『ずるい考え方 カタい頭がやわらかくなる発想トレーニング』 という本の紹介をしていきたいと思います。
ブログの開始として、「ずるい」という言葉、どんな印象を抱きますか?多くの人々はすぐにルール違反や不正行為を連想するでしょう。しかし、今日私が紹介したい木村尚義さんの著書「ずるい考え方―固い頭が柔らかくなる発想トレーニング」では、全く新たな解釈が提案されています。
この本では「ずるい」は一見悪い印象を持つ言葉ではありますが、意外な発想をすることで新たな価値を生み出すことを指しています。例えば、飲み会の際に集金を進んで引き受け、支払いを自分のクレジットカードで行うことでポイントを獲得したり、スーパーで大きめのエコバッグを渡し、バーコードの読み取りが終わった商品を直接バッグに入れてもらうことで、荷物を再度エコバッグに移す手間を省くといった工夫をします。
これらの行為は他人から見ればズルいかもしれませんが、実際には「ラテラルシンキング」、つまり常識にとらわれず、自由な発想で考えることにより、時間やお金を使わずに目的を達成することができます。その差は、人生を劇的に変える可能性があります。
木村尚義さんのこの本を読むと、私たち全員が少し「ずるい」ことができるようになるでしょう。なぜなら、それは新しい視点やアイデアを見つけ出す力を身につけることを意味します。この探求の旅路を共に進みませんか? 最後までお読みいただき、ぜひこの新しい「ずるい」を身につけてみてください。
・常識にとらわれず、自由な発想を可能にする考え方
・最短ルートで問題を解決する考え
・お金や時間をかけずに目的を簡単に達成する考え方
をもっと知りたいなら、実際に手に取って読んでみてね!
ラテラルシンキングについて
“ラテラルシンキング”という語は、1967年にイギリスのエドワード・デ・ボノ博士が提唱した独特な思考法を指します。この思考法は、前提条件や固定概念に縛られず、自由で創造的な発想を重視するものです。しかし、これだけでは少し抽象的で理解しづらいかもしれません。そこで、対比的に「ロジカルシンキング」つまり論理的な思考法と比較することで、より理解しやすく説明します。
ロジカルシンキングは、「AからB、BからC」といった順序立てて進む論理的な思考法です。つまり、一つひとつの要素を整理し、連鎖的に結論を導き出す方法です。一方、ラテラルシンキングでは、「順番や過程」は重視されません。筋道を立てるのではなく、出発点から飛躍的にジャンプし、あっという間に結論に到達することも可能です。
イメージとしては、ロジカルシンキングは垂直的な思考で、一つひとつ順番に論理を積み上げていく考え方です。それに対して、ラテラルシンキングは視点を広げ、一見関連性のない要素からも新たな視点や解答を導き出す方法です。
問題解決の際に、ロジカルシンキングではその過程が重要視されます。一方、ラテラルシンキングではその結果が重要です。このラテラルシンキングには大きく3つの特徴があります。
あらゆる前提から自由になる
ラテラルシンキングの一つ目の特徴は、「あらゆる前提から自由になる」ことです。たとえば、高校時代にアーチェリーを経験した著者の例を考えてみましょう。アーチェリーでは、的に矢を当てるためには、試行錯誤を繰り返しながら的中率を上げていく必要があります。これはロジカルシンキング、つまり論理的な思考法の一環と言えます。
しかしラテラルシンキングを用いると、的に矢を当てるという目標そのものを新たな視点から考えます。たとえば、的中率を上げる方法として、的を大きくする、あるいは、より長いボウガンを使うという新たなアイデアが生まれます。ここで、目的は矢を的中させることなので、その方法には多様な発想が許されるのです。
このような発想は、一部からは「ルール違反ではないか?」と疑問を持たれるかもしれません。アーチェリーのルールに従えば、そのような方法は認められません。しかし、ラテラルシンキングの鍵は、「当たり前」とされている前提を疑い、新たな視点から問題を見つめることです。
この思考法は、一部の問題に対しては大きな変化をもたらす可能性があります。例えば、スティーブ・ジョブズがボタンのないiPhoneを提案したとき、それは一つのラテラルシンキングの例でした。多くの人々は最初、「ボタンのない携帯電話なんて無理だろう」と否定的な反応を示したかもしれません。しかし、その前提を覆すことで、今日のスマートフォンの世界が生まれました。
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問題が最短ルートで解決される
ラテラルシンキングの二つ目の特徴は、「問題が最短ルートで解決される」ことです。ラテラルシンキングでは、問題解決に向けた手段は何でも採用できます。
具体的な例を考えてみましょう。ある時、東京にいるあなたに大阪でトラブルが発生しました。その場合、すぐに現地に向かわなければならないでしょう。電車の時刻表を見て最速の乗り換えを探すのが、ロジカルシンキングなら、一方でヘリコプターで直接現地まで行くという発想がラテラルシンキングです。
しかし、多くの人が「そんなことをしたら、お金がかかりすぎてしまうのでは?」と否定的な考えに陥るかもしれません。しかし、ラテラルシンキングでは、そのような常識や前提に縛られることなく、自由に発想を広げることが求められます。その結果、誰も思いつかなかった解決法、つまり「奥の手」が見つかることもあるのです。そしてその発想は、問題を解決するための最短ルートを見つける手助けとなります。
お金、時間、手間が節約できる
ラテラルシンキングの特徴の三つ目は、「お金、時間、手間が節約できる」ことです。具体的な事例として1970年の大阪万博でのエピソードを紹介します。
当時、主催者側は一つの大きな問題に直面していました。開場時間になると、人々がゲートを押し寄せ、開場と同時に人気のパビリオンへと一斉に走り始めます。しかし、入口付近のスペースが非常に狭く、急いでいる人々がぶつかるなど、非常に危険な状況が生じていました。
ここでロジカルシンキングを適用すると、ゲートを大きくする、警備員を増員する、入場者の制限を行うなどの解決策が考えられるでしょう。しかし、こうした対策は大きな時間や費用がかかります。
一方、ラテラルシンキングの視点から問題を見ると、全く異なる解決策が浮かび上がりました。つまり、訪問者が走らないようにすればいいというアプローチです。主催者側は、待機している訪問者に小さな会場案内図を配布することにしました。これにより、文字を読むためには走りながらではなく、立ち止まる必要があり、結果として急いで走る人が大幅に減少しました。
もしゲートを拡大する等の対策を採用していたら、それには大きな工事の手間と時間、そしてお金が必要でした。しかし、案内図を配布するだけで、この問題は効率的に解決できたのです。これは、ラテラルシンキングが時間とお金を節約する大きな効果を持つ良い例です。
なぜラテラルシンキングが必要なのか
私たちは伝統的な学校教育を通じて、常にロジカルシンキング(論理的思考)によって問題を解決する方法を学んできます。テストでは一つの正解が求められ、仕事でもマニュアルやルールに従うことが必要です。つまり、私たちの日常生活は大部分がロジカルシンキングによって支えられています。このような教育と経験の結果、多くの人は「答えは一つだけ」という思考パターンが定着してしまいます。
一方で、ラテラルシンキング(横断的思考)のスキルが不足していると、発想が貧弱になり、アイディアの数も減少してしまいます。そして、「正しい答えは一つだけ、それ以外は全て不正解」という考え方が強まり、狭い、固定化した思考に陥ってしまいます。固定概念や先入観、常識に縛られることは、新しい事物への取り組みに際して大きな障害となります。
たとえば、新規事業を検討するとき、現在の業務プロセスを再評価するとき、新しいマーケティング戦略を立案するときなど、常識にとらわれず、多角的に選択肢を検討できるのがラテラルシンキングの強みです。高い付加価値を生む仕事において、ラテラルシンキングは非常に重要なスキルとなります。市場価値の高い人材は、このラテラルシンキングを得意としています。
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ラテラルシンキングに必要な3つの力
ラテラルシンキングを身につけるためには、次の3つの能力が重要となります。
- 疑う力
- 抽象化する力
- セレンディピティ(偶然の発見)
疑う力
まず、疑う力とは、固定概念を打破する能力のことを指します。固定概念とは、「あることが絶対にそうであるべきだ」とか「あることが必ずそうなるはずだ」といった、頭ごなしに受け入れてしまう考え方のことです。常識、先入観、思い込みなどがそれに当たります。では、どうすれば固定概念にとらわれずに自由な発想が可能になるでしょうか。
この疑う力を鍛えるためのキーワードは、「なぜ」「本当に」「今はね」の3つです。「なぜ必要なのか」「なぜ不可能なのか」「なぜ同じでなければならないのか」など、自分自身に問いかける習慣を身につけることが重要です。また、「本当に」というキーワードは、目の前の情報が本当に真実なのかを常に疑う習慣を意味します。
そして、「今はね」というフレーズについてですが、これは全ての物事が時間とともに変化していくという事実を受け入れる意識です。現在、正しいと信じられていることでも、10年後には誤りになっている可能性があります。逆に、10年前には不可能だと思われていたことが、現在では容易に可能になっていることもあります。だから、「できない」と思い込むのではなく、「今はね」という発想を持つことが重要なのです。これは、ラテラルシンキングを行う上での重要な要素となります。
抽象化する力
「抽象化」とは何でしょうか。これを簡単に説明すると、物事の本質や機能に焦点を当て、具体的な形状や特性から離れて考えることを指します。
例として、鉛筆を考えてみましょう。鉛筆の本質は、文字や絵を描くことにあります。この「書く」という行為を抽象化すると、鉛筆の代わりとなる様々なツールが見つかります。例えばボールペン、サインペン、シャープペンなどが、書くという行為を実現するツールとして鉛筆を代表できます。既存のものを別のもので代替できないかと考えることは、アイデアを広げる上で非常に効果的です。
抽象化には3つのステップがあります。それは、「対象の特定」、「抽象化」、そして「具体化」です。ヘンリー・フォードという実業家の事例を通じて説明しましょう。
19世紀末、ヘンリー・フォードは新しいビジネスを始めようと考えていました。周りの人々にアドバイスを求めたところ、「より速く移動できる手段を提供するべきだ」との意見が多く寄せられました。当時の主要な移動手段は馬車でした。しかし、フォードは独自の視点でこの問題に取り組みました。
まず、「対象の特定」として、彼は「馬車」を選びました。そして、「抽象化」の過程で、「早く移動するもの」に焦点を当てました。最後の「具体化」のステップにおいて、彼は「自動車」を考え出しました。当時、自動車はまだ富裕層だけが所有するものでしたが、フォードは大量生産によって自動車を手頃な価格で提供することを目指しました。
彼は流れ作業を導入し、1台ずつ手作業で組み立てられていた自動車を効率的に生産することができるようになりました。こうしてヘンリー・フォードは自動車産業に革命を起こしました。
このように、まず対象の特定 そして抽象化最後に具体化これは必ず覚えておきましょう
セレンディピティ
ラテラルシンキングを行うための3つ目の力とは「セレンディピティ」です。「セレンディピティ」とは、何かを探している時に、その探し物とは別の価値あるものを偶然に見つける力を指します。別の言葉で表現すると、偶然を単なる偶然として見過ごさない力、または、偶然を他の何かと関連づける力です。
具体的な例を挙げると、アルフレッド・ウェーゲナーはこのセレンディピティによって大陸移動説を発見しました。大陸移動説とは、地球上の大陸が元々は一つの塊で、時間とともに分裂や移動を繰り返して現在の形状になったという説です。1912年にウェーゲナーがこの説を唱えた当時は、大陸が移動するという考えは全く受け入れられませんでした。しかし、彼が地図を見てアフリカの西側と南米の東側がぴったりと合うことに気づいたとき、この説は生まれました。
ウェーゲナーの偉大さは、偶然に見つけた事実をただ無視するのではなく、それを大陸の移動の可能性にまで関連づけたことにあります。他にも同じことに気づいていた人がいたかもしれませんが、ウェーゲナーがその2つの地形が合うことを大陸移動の可能性に結びつけたのが彼の才能であり、セレンディピティの一部なのです。
このセレンディピティを磨くためには、自身の感性を研ぎ澄ませることが必要です。それには、驚きの感情を大切にすることが大切です。何でも知っている、何でも見たことがあると思ってしまうと、感性は鈍ってしまい、それが新たな発想を阻害します。なので、何でも当たり前だと思わず、当たり前のことにこそ驚く習慣を持つことが大切です。
それがどんな些細なことでも、無理にでも驚くことを心掛けましょう。それは脳を騙して、何でも自然と感動できるようにするためです。そして、この偶然とは何か特別なことが起こった間だけでなく、日常生活の一部一部から探し出すことができます。同じ経験をしても何も感じない人と、それを何か新しい発見につなげる人、あなたはどちらになりたいでしょうか。
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まとめ
本日のブログでは、思考の多角化と創造力を強化するラテラルシンキングについて解説しました。従来の枠組みや前提から離れて自由にアイデアを生み出すこの思考法は、新しい解決策やイノベーションを生むために非常に有効です。
今回紹介した本には他にもたくさんの方法が書かれています!
この機会に一度手に取って読んでみてくださいね!
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