雑学:なぜ戦争は儲かるのか?

歴史

なぜ戦争は儲かるのか?

今も昔も国単位で莫大なお金が動くのが戦争です。ですから戦争は経済活動の一部として考えることができます。そこで一儲けをする人も出てくるわけで、時にあえて戦争を起こそうとする人たちがいます。こんな言葉が囁かれたりもします。

さてその真偽のほどはどうでしょうか? いずれにしてもお金の問題なくして戦争は語れません。そこで今回のブログでは戦争とお金の関係を解説していきます。

最後までご覧いただければ、戦争が起こって得をするのは誰なのか、実際のところのビジネスとしての戦争の意味まで理解できるようになり、日頃のニュースを見る目も変わること間違いありません。

戦争がもたらす経済的影響:短期的な成長と長期的な停滞

戦争が儲かるという言葉は国単位と企業単位で考えられます。まず国単位で見れば、戦争によって国の経済が上向くということです。これはつまり国のGDPが上昇すると言い換えることができます。GDPの計算式は次のようになっています。政府の支出+民間の需要+貿易収支です。戦争が起こるとなぜGDPが上がるのかというと、政府がまず資金調達のために大量の国債を発行するからです。先ほどの計算式で言う政府の支出という部分がまず増えますから、足し算の結果であるGDPも上がるというわけです。

ただ実際のところはもう少しだけ複雑になっています。戦争が起これば政府の支出以外の要因も変化するからです。例えば戦争の心配によって国民の欲が減少すれば消費の部分が減りますから、その分GDPの増加にはブレーキがかかります。逆に戦争の刺激によって売れるものもあります。それでも戦争が起こった時の最初の反応として基本的にはGDPが上昇します。

戦争が起こるとまず政府が支出を増やしますから、それにより国民の消費や国内企業の投資が増加し、数字的には経済が上向きになるということです。しかしこれは短期的な話です。長期的に見ればそれほど楽観的ではありません。日本が直接参戦した日清戦争と日露戦争の後には長い経済停滞があり、それこそ第2次世界大戦の後には日本経済は壊滅的な状態にまで落ち込みました。その一方で直接参戦していない第一次世界大戦と朝鮮戦争では、GDPの動きも異なります。戦争の開始直後にGDPが伸びるという点では他の戦争と同じですが、この2つの戦争の場合は戦争が終わった後も日本経済は縮小せずに上昇を続けました。戦争によって国が儲かるかどうかという分かれ目はここにありそうです。もう少し考えてみましょう。

戦争の初期には政府の支出によって経済が調されます。しかしこれは臨時で経済が刺激されているという特別な状態です。ドーピングで一時的に調子が上がっているスポーツ選手のようなもので、ずっとそのまま続けていると経済そのものが壊れてしまいます。なので戦争が終わると元通りに経済が縮小することになるのです。戦争にはもちろん経済的なマイナス面がありますので、最初の勢いがなくなった後にはしっかりとその重荷がのしかかってきます。日本の場合、第2次世界大戦ではまさにドーピングを使いすぎて、その後経済が壊れかけたわけです。

第一次世界大戦と朝鮮戦争

では直接参戦していない第一次世界大戦と朝鮮戦争ではどうだったのでしょうか。直接参戦していませんから、経済も直接ダメージを受けていません。さらに戦争に直接参戦していない国は戦争をしている国から大量の武器が注文されます。第一次世界大戦では戦場となったヨーロッパ諸国から、朝鮮戦争ではアメリカから日本は大量の武器や物資の注文を受けるという状況でした。これで莫大なお金を設けたことで日本経済は一気に潤ったのです。

つまり戦争に関与しながらも自分は直接戦わずに済む時、その国は最も大きな益を上げることができるというわけなんです。さて、ここまでは戦争と国との関係をお話ししました。次に企業単位でも考えてみましょう。これは言い換えれば戦争ビジネスとしての観点です。戦争で儲かるという観点で言えば、その代表的なものは軍事産業でしょう。軍事産業と言ってもその範囲は広く、例えば普通のアパレル企業が時に軍服を作ったりもします。ですから戦争というのは広く経済全体に影響を与えます。

単純な話、戦争では軍服、武器や弾薬から包帯などの医療品、食料など大量の物資が必要になりますから、その分関連企業への発注が増加して儲かるんです。仮に直接的な戦争が始まらなくても、国際関係が緊張することで国家の軍事費が増やされることになれば、軍事企業は半自動的に儲かることにもなります。逆に言えば、軍事関係の企業にとって平和な時代というのは経営の苦しい時代を意味します。しかしここで注意点があります。自分の国が戦争をしなければ軍事企業は儲からず潰れてしまうのかというと、そうではありません。なぜなら武器を買ってくれるお得意先というのは何も自国の軍隊だけではないからです。世界的に見ると武器は主に先進国の企業によって作られ、紛争や戦争のある地域に売られるというルートを取ります。

戦争と経済繁栄:日本が享受した参戦の間接的利益

世界の武器輸出額のうち4割がアメリカ、2割はロシア、次にフランス、中国、ドイツと続きます。反対にそれを輸入しているのは主に紛争当事国です。つまり世界情勢が不安定化すれば武器の需要が高まり、その分武器輸出国は儲かるという仕組みになっているんです。もちろん大きな軍事企業ともなれば政治にも影響力を持ってきます。政治家としても軍事企業と手を結ぶメリットはあります。軍事企業の活動が活発になれば雇用の創出になりますし、戦争で利益を得るのは武器メーカーや下請け企業だけにとまりません。

先ほどもお話しした通り、一度戦争が起きると軍事産業とは直接は関わりのない分野まで幅広い需要が生まれることで売上全体が伸びるんです。どこかで紛争が起きることで利益を得る国があり、そこには政治家と関連企業が絡む。隠すまでもなく、そういう構造があるんです。そんな状況を打破しようと、2013年には武器貿易条約が採択されています。世界的に悪質な武器貿易をしようという動きが出てきたのです。日本を含む多くの国がこれに賛同しましたが、2大武器輸出大国であるアメリカとロシアは条約に入りませんでした。現在でも人道的に問題のある武器を含めた取引は公然と行われているわけです。

軍事企業について

ここで軍事企業についてもう一歩詳しく知っておきましょう。世界最大の軍事企業はアメリカのロッキード・マーティンです。最近ではウクライナへ供与されている高性能の武器などの多くがこのロッキード・マーティン製だったりします。

次に大きなアメリカ企業がボーイング社です。戦闘機だけでなくボーイング787などの旅客機も製造しているので名前に馴染みがあるのではないでしょうか。第2次世界大戦中に原爆を落としたのはB29という戦闘機ですが、これもボーイング社が開発したものです。最近だと沖縄に配備されたオスプレイもこの会社が製造しています。アメリカでも特に大きい軍事企業はこの2つですが、他にもたくさんあります。

また、国と関わりの強い軍事企業と言えども普通の企業と同じように互いに競争をしています。専門の技術力を持ち開発に励んで武器の売上を伸ばすということが彼らの目的になるわけです。では軍事企業がどのように儲かるのかを見てみましょう。まず、軍事企業の株価は戦争の直前に跳ね上がるという傾向があります。戦争が起こると軍事企業は必然的に儲かるわけですから、それを見越して戦争が起こりそうな時にみんな株を買うわけです。例えばアメリカでテロが起きた瞬間、軍事企業の株価は上昇しました。投資家たちはこのニュースを見てすぐさま戦争が起こるだろうと予想したわけです。いち早く予想して投資をした投資家はこれで一財産を築きました。

しかし、一度戦争が始まってしまうと軍事企業の株価は上がりにくくなります。さらに戦況が悪化してくると暴落することもあります。例えばアメリカのベトナム戦争ですが、戦争の開始まで軍事企業の株価は上昇しました。しかし戦争が始まるとその伸びは鈍化し、戦争が長引いて状況が悪くなってくると「死の時代」と呼ばれるほど株価全体が伸び悩む時代に突入したのです。

日本の軍事企業

話を日本に移しましょう。あなたは日本の軍事企業をご存知でしょうか? 最も大きいのは三菱グループなんです。中でも三菱重工と三菱電機は防衛省の重要なお得意先と言えます。三菱重工は飛行機の製造が得意で、第2次世界大戦中にあの零戦を作ったのも三菱重工です。三菱電機は指揮システムやレーダーなど電気関係の装備を作っています。三菱グループの次に大きいのが川崎重工で、潜水艦などを作っています。他にも防衛関連システムのNECやエンジンやジェットモーターなどのIHIが軍事企業に当たります。

さてここで一つポイントです。アメリカと日本の軍事産業には大きな違いがあります。アメリカの軍事企業には武器の製造に特化した大企業というイメージが当てはまります。しかし日本の軍事企業はそうではありません。三菱グループも川崎重工も武器に限らず幅広いビジネスを展開しており、売上のうちで軍事が占める割合は10から25%程度です。つまり日本の場合、軍事企業と言えどもそれは売上の一部であるため、戦争によって株価が爆上がりするということはあまりありません。確かに戦争が起こると経済が全体的には活性化するので、それによって株価が上がるということはあり得ます。それでも軍事企業だけが特別に伸びるという形にはならない傾向にあるということです。

一方でアメリカの軍事企業はというと、ほとんどが武器の製造と販売によって収益を上げています。すると当然、戦争の動向や国家の軍事費の問題が企業の経営状況と密接に関わってくるわけです。儲けを武器に依存していますから、戦争が起これば儲かってラッキーということにもなってしまいます。でもこれは政治家の視点でも同じことが言えます。例えば最も大きいロッキード・マーティン社では12万人以上もの人が働いています。もしずっと平和が続いて武器が売れず会社の経営状況が危うくなれば、多くの人が失業することになりかねません。もちろんそこから仕事を受けている数多くの中小企業への影響も甚大です。こういった国民の経済状態が政権の支持率には大きく影響してくるわけです。政治と軍事産業が繋がりやすくなってしまうのも頷けます。

軍事ビジネスのからくり

さてここまで、戦争が起こると誰がどうやって儲かるのかということを解説してきました。ここからは視点を180°変えてみましょう。そもそも戦争は本当に稼げて豊かになれるものなのでしょうか? 先ほどお話ししたように、戦争が始まると一時的に国の経済が活性化します。戦争の当事国にとって戦争は一大イベントだからです。それには想像を絶するほどの莫大なコストがかかります。武器費、研究開発費などの他に人件費も馬鹿になりません。というのも軍人というのは基本公務員扱いなので、10万人集めれば10万人分の給与を払わなければなりません。兵士たちの維持費も必要です。1万人の部隊を1日動かすだけでも莫大な費用がかかります。例えば食費だけを見ても1万人分を3食なので毎日3万食です。戦争にはこのような1万人の部隊がいくつも投入されて数ヶ月、あるいは数年間も戦うのです。さらには戦争負傷者への保証、医療やリハビリの提供、戦死者の家族にも保証が必要となってきます。戦争から帰った後の兵士の生活も保証しなければなりません。

米軍では武器の購入費用よりも人件費が高くなっているとしています。これだけの費用を国家がどうやって賄うのかというと、やはり借金しかありません。政府が国債を発行して国内の金融機関や諸外国がその国債を買うことで現金が生み出されるのです。ややこしく聞こえますが、戦争で使うためにお金が必要なので、誰か貸してくれと公に頼んでいるようなものです。ただ国が借金をしても経済に悪影響が出なければ問題にはなりません。ですが危ないのは政府がお金を刷りすぎた時です。例えば戦争にお金が必要だと言って日本政府が円を刷りまくったとします。すると市場に出回る円の量が増えますから、相対的な円の価値は下がっていきます。それが行きすぎてしまうとハイパーインフレなどの経済的な危機に陥る可能性があるんです。つまり戦争にかけられる費用にも経済的な限度はあるということです。

実はその限度を超えて大変なことになったのが第2次世界大戦での日本でした。日本政府は戦争のために戦時国債を発行し、ジャブジャブとお金を作り出し、それによって円の価値が急落していきました。この時、日本政府が戦争に出費したのは当時の日本のGDPの約9倍でした。これは明らかに許容範囲を超えていました。これによって敗戦後の日本では物資も不足したことから、極度のインフレによって戦時国債は紙屑になり、経済も破綻しかけたのです。

アメリカでは

同じ視点からアメリカの戦争を見てみましょう。アメリカは第2次世界大戦後に4度の大きな戦争をしています。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争です。

どれも大きな戦争でしたが、これらの戦争にアメリカが投じた費用はアメリカのGDPで見ると15%程度でした。日本が第2次世界大戦に投じたのが当時の日本のGDPの9倍でしたから、これはかなり大きな違いです。第2次世界大戦以降にアメリカが行った4つの戦争は確かにアメリカ社会に大きな影響を与えました。しかし経済的な点から見れば、アメリカの負担は割合的には実は小さかったと言えます。アメリカはあくまで経済活動の範囲内で戦争に出費してきたということです。このように国の経済という単位で見ると、どこまで経済のバランスを保ったまま戦争が継続できるのかという少し違った視点になります。

とはいえ、依然として戦争を起こす経済的リスクはものすごく大きいです。もし戦争に負けた場合は賠償金を払わなければなりません。例えば第1次第2次世界大戦の両方で負けたドイツは天文学的な賠償金を請求され、経済が破綻寸前になりました。この時のドイツは賠償金だけでなく特許や技術などの知的財産までも失ったのです。立ち直るのにはかなりの年月を要しました。戦争に負けるというリスクまで考えると、戦時経済で一時的に儲かることがそれほどプラスになるとも思えません。

経済上のリスク

さらに戦争にはもっと重要な経済上のリスクがあります。それは戦争によって貿易と経済活動が阻害されるという点です。分かりやすい事例がちょうど今起こっています。ロシアとウクライナの戦争です。その影響から西側の世界各国でロシアのエネルギー資源を輸入しないという動きが進んでいるんです。同時に日本も含めたロシアの敵国の企業の多くはロシアでのビジネスから手を引きました。アメリカのマクドナルドやアップル、日本のユニクロなどは元々ロシアで大規模に展開していました。しかし戦争を機に一挙にロシアから撤退したのです。他にも日本車はロシアでとても人気があるのですが、日本政府は戦争によって日本車の輸出を規制してしまいました。これまで普通に売っていたものが売れなくなるわけですから、企業活動にとっては相当の痛手です。国を超えた経済上の結びつきが強くなった現代において、国が戦争を起こせばこれまで国際貿易や投資などで受けてきた経済的利益を手放すことになります。それほどまでの経済的なリスクを追ってまで戦争をするという選択肢は現代ではほとんどありえなくなってきているわけです。

実際にこれを主張する有名な学者がいます。それはイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏です。日本でも本屋へ行けば彼の名前は必ず目にするはずです。ハラリ氏は『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』という大ベストセラーによって全世界で脚光を浴びました。そんな彼の2番目の大作『ホモ・デウス』には次のようなことが書いてあります。

『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』の内容

農業をしながら定住するという農耕生活を始めて以降、人間は集団同士の争いをずっと続けてきました。土地を所有するという観念ができたことによって土地の奪い合い、つまり戦争が始まったのです。それ以降、人間の死因のうち15%は人間の暴力によるものだったと言います。人類にとって戦争とはどうしても避けられないものだったのです。近代になって部族集団が国家となり、近代的な法律や科学が発展しても戦争はなくなりませんでした。国は資金を集めて軍隊を整えて準備ができたら、さあ次はどこと戦争をしようかと考えます。それが普通の思考回路だったのです。それ以降ずっと、20世紀の初頭まで、人類は隣の国と戦争をするということが当たり前だと考えてきました。しかしそれがここ100年で急激に変わってきているんです。

20世紀の人類の死因において暴力の占める割合は5%にまで減りました。大昔の農耕時代には15%でしたから、かなり割合は減っています。20世紀には第一次第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争など歴史に残る大戦争が次々と起こったにも関わらずです。しかし驚くのはここからです。現在は21世紀、今世紀はまだ1/5が過ぎたところですが、実際のところ全世界の死者のうち暴力によって亡くなったのはたったの1%になりました。しかもこの1%には戦争以外の殺人などで亡くなった犠牲者も含まれています。戦争での死者に限るとその割合はなんと0.数%になります。年間の戦争の犠牲者は約12万人の一方で、世界の自殺者は80万人、糖尿病で亡くなる人の数は約150万人です。今や人類にとって火薬よりも砂糖の方が危険だとハラリ氏は書いています。

これによってハラリ氏が何を主張しているのかというと、21世紀の人類は変わったということです。人類はずっと戦争については決して避けられない、起こって当たり前のものだと考えてきたわけです。しかし現代に生きているあなたはどうでしょうか? 戦争は二度と起こしてはいけないものだと当たり前のように考えているのではないでしょうか? 現代に生きているほとんどの日本人がそう考えているはずです。でも実はこれ、人類の歴史上で初めての現象なんです。世界各国の将来設計から戦争というプランが初めてなくなってきています。もちろん今でも戦争が起こることはあり得ますが、それは何か突発的な、例外的な失敗のように考えられてしまうのです。

核兵器の発明と経済の発展

どうしてそんな変化が起きたのでしょうか? その主な理由は核兵器の発明と経済の発展にあると考えられます。まずは核兵器からお話しします。長い間、人類は戦争で勝つために武器を作っていました。どこの国の政治目標にも「あの国と戦争して利益を上げる」というようなことが記されていた時代です。当時は武器を開発してそれを外国に対して使うということが当然だったのです。しかし核兵器の登場によって歴史はがらりと変わりました。それまで使うために作られていた武器が使われなくなった。使うと人類が滅びるほどのものを開発してしまったからです。例えばロシアは核兵器大国として80年間も開発を進めてきましたが、まだ1度も核兵器を使ったことはありません。そしてよほどの失敗がない限り、これからも簡単に使うつもりはないはずです。これが核の抑止力と言われる現象です。人類はあまりに強力な武器を作ってしまったために、国同士が戦争を躊躇するようになったのです。

経済の発達の視点から

次に経済の発達の視点からです。1998年にアフリカのルワンダが隣国のコンゴに攻め込みました。そのお目当てはスマホやパソコンを作るのに必要なコルタンという鉱物資源です。全世界のコルタンのうち実に8割がコンゴに集中していたのです。ルワンダは戦争でそれを奪い、奪った

コルタンで年に2億4000万ドルを売り上げました。しかしこれは現代の価値観からするともう一昔前の途上国型の戦争です。もう先進国はそんな争いをあまりしなくなっています。いったいどういうことでしょうか? 例えばアメリカのシリコンバレー、魅力的ですよね。だからといってどこかの国が戦争をしてそれを丸々占拠しようとするでしょうか? そんなことをしても大した得にはなりません。シリコンバレーには大企業があり、そこに勤める従業員がいるだけで、奪ったところでそのまま全てが手に入るわけではないからです。それよりアメリカとビジネスをした方がはるかに生産的でしょう。僕たちはルワンダがコンゴと戦争をして得られた1年分の利益以上の額を平和的な企業活動で手に入れています。このように現代型の進んだ経済では、鉱山や資源よりも情報や知識などの非物質的なものの価値が重要になってくる傾向があります。

終わりに

確かに直接土地を奪い合うような旧式の戦争はまだ途上国を中心に起こっています。しかし発展した経済を持つ国としては、もはやビジネスの方が儲かるのです。しかしながら、そういった経済合理性を無視してでも先進国でも戦争が起きている現実があります。ロシア・ウクライナ戦争、中東問題、台湾有事など、問題に関わるのはどれも先進国です。もしかしたら僕たちは戦争という概念が根本的に変わり始めている歴史の転換点に立っているのかもしれません。

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