最高のパフォマンスを発揮する「スタンフォード式最高の睡眠」で究極の休息を手に入れる

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【要約】スタンフォード式 最高の睡眠【西野精治】

こんにちは、皆さんは普段、しっかりと眠りをとっていますか?我々は皆、睡眠の重要性を理解しているものの、それでもなお、遅い時間まで活動してしまうことがありますよね。ネットサーフィンやゲーム、それに引きずられてつい深夜まで起きてしまった経験は誰しもがあるのではないでしょうか。

そんな私たちは、日中の眠気を振り払うために、休日にたくさん眠ることを心がけています。しかしながら、それは「寝だめ」に過ぎず、その結果として頭がぼんやりしたり、日中眠たかったり、朝の目覚めが辛かったりと、いつまでも眠気に悩まされ続けてしまいます。

驚くことに、それらの睡眠の問題は休日の「寝だめ」では解決できないのです。では、私たちは何をすべきでしょうか?大事なのは、「質の高い睡眠」をとることです。

そこで今回は、「スタンフォード式最高の睡眠」を著した西野精治さんについて、そしてその本の中で語られている「質の高い睡眠」について語りたいと思います。西野さんはスタンフォード大学で30年以上にわたり睡眠の研究を行ってきたエキスパートです。

この本はその豊富な経験と知見に基づき、最高の睡眠を実現するための具体的な方法を提供しています。今回のブログ記事を通じて、皆さんにもその方法を共有し、日々の生活における睡眠の質を向上させるとともに、日中のパフォーマンスも上げることができるようになることを目指します。

スタンフォード式最高の睡眠 [ 西野精治 ]

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眠りの借金

まずは、自分自身が無意識のうちに睡眠の「借金」を増やしているという事実に目を向けてみてください。皆さん自身は自分の睡眠に対して満足感を感じていますか?それとも、週末になるとただひたすら眠って過ごし、それでもなおスッキリとは起きられない状態ですか?

実は、自身の睡眠に満足している人は驚くほど少ないのです。睡眠が不足していたり、寝つきが悪かったり、十分な睡眠をとっているはずなのにも関わらず疲労感が抜けないと感じている人の割合は、全体の70%にも及びます。

多くの人が自身が睡眠不足であることを軽視してしまう傾向があります。そもそも日中少し眠気を感じても、エナジードリンクなどを摂取すれば一時的には元気になれますよね。また、「ちょっとの睡眠不足なら大丈夫」と自分自身を納得させていませんか?

しかしながら、この睡眠不足という問題は一見すると単純そうに見えますが、実は短期間で解決できるものではないのです。睡眠の研究者の間では、「睡眠不足」のことを「睡眠の借金」と表現することがあります。なぜ借金なのでしょうか?それは借金と同様に、睡眠不足が積み重なることで「利子」がつき、最終的には健康に大きなダメージを与えてしまうからです。

たとえば、「ちょっとの睡眠不足」が積み重なることにより、次第に身体や脳に大きな負荷がかかり、思考がままならなくなることもあります。そして最悪の場合、健康を損なう事態に至ることもあるのです。

多くの人々は、自分が睡眠不足であるという現状を放置し、気付かぬうちに睡眠の借金を増やし続けています。そうした現実がどれほど深刻な問題であるのか、まずはその自覚から始めてみてください。

睡眠の質

次に、私たちが「睡眠の質」について考えてみましょう。すでに睡眠の「借金」が溜まってしまっている人は、その「借金」に対する「利子」も一緒に返済しなければならないのです。休日に長時間寝ても、その「借金」はなかなか返せません。それでは、いつまでたっても「借金」は返済されませんよね。

特に、ビジネスパーソンなど忙しい日常を送る人々は、平日に十分な睡眠時間を確保することが難しいかもしれません。しかし、そうした人々に対して「毎日の睡眠時間を増やすべきだ」と言っても、実行するのはなかなか難しいでしょう。もしそれができれば、最初から睡眠の「借金」など生まれません。

そこで私たちは、睡眠の「量」ではなく「質」に注目する必要があります。私たちが仕事をする際にも、「量より質」が重要だと言われますよね。これは睡眠にも同じことが言えます。良質な睡眠を得ることができれば、睡眠時間が長くても質が悪い睡眠よりもずっと効果的です。

そして、この「スタンフォード式最高の睡眠」では、睡眠開始後の最初の90分間の質を高めることが重要だと説明されています。人間は普段、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しながら眠ります。眠り始めると最初に訪れるのはノンレム睡眠、つまり深い眠りの時間です。

この深い眠りの時間が最も重要で、ノンレム睡眠は約70から90分続き、この時間帯が睡眠全体で最も深い眠りを経験する時間なのです。つまり、この「最も深い眠り」の時間帯、つまり最初の90分間の睡眠の質を高めることができれば、睡眠全体の質を向上させることが可能なのです。

この最初の90分間を「黄金の90分」と呼びます。この時間帯の質を上げることで、体には大きなメリットがあります。そのメリットとは、成長ホルモンの分泌と深い休息です。成長ホルモンは、細胞の成長や新陳代謝を促進し、皮膚の柔軟性を保つなど、健康を維持する上で非常に重要な役割を果たします。

このホルモンの分泌量は、ノンレム睡眠、特に最初の90分間の深い眠りの質に大きく依存します。この最初の90分間を深く眠ることで、成長ホルモンの80%近くが分泌されます。つまり、この「黄金の90分」を質よく過ごすことが、睡眠全体の質を上げるカギとなるのです。

睡眠圧

次に、私たちは「睡眠圧」について考えてみましょう。「睡眠圧」は、私たちが起きている時間が長くなると高まる、眠りたくなる感覚を指します。私たちが普段眠っている間に、この睡眠圧が適切に解放されないと、日中にも眠気を感じるという状態になります。

この睡眠圧は、最初のノンレム睡眠の間にほとんどが解放されることがわかっています。つまり、最初の「黄金の90分」をしっかり眠ることで、睡眠圧が適切に解放され、朝にスッキリ起きられ、昼間の眠気も消えるというわけです。

では、この「黄金の90分」の睡眠の質を向上させるにはどうすればいいのでしょうか。そのためには、「体温スイッチ」と「光スイッチ」という2つのスイッチを入れることが重要です。これらのスイッチを上手く活用することで、体と脳はスリープモードに切り替わり、より簡単に眠りにつけるようになり、睡眠の質も向上します。

まず、体温スイッチについて説明しましょう。これは、私たちの「深部体温」を下げることに関連しています。深部体温とは、私たちの体の内部の温度のことで、これが下がると、私たちはより簡単に眠りにつけます。具体的には、寝る約90分前に湯船に浸かることで、深部体温を適度に上げ、その反動で体温が下がり、寝つきを良くする効果があります。

また、室温や服装も体温調節に大きく影響します。自分にとって快適な室温や服装を保つことが重要です。具体的な室温は個人の感じ方に依存しますが、自分が寒いと感じたり、暑すぎると感じたりしない程度の温度に保つことが大切です。室温が高すぎると、体温調節がうまく行かず、深部体温が必要以上に下がり、風邪をひいてしまうこともあります。逆に、室温が低すぎると血行が悪くなり、適切な体温調節ができなくなります。

したがって、自分にとって適切な室温を保つことで、深部体温を適切に調節し、良質な睡眠を得ることが可能になるのです。

脳のスイッチ

次に、脳のスイッチについて説明しましょう。これは、基本的に人間が脳を休息状態に置くことで眠気を引き起こすという原理に基づいています。たとえば、何もしないでただ部屋に座っていると、時間が経つにつれてだんだんと眠くなってくる経験をしたことがあるでしょう。

しかし、実際に何も考えずにいるというのは難しいですよね。無意識のうちに頭の中に思考が浮かんできてしまうものです。そこで、入眠をスムーズにするためには、できるだけ「物思い無し」の状態、つまり頭を使わない、単調な状態を作り出すと良いとされています。

「物思い無し」状態とは、単純に言えば退屈で単調な状態のことです。例えば、ストーリーに起伏がない小説を読んでいて、だんだんと眠気が襲ってくる感覚です。また、一定のスピードでまっすぐ進む高速道路を長時間運転していると眠くなる、といった現象もこれに該当します。単調な状態に対して人間は退屈を感じるので、自然と脳が休息状態に入り、眠りにつきやすくなります。

ですから、眠りたいときには、意図的に退屈なものを選ぶことが効果的です。たとえば、映画を見る場合も、刺激的な内容よりもゆったりと視聴できるようなものを選べば良いでしょう。

最後に、睡眠と覚醒は相互に関連しています。良質な睡眠は、翌日の良好な覚醒状態を作り出します。逆に、しっかりと覚醒することで、その後の睡眠の質も高まります。したがって、朝起きたときにきちんと覚醒のスイッチを入れることも、睡眠の質を向上させるための重要なポイントなのです。

体内リズム

私たちの体内リズムには、太陽光を利用して調整する必要がある二つの重要な要素が存在します。その一つ目が「光」のスイッチについて、次に説明します。

これは、起床後すぐにカーテンを開け、太陽光を浴びることが重要であるという指針です。あなたもこのアドバイスを聞いたことがあるかもしれませんが、その理由は地球の自転周期と人間の体内リズムに関連があります。

地球の一日は24時間ですが、人間の体内リズムはそれよりもわずかに長いと言われています。この微妙なズレが、時間の経過とともに体内リズムと地球のリズムを乖離させる可能性があります。したがって、毎朝太陽の光を浴びることで、このズレを調節し、体内リズムを地球のリズムに合わせることができます。

また、太陽光は私たちの自律神経やホルモンの活動、さらには脳の活性化にも深く関与しています。したがって、毎朝太陽光を浴びることは、脳の覚醒状態を高め、日中のパフォーマンスを向上させるためにも重要なのです。

なお、天候が雨や曇りであっても、体内リズムを調整するのに十分な光の成分は届いていますので、心配する必要はありません。だからこそ、毎朝、カーテンをしっかりと開け、体に太陽光を取り込むことが大切なのです。

体温スイッチ

続いて「体温」のスイッチについて説明します。体温は睡眠時には下げることが重要であると以前に言及しましたが、実は覚醒の際にも体温は重要な要素となります。

人間の体温は、生活リズムを左右する大きな要素です。具体的には、生活リズムと体温のリズムは連動しています。活動時間である昼間には体温が上がり、睡眠時間である夜には体温が下がるのです。このリズムを崩さないことが、質の高い生活リズムを保つためのポイントとなります。

朝起きたときには、体温を適度に上げて覚醒のスイッチを入れることが重要です。具体的には、朝食をしっかりと摂ることがおすすめです。朝食を摂ることで、体温が上昇し、一日の生活リズムが整います。体温を上げる観点からすると、朝食には温かい汁物を含むことが良いと言えます。例えば、日本の伝統的な朝食の一部である味噌汁が良い選択です。

しかし、ここで注意点が一つあります。それは、「汗だくになるまでの激しい運動は避ける」ということです。朝に運動すること自体は問題ありません。適度な運動は覚醒効果があります。しかし、体温が上がり過ぎると、その後体温が急激に下がるリスクがあります。つまり、激しすぎる運動をすると、体温が上がり過ぎ、結果的に深部体温が下がるという逆効果を生む可能性があります。

朝の運動は気をつけて行うことが重要です。覚醒のためには、適度な運動が理想的で、過度な運動は禁物と言えるでしょう。

まとめ

この記事を通じて、「黄金の90分」の重要性を認識いただけたことでしょう。多くの人が考えているように、「休日に寝溜めすれば何とかなる」という考え方は実は大きな誤解であり、これが睡眠負債という深刻な問題を生み出しています。

睡眠負債という言葉の軽さに惑わされて、その重要性を過小評価している人が多いことも事実です。しかし、睡眠不足というのは我々が一般的に思っているよりもはるかに深刻な問題なのです。

それ故、私たちは睡眠と覚醒のスイッチについて理解し、それを活用して「黄金の90分」の睡眠の質を高めることが重要です。これができれば、日中に無理矢理眠気を感じることが減り、毎日の生活がより充実することでしょう。

私たちの生活は睡眠の質に大きく影響されます。だからこそ、睡眠の質を向上させるための知識と実践が求められます。この記事があなたの睡眠の質改善に少しでもお役に立てれば幸いです。素晴らしい睡眠と覚醒のバランスを見つけ、より健康で充実した日々をお過ごしください。

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