出すことができると言っています。

では、その自分にしかない不公平なアドバンテージはどうやって見つけるのか?まずは成功の大前提を知れました。次のステップ、ここからが本題です。著者は不公平なアドバンテージは5つのタイプに分かれると言います。それはお金タイプ、頭脳タイプ、ポジションタイプ、専門タイプ、権力タイプ。自分がどのタイプでどのアドバンテージを持っているかを知ることができれば、私たちは不公平なほど物事を有利に進めることができます。特にビジネスの場において、自分がどのアドバンテージを持っていて、どう戦っていくべきかを知ることは成功と失敗に直結する問題なので、これから副業や起業、経済的に成功したい人は特に注目していってください。もちろん、この5つのタイプはビジネス以外の人生のあらゆる勝負で使えるテクニックです。ビジネスに関係がない人でも十分に役立つものです。まずは1つ目から見ていきましょう。

お金タイプ

1つ目はお金タイプです。これは一番分かりやすい不公平なアドバンテージです。アメリカでInstagramを抜き、10代で最も人気がある

SNS、Snapchatの共同創業者エヴァン・シュピーゲルは、24歳という史上最年少の若さで資産が1000億円を超えるビリオネアとなりました。彼の生い立ちはこうです。

ロサンゼルスで数億円を持つ家に生まれ、高額な私立学校に通い、両親は名だたる弁護士だったため、有名なテク企業の社長と人脈を作れるという最高の環境のもとにSnapchatを開発しました。

これが彼が成功を収めた背景にあるものです。もちろんSnapchatのアイデアは素晴らしいもので、彼の努力によって生み出されたものは確かです。しかし、その背景にある富や人脈がどれだけ不公平なアドバンテージを生み出しているかが分かります。

頭脳タイプ

次に2つ目、頭脳タイプ。頭がいいことを武器にして莫大な資産を築くタイプです。オンライン決済サービスを展開する会社ストライプを共同設立したコリソン兄弟は、その頭脳をフル活用し、20代前半で大きな資産を築きました。

弟のパトリック・コリソンは16歳の時に独自のプログラミング言語を開発し、飛び級で周りより1年早く名門マサチューセッツ工科大学に入学。兄のジョン・コリソンもアイルランドの高校一斉で行われる卒業試験で歴代史上最高得点を獲得し、試験前にハーバード大学に合格するほどの頭脳の持ち主です。当然、2人は多くの時間を勉学に励んだと思います。

しかし、コリソン兄弟に与えられた知性は不公平なアドバンテージと言ってもいいでしょう。

ポジションタイプ

3つ目はポジションタイプ。マクドナルドを全世界に広げた人物、レイ・クロックが言ったことに「大きな成功を収めるために最も重要なことは第1に正しい場所に正しいタイミングでいること、第2にその場所で行動を起こすこと」があります。つまり、場所とタイミングが合えば、その場所にいるだけでそれは不公平なアドバンテージになることがあります。

例えば、2000年当時「ドットコムバブル」と言われたインターネットバブルの時代がありました。IT関連の会社の株価が急上昇し、大手企業もIT企業の株は上がり続けると思っていたので、IT系の会社をどんどん買収していきます。その当時はシリコンバレーで会社名に「ドットコム」とさえ入れれば、大手企業に売却することができると言われていました。

実際、この時期はそうやって会社を売却し、若くして何億何十億を手にした若者が続出しました。つまり、頭脳やお金がなくてもそこにいるだけで有利という場が度々あるというわけです。

最近で言えばYouTuberやTikTokがそうですよね。昨日まで一般人だった人が一夜にして有名インフルエンサーになったり、人生を変えてしまうことがSNSの世界ではよくあります。それはその人のポジションをそのプラットフォームに置いたからです。大物インフルエンサーと呼ばれる人たちも、もしSNSというプラットフォームではなく、現実世界のオフラインで同じことをやっていたら、今頃ただの変人扱いをされていたかもしれません。ポジションを適切な場所に置けば、そこにいるだけで不公平なアドバンテージになることがあります。

専門タイプ

4つ目は専門タイプです。専門知識を持っていることは不公平なアドバンテージになります。他の人では手に入らない知識を学べる環境というのは、それだけで他人より一歩早く進むことができます。「あの人なら信用できる」「あの人が言うなら」というように人に価値が発生するのは、多くの人が持っていないその人だけが知っている経験や知識があるからです。

公平なアドバンテージになるのは知識だけではありません。その人の経験も不公平なアドバンテージになることがあります。例えば、SNSで発信したいけれど、自分は内向的で人の目を気にしてしまう、こういう理由でやめようと思う人がいるかもしれませんが、逆に考えれば内向的で人の目を気にしている人目線の発信ができるということです。

「内向的な人はこう考えている」「人の目を気にしてしまう人あるある」こういうのは外交的な人には真似できないものです。あなたが経験したことは全て他の人には真似できない不公平なアドバンテージです。

権力タイプ

そして最後5つ目のタイプは権力タイプです。これは言われなくても皆さん分かると思います。権力は非常に分かりやすい不公平なアドバンテージです。

権力がある人間は意見が通りやすいし、権力がある人間は何をやってもうまくいきます。イーロン・マスクが新しい企業を始めたとして、それがどれだけ奇妙な会社名だとしても成功することは保証されています。権力タイプになるのは難しいですが、もし手に入れることができればこれほど強力なアドバンテージはありません。

以上の5つが不公平なアドバンテージを作り出す5つのタイプです。成功するためには努力だけでなく、自分がこの5つのタイプのどれに当てはまっているかを知り、それを利用して駆け抜けていくことが重要です。不公平なアドバンテージを使って戦うことで、あなたは楽に相手より上に行くことができます。

全員が他人には真似できない不公平なアドバンテージを持っている

皆さんも自分がどのアドバンテージを持っているのか、これをよく考えてみてください。とはいえ、自分にはそういった不公平なものはないよ、こう思う人もいると思います。そういった方に向けて、この本の著者は安心してほしいと言っています。「全員が他人には真似できない不公平なアドバンテージを持っている」と。彼によると、

欠点に見えるようなことでも視点を変えれば、それは大きなアドバンテージになる場合があるとそう言っています。

例えば、ビジネスを始める時、お金が少ないという問題。普通に見るとお金が少ないことはデメリットに見えるかもしれません。しかし、お金が少ないと創造性が高まるというのは数々の事例で証明されています。彼自身も多くの起業家たちのスタートに立ち会ってきたそうですが、お金を持っている創業者は総じて広告に頼ってばかりで、そこには創造性がないそうです。また、お金や地位が元々ない人は、成り上がりのハングリー精神から大きく成功する可能性もあると彼は言います。彼は大学時代、世界の上位スーパーエリートレベルの本当に裕福な家の子供たちを知っているそうですが、彼らは無気力でゲームばかりやって就職活動は全くしていなかったと言います。

確かに、20代で大きな成功を果たした創業者や、成功者の過去を掘り下げていくと、最初から裕福な家の出で超イージーに成功した人というのは逆に少ない感じがします。みんな最初はお金がなく、制限された状態からアイディアで逆転していった、そんな人ばかりです。つまり、自分が他人より劣っている、足りないと思っていることも、発想を変えればそれは他人に真似できない武器にもなるということです。

最後に

最後に、この著者は私たちに重要なことを教えてくれました。それは「私たちは他人と比較していつも持っていないものばかりに固執してしまう」ということです。「あの人はお金を持っているから自分には難しい」とか「あの人は才能があったからできた、だから自分にはできない」とか、そういうことばかり考えてしまい、自分だけが持っている不公平なアドバンテージを見落としてしまう。確かにこの世界は不平等です。最初から恵まれていて超イージーモードでスタートする人もいます。しかし、私たちも探せばそういうものはすでに持っています。ないものに思考を巡らせるのではなく、あるものに意識を向けるんです。「親ガチャ」「上司ガチャ」「会社ガチャ」こういう言葉が最近出てきましたが、私はこの言葉が嫌いです。ないものに意識が向いているからです。すでに持っているものに感謝ができていない。ガチャというなら、私たちは日本という国に生まれている時点で非常に恵まれています。国ガチャ、大当たりです。これに気づけた人から大きく成功すると私は確信しています。

今回は不公平なアドバンテージという話をしました。世の中は平等ではありません。しかし、私たち一人一人にも他人には持ち得ない不公平なアドバンテージを持っています。それに気づき、利用できた人から上に抜けていく、そんな話です。皆さんはどんなアドバンテージを持っていますか?そのエピソードは必ずあなたを導いてくれるでしょう。

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