釈迦の教え:迷いの中の悔い改め〜王の誤った選択と仏の教え〜【男女平等、女性の権利、だらしない男の改心】

哲学

迷いの中の悔い改め〜王の誤った選択と仏の教え〜【男女平等、女性の権利、だらしない男の改心】

王の誤った選択と仏の教えを通じて、男性の欲望やそれに起因する行動の誤りが描かれています。近年、女性の権利は進展を遂げてきましたが、かつての時代には、このような問題が女性の責任として一方的に捉えられていたこともありました。そのような背景の中、お釈迦様はどのように女性を支援し、男性に責任を持たせたのでしょうか?

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誘惑の源と真の教訓

コウジン国に昔、お釈迦様が滞在していた時、その国の国王のにウデンという者がいました。そのころ、国内に「マカダイショウ」という名の大富豪が住んでおり、彼には非常に美しい一人娘がいました。この娘は、花のように美しさを持ち、好きのような繊細な眉をしていました。大将は彼女の美しさが国内で比べ物にならないと自負しており、娘の名前を「ムヒ」と名付け、非常に可愛がって育て上げました。

ムヒは時が過ぎ、19歳になると、その美しさはさらに際立ち、国内で彼女ほどの美人は他にいないとの評判が立つようになりました。彼女の美しさを目の当たりにしたいと、遠方からの訪問者も多く、国王や他の富豪をはじめ、数多くの求婚者が彼女に結婚を申し込んできました。しかしながら、大将は一つの条件を提示していました。その条件は、求婚者が彼の娘、ムヒと同じほどの美貌を持つ者である場合のみ、娘を嫁にやるというものでした。この厳しい条件のため、実際の求婚者はかなり減少していました。

この騒動を知らないお釈迦様が、ある日、マカダイショウの村を訪れました。大将はお釈迦様を出迎えると、彼の完璧な容貌や80種の特徴、そして金色に輝く体を目の当たりにしました。マカダイショウは、心の中で、自分の娘の理想の夫としてお釈迦様がぴったりだと感じ、妻にこのことを伝えるために家へと急ぎました。家に帰ると、マカダイショウは「妻よ、喜ぶべきことがある。今日、ムヒのために素晴らしい夫を見つけた。」と伝えました。妻は夫の突然の言葉に驚きましたが、愛する娘の結婚相手が見つかったことを知り、喜びに満ち溢れました。彼女はすぐに娘を呼び出し、娘に化粧や装飾を施させました。

富豪の夫妻とその美しい娘ムヒは家を出て、街を歩いていました。特にムヒの美しさは圧倒的で、花のように綺麗で目を引く存在となっていました。彼女たちが歩く道は、まるで宝石で飾られたかのように輝いており、街の人々は彼女の美しさを目の当たりにするために道端に立ち並んでいました。その群衆の中から、ムヒの美しさについての声が絶えず聞こえてきました。

親子三人が歩いている中、多くの賞賛の言葉を浴びる中、親の喜びは計り知れなかった。この高揚した気持ちの中で、彼らはお釈迦様のおられる場所へと進んでいました。ところが、途中で富豪の妻はお釈迦様の足跡を発見しました。この特別な足跡は32相の特徴の1つであることを彼女は理解していました。彼女はこの足跡が普通の人のものではないことを感じ取り、夫に伝えました。彼女は、この足跡はこの世を超えた存在、つまりお釈迦様のものであると確信していました。

しかし、夫はそのことを理解できず、お釈迦様の前で娘を嫁に求めるのは無駄だという妻の忠告を無視して進みたいと考えていました。妻は、ある教えに基づき、足跡の形や歩き方が人の性格や考えを示すものであり、お釈迦様は彼らのような世俗的な要求には興味を持たないであろうことを夫に伝えました。

しかし、夫はそれを聞き入れず、怒りを感じ、妻に家に帰るよう命じました。妻は富豪の言葉を聞き入れて家に帰ったのですが、富豪は娘ムヒを連れて、どんな返答が返ってくるのか、お釈迦様のもとへと向かいました。

富豪はお釈迦様の前に立ち、娘をお釈迦様の元で働かせて欲しいと頼みました。彼はお釈迦様が多くの人々を導くことに感謝の気持ちを抱いており、娘をお供として提供することは彼の最大の喜びとなると述べました。

お釈迦様は、富豪が自分の娘を絶世の美人と思っているかどうかを問いかけました。富豪は娘が非常に美しいと信じており、その疑問に驚きました。彼の娘は、多くの王や豪族から絶えず求婚があり、その全てを断ってきたほどの美しさを持っていたのです。富豪は、そのような美しさを持つ娘をお釈迦様に差し出したいと考え、お釈迦様の元に来たのでした。

しかし、お釈迦様は、その娘の具体的にどの部分が美しいのかを尋ねました。富豪は娘の全身が美しいと答えましたが、お釈迦様は彼の目に情が映っているとして、彼女の髪や身体の各部位が普通のものと変わらないと説明しました。例として、髪は馬の毛と同じ、頭蓋骨は豚の頭と同じ、そして体の内部には消化されていない食物や体液があると言いました。

お釈迦様は、彼女の体がどの部分が真に美しいのかを尋ねました。そして、かつて修行中のお釈迦様に、魔王が非常に美しい3人の女性を送り込んで修行を妨害しようとしたエピソードを紹介しました。その時、お釈迦様は、人間の体は内部は汚れや悪で満ちており、外見の美しさはその汚れを隠す布のようなものだと説教し、その言葉により、3人の女性は老女の姿に変わって去っていったと語りました。

お釈迦様は、一般に美しいとされるものに対しての執着や愛情は間違いであると説明しました。彼自身はそうしたものに対して執着を持っていないと言い、富豪に娘を連れて帰るよう勧めました。この説法に富豪は驚き、どのように反応すべきか迷いました。結果として、富豪は娘を国王のもとに送ることを決意しました。

国王は、その地域で最も美しいとされるこの娘を迎えることができ、非常に喜びました。彼は富豪に感謝し、彼を高い地位に任命し、新しい宮殿を建て、音楽家を雇い、豪勢な宴を開きました。

しかし、王の正妃はお釈迦様の教えを深く理解しており、悟りを持っていました。彼女は、王が新しく迎えた娘を深く愛していることを知りながらも、嫉妬や恨みの感情は持たなかった。一方、新しく迎えられた娘は、自分の美貌と王の愛を背景に、秘密に王妃のことを中傷しました。彼女の誤った情報によって、王は王妃を矢で射殺することを決意しました。

しかし、驚くことに、放たれた矢は王妃の体に向かって飛んできたものの、彼女の近くで方向を変え、王の方向に戻ってきました。この不思議な出来事に王は驚き、真相を知るためにお釈迦様のもとへと急いで向かいました。お釈迦様の前で、王は深く頭を下げ、自分が大きな過ちを犯し、誤った情報に騙されて王妃を殺そうとしたことを告白しました。

王は、自身の行動がお釈迦様の教えを冒涜してしまったことを痛切に感じ、その罪を心から悔いていました。彼はお釈迦様に自らの罪を許してもらいたいと強く願いました。王の真摯な態度を見て、お釈迦様は彼の願いを受け入れ、その罪を救済することを約束しました。王はお釈迦様に深く感謝し、礼を言いました。

王は自身の性格には短気やわがままがあると認識しており、その上で無という女性の愛の誘惑によってさらなる罪を増やしてしまったと反省していました。彼はその罪の重さに地獄への恐れを感じ、お釈迦様に女性の誘惑や地獄の真実についての教えを求めました。彼はその教えを自分だけでなく、自分の国の人々にも伝えたいと考えていました。

お釈迦様は、男性が女性に対して抱く4つの間違った態度や欲望について説明しました:

  1. 色欲によって正しい方向や真実を見失うこと。
  2. 恋愛に熱中して親の愛や努力を忘れ、親と対立すること。
  3. 妻を持つことで色欲に心が囚われ、正しい行いから逸脱すること。
  4. 母の愛を受けて育ちながら、その恩を忘れて親を養わずに色欲の追求にのみ心を向けること。

これらの悪態が原因で地獄や他の苦しい道に落ちる可能性があるとお釈迦様は説明しました。王はこの教えを受け、自らの弱点を真摯に認識し、以前は女性の欠点のせいと考えていたことを反省しました。彼は、実際には男性自身が誤った道に陥り、罪を犯すことも理解したのでした。

以前は自分の行為の原因や結果を深く認識していませんでしたが、今日お釈迦様の説法を聞くことで、自分の罪の真相を初めて理解しました。今後はお釈迦様の正しい教えを実践し、心を浄化して仏法の道に専念します。再び同じ過ちを犯さないよう心から誓います。この気づきには非常に感謝しており、迷いが晴れて心が軽くなりました。深く自らの罪を反省し、お釈迦様に感謝の気持ちを表して、新たな心持ちで去っていきました。

一般的に、女性は誘惑の原因と見られることが多いですが、それは一面的な考え方です。実際には、男性の心にも誘惑に弱い部分があり、多くの男性が浮気をする際、真摯な気持ちを持たず、間違った行動をとることがある。このことから、男性自身も自己反省が必要であり、それは大変重要な教訓として受け止めるべきです。

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