
万博が開幕──批判の嵐のなかで、僕が感じたこと
大阪万博が開幕して数日。SNSやネット上では、連日厳しい声が飛び交い、開催自体を疑問視する意見も目立ちます。確かに、費用の問題、政治的な背景、不透明な運営体制――ツッコミどころは多いかもしれません。でも、その一方で「また行きたい」「思ったより楽しめた」といった前向きな声も少しずつ聞こえてきています。
個人的には、万博というのは国家規模のプロジェクトであり、国際的なお祭りのようなもの。多少の疑惑や政治色があるのは、正直どの国でも同じことだと思っています。完璧じゃないからこそ、むしろ「どう楽しむか」が大事なのではないか。そんなふうに感じている自分がいます。
もちろん、批判派の意見も理解はします。でも僕は、こうした国家イベントが失敗するとは限らないし、実はけっこう期待もしているんです。
そこで今回は、過去の万博と比較しながら、「大阪万博は本当に失敗なのか?」を冷静に検証してみたいと思います。
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大阪万博だけではないパビリオンの遅延
万博は「国際的なお祭り」とも言われ、各国が自国の文化・技術・未来ビジョンを披露する大舞台です。しかしその裏側では、開幕に間に合わないパビリオン、建設の遅れ、現場の混乱といった課題も頻発しています。
特に注目すべきなのが、2010年の上海万博と、2025年の大阪・関西万博です。どちらも国際的な注目を集めた大型万博ですが、いずれも多くの海外パビリオンが「開幕に間に合わない」状況に直面しました。
2010年 上海万博 ─「世界最大」の影で未完成のパビリオン
2010年に中国・上海で開催された万博は、史上最多の来場者数(約7300万人)を記録した歴史的なイベントでした。しかし、その華やかさの裏で全体の約1割にあたる海外パビリオンが未完成のまま開幕を迎えるというトラブルも発生しました。
工事が間に合わず、仮設構造や一部のみ公開するなど、現場では応急対応が迫られました。遅延の主な原因は、各国による設計・施工の遅れ、現地との調整不足、資材供給の問題などが複雑に絡み合っていたとされています。
2025年 大阪・関西万博 ─ 開幕初日も休館のパビリオン続出
2025年4月に開幕した大阪・関西万博でも、複数の海外パビリオンが開幕時点で間に合わないという深刻な事態が発生しました。
具体的には、インド、チリ、ネパール、ベトナム、ブルネイの5つのパビリオンは開館できず、さらにポーランド、クウェート、トルクメニスタンの3カ国は開幕セレモニーこそ実施されたものの、一般公開は見送られました。
背景には、
- 各国の建設スケジュールの遅れ
- 国内外の調整・許認可の煩雑さ
- 建築資材や労働力不足
といった要因があり、日本国内でも連日メディアが報じるほどの関心を集めました。
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他の万博でも起きていた「建設遅延」の事例
こうした建設の遅れは、大阪や上海に限った話ではありません。実は、他の国際博覧会でも同様の問題が繰り返されています。
2015年 ミラノ万博
- 開幕直前まで多くのパビリオンが未完成で、徹夜での建設作業が続いた。
- 一部は仮設の幕で未完成部分を隠す対応。
- イタリア館の建設費は当初6,300万ユーロから9,200万ユーロに膨張。汚職も取り沙汰され、混乱が報じられました。
🇩🇪 2000年 ハノーバー万博
- 日本館で技術的なトラブルが発生。担当技術者の交代や建材の改修などで工期が大幅にずれ込みました。
- 特に防火対策としてのPVC膜の追加が決定され、当初の設計から大幅な変更を余儀なくされました。
🇪🇸 1992年 セビリア万博
- スペインのメインテーマ館が開幕前に火災で全焼し、再建が間に合わないままスタート。
- 他のパビリオンも建設遅延が相次ぎ、全体の運営に大きな影響が出ました。
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万博の費用、どれくらいかかってる?—大阪・関西万博は高すぎるのか?
万博と聞くと「未来の展示会」というイメージが強いかもしれませんが、実際には国家レベルの巨大プロジェクト。だからこそ、「いくらかかっているのか?」という点は、いつの時代も注目されるテーマです。
2025年に開催される大阪・関西万博の費用が高すぎるのかどうか、過去の主要な万博と比較しながら、客観的に見てみたいと思います。
では、「万博の費用に見合った成果があったのか?」という観点から、各万博ごとに成果と費用対効果をわかりやすく整理します。費用だけを見て「高すぎる」と切り捨てるのではなく、その“リターン”や“インパクト”にも目を向けることが重要です。
💡 過去の万博「費用 vs 成果」比較
開催年・場所 | 費用(日本円) | 主な成果・評価 | 費用に見合った? |
---|---|---|---|
2000年 ハノーバー(独) | 約1,800億円 | 来場者わずか1,800万人(予測は4,000万)、経済効果も限定的。 | ❌ 費用に見合わず失敗事例 |
2005年 愛知(日本) | 約1,850億円 | 来場者2,200万人超、環境配慮型イベントのモデルに。交通整備など地域貢献も。 | ✅ 費用対効果高い |
2010年 上海(中国) | 約6兆7,500億円 | 来場者7,300万人超。都市の再開発・観光インフラ整備が一気に進行し、長期的経済効果大。 | ◎ 国家戦略として大成功 |
2015年 ミラノ(伊) | 約3,000億円 | 食や環境分野で世界的議論を促進。収支は黒字。 | ✅ 予算規模に対し堅実 |
2021年 ドバイ(UAE) | 約7,500億円 | 世界中からビジネス誘致、未来都市の構想を発信。観光・投資促進に寄与。 | ◯ 中長期視点で期待 |
2025年予定 大阪・関西(日本) | 約2,350億円(予定) | 【進行中】ライフサイエンス・未来都市モデルとして期待。だが建設遅れ・費用増が課題。 | ⏳ 成果はこれから |
🎯 費用に見合う成果があるとは?
万博の「成功」とは単に来場者数や黒字だけでなく、以下のような複合的な視点で評価するべきです。
- ✅ 来場者数:想定通りの人が集まったか?
- ✅ 経済波及効果:地域の雇用や観光、建設、交通整備に与えた影響
- ✅ 国際的プレゼンス:国家ブランドの向上や外交効果
- ✅ 社会的・文化的意義:技術・環境・福祉などのメッセージを広く発信できたか
✨ 大阪万博の評価はこれから
大阪・関西万博はまだ開幕前・工事進行中という段階。費用が膨らんでいる現状では「失敗では?」という声もありますが、真の評価は終了後5年〜10年後の地域経済・国際評価の中で初めて下されるものです。
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大阪万博だけじゃない?万博には“トラブル”がつきものだった!
最近ネット上では、「大阪万博はトラブル続きだ」「間に合わないのでは?」といった声が飛び交っています。でも、ちょっと待ってください。実は過去の万博でも、さまざまなトラブルが起きていたことをご存じでしょうか?
万博は世界中から人・技術・注目が集まる巨大イベント。だからこそ、完璧な運営はほぼ不可能と言ってもいいほど。ここでは、そんな**「万博の舞台裏」**に焦点を当て、これまでどんなトラブルがあったのかを振り返ってみましょう。
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🔌 【1970年・大阪万博(日本)】
- 電力供給が不安定に
予想を大きく超える来場者で、パビリオンによっては冷房や照明が落ちる事態も。 - 交通マヒレベルの大渋滞
周辺の道路が完全に機能不全。バスやタクシーが何時間も動かない状況に陥りました。
⚡【2000年・ハノーバー万博(ドイツ)】
- 電力トラブルで展示中断
一部のパビリオンで電力供給が止まり、展示が続行できない場面も。 - 電子チケットのシステム不具合
入場処理が大幅に遅れて長蛇の列に。来場者の不満が噴出。 - 予算超過&赤字問題
維持費がかさみ、万博後の施設運営に大きな負担が残る結果に。
🌀【2010年・上海万博(中国)】
- 空調トラブルで酷暑に耐える
パビリオンの一部で冷房が故障し、真夏の見学が過酷なものに。 - エレベーターがストップ
バリアフリー対策が機能せず、苦情が多数寄せられました。 - 通信がパンク状態に
スマホもWi-Fiも繋がらない。来場者が多すぎてインフラが追いつかず。
🌧【2015年・ミラノ万博(イタリア)】
- 排水設備が機能せず水たまりだらけに
大雨で歩道がぬかるみ、滑って転倒する来場者が続出。 - ハイテク展示の不具合
映像装置や体験型展示がたびたびクラッシュし、再起動が頻発。 - 建設段階での労働トラブル
ストライキや待遇問題が影響し、工事の進行が大幅に遅れました。
🌡【2021年・ドバイ万博(UAE)】
- コロナ対策の初動が混乱
入場ゲートで検温・チェック体制が整わず、混雑と混乱が発生。 - AR/VR展示が「動かない」
注目の先端技術展示が動作不良を起こし、不満の声が広がりました。 - 猛暑対策が追いつかず
屋外の移動で熱中症リスクが急増。実際に緊急搬送されたケースも。
🧠 万博に“完璧”はない。だからこそ「事前の想定」がカギ
どの万博でも、必ずと言っていいほどインフラ面のトラブルは発生しています。むしろ、世界中から人が集まり、最新技術が集結するからこそ、“想定外”は起こるのが当たり前。
だからこそ大切なのは、過去のトラブルから学び、どれだけ柔軟に対応できるか。大阪・関西万博が開催される今、こうした教訓をどう活かすかが問われています。
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「大阪万博は失敗?」という声に冷静に反論してみる|来場者数の実態は?
SNSやYouTubeでは「大阪万博は来場者が少ないから失敗だ!」といった投稿を目にすることがあります。でも、その主張は本当でしょうか?
たしかに注目度が高いイベントだからこそ、批判的な声も出てきます。ただし、感情的な反応に流されず、まずは「事実ベース」で見てみることが大切です。
今回は、2025年の大阪・関西万博と、過去の主要万博の初日・初週の来場者数を比較しながら、実際のところどうなのかを検証していきます。
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🏁 万博初日の来場者数比較:大阪は意外と健闘!
開催年 | 万博名 | 初日来場者数(一般) |
---|---|---|
1970年 | 大阪万博 | 約8万人 |
2005年 | 愛知万博 | 約4.3万人 |
2010年 | 上海万博 | 約35万人 |
2015年 | ミラノ万博 | 約21万人 |
2025年 | 大阪・関西万博 | 約11.9万人(関係者込みで14.1万人) |
→ 大阪・関西万博の初日は、愛知万博の約2.4倍、1970年の大阪万博も上回る数字です。SNSのイメージとは逆に、かなりの好スタートを切っています。
📈 大阪・関西万博(2025)開幕初週の推移
日付 | 曜日 | 一般来場者数 |
---|---|---|
4月13日(日) | 日 | 11.9万人 |
4月14日(月) | 月 | 5.1万人 |
4月15日(火) | 火 | 4.6万人 |
4月16日(水) | 水 | 5.6万人 |
4月17日(木) | 木 | 6.5万人 |
4月18日(金) | 金 | 7.6万人 |
4月19日(土) | 土 | 8.9万人 |
🔹 開幕1週間の合計:
- 一般来場者数:約50.2万人
- 関係者込み:約64万人
→ 開幕直後としてはかなり健闘しており、週末に向かってしっかり増加傾向にあることがわかります。
🧭来場者数だけを見ても「失敗」とは言えない
たしかに、上海やミラノと比べるとインパクトはやや控えめかもしれません。しかし、愛知万博や1970年大阪万博と比較すると、むしろ良好な滑り出しといえるでしょう。
- 初日の来場者数は過去万博と比較して上位レベル
- 平日でも安定した来場があり、週末にはさらに伸びている
- プロモーションや交通アクセスの工夫によって、今後さらに増加が見込まれる
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🏝 夢洲の地盤はなぜ“問題視”されるのか?
夢洲は、もともと大阪湾の埋め立てによって造成された人工島であり、地盤が軟弱であることが大きな特徴です。このため、大阪・関西万博の開催地として選ばれた当初から、「地盤の耐久性は大丈夫なのか?」という疑問が多く寄せられています。
ここでは、夢洲の地盤の性質と、それに対して現在実施されている地盤改良の工法や対応策について、分かりやすく解説します。
● 軟弱地盤・廃棄物の埋設
夢洲は複数の島を段階的に埋め立てて形成された人工島で、第2期埋立区域(万博会場エリア)には建設残土や廃棄物が埋め込まれていることが特徴です。これにより:
- 地下掘削が制限される(重機の侵入が難しい)
- 地盤沈下や液状化リスクが高い
- 廃棄物層のガス・有害物質リスクの懸念
といった課題が生じています。
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🔧 夢洲で採用されている主な地盤対策・工法
① 発泡スチロール基礎(EPS工法)
- 重量のある土やコンクリートの代わりに**発泡スチロール(EPSブロック)**を使用。
- 地盤にかかる荷重を大幅に軽減できる。
- 地中の廃棄物層に直接触れず施工可能。
👉 「軽くて強い」ため、沈下対策に効果的。
② アースドリル工法+プレボーリング杭基礎
- 地中の障害物(廃棄物)を避けながら、あらかじめ穴を掘って杭を打ち込む工法。
- 通常の杭工事が難しい“制限地盤”に対応できる。
- 振動や騒音が少ないため、周囲への影響も抑えられる。
👉 特殊地盤での大型構造物に有効。
③ 地中温度・ガス検知のセンサー設置(モニタリング)
- 地盤内部の温度やガス濃度の変化を常時監視。
- 想定外の変動があった際に早期に対応できる。
- 長期的な安全性と健康被害リスクの低減を図る。
👉 「見える化」で不安を減らす対策。
④ 地盤沈下に備えた設計(耐沈下設計)
- 建物や歩道に沈下量の“ばらつき”に強い構造を採用。
- 配管や電線などのインフラも柔軟構造で対応。
👉 多少の地盤沈下があっても、機能を維持できる設計思想。
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✅ 夢洲は“問題だらけ”ではない。慎重に対策されている
たしかに夢洲の地盤は、他の通常地盤に比べて難易度が高いのは事実です。しかし、それに応じた特殊工法・モニタリング体制が整備されており、安全性確保に本気で取り組んでいるのも事実。
むしろ、他の都市部では経験できないような先進的な土木・地盤工学の集積地になりつつあるという評価もあります。
夢洲の地盤は決して“理想的”とは言えませんが、現在の建設技術をもってすればリスクは管理・制御可能です。
「軟弱地盤だから危ない」ではなく、“どう対処しているか”を見ることが重要なのです。
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🌟 夢洲の未来に期待を込めて
大阪万博の開催によって、これまで長らく放置され、「税金の無駄遣い」とまで言われてきた夢洲という土地が、ようやく本格的に活用され始めました。これは、大阪にとって過去の負の遺産を転換する大きな一歩だと思います。
そして万博の終了後も、IR(統合型リゾート)や広域公園などへの再利用が計画されており、地域経済への波及効果や雇用創出も大いに期待されています。
もちろん、現時点ではさまざまな批判や不安の声もあるのは事実です。ですが、個人的にはこのプロジェクトが「やって良かった」と感じています。
未来志向で都市の可能性を広げていくこの取り組みが、大阪にとって大きな財産になることを願ってやみません。
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