皆さんはこう疑問に思ったことはないですか?
「なぜいつもお金が足りないのか」「なぜいつも時間がないのか」。
SNSを見ると、みんなお金を持っていて幸せそうに生きている。休日があって楽しそうにしている。
「なぜ自分だけこうなのか」。
そう思っている人、多いと思います。
わかります。私もかつてはそう思っていました。
しかし、それは間違いでした。
お金が足りない、時間が足りないというのは、すべて社会からのすり込み、洗脳でしかなかったんです。
考えても見てください。
私たちの文明は、今、とてつもないスピードで進化しています。
100年前だったらありえない生活水準、まるで貴族のような生活を私たちは送っています。
なんなら、20年前でも比較にならないような便利な生活を私たちは享受しています。
それなのに、幸せになっているかと言うと、そうではない。
むしろ私たちは、20年前より不幸せになっているように感じます。
なぜか。
それは、企業が余計なものにあなたの注意を向けさせようとしているからです。
「これがなかったらダサい」「これを買ったら幸せになれる」「ブランド物を持っていたら優越感に浸れる」…
「もっと買え、もっと買え」と企業はマーケティングを仕掛けてきます。
それは、企業が儲けたいからです。
一度冷静になって考えてみてください。
本当に必要最低限の毎日使うものしか買わなかったとしたら、1ヶ月あたりどれくらいの出費で済むのか。
そうです。私たちにはお金の余裕も時間の余裕も、すでにあるんです。
すでに豊かな生活を送っています。
私たちは想像以上に余計なものを買わされている。
余計なものを買うからこそ、お金もなくなるし、それに費やす時間も失われていく。
物を減らして、そういった生活から解放されましょう。
ミニマリストとは
私たちはミニマリストというのを勘違いしています。
ミニマリストと言われると、「なんか物を極限まで減らして読書ばかりしている人」、そういうイメージを持っていませんか?
確かに、全てを手放した極端な例もありますが、それは一部です。
ミニマリズムはもっとカジュアルに取り入れるものです。
ミニマリストとは、あれこれ構わず捨てる冷たい人ではありません。
物を手放す、つまり「引き算」を行うことによって、本当に大切なものだけを周りに置く人のことを言います。
今回の話をするにあたって参考にしたのは、全米ベストセラー『より少ない生き方 物を手放して豊かになる』の著者ジョシュア・ベッカーの言葉です。
彼は、「物を減らすことによって本当の人生を歩めるようになった」と述べています。
だからこそ、この話では、なぜ物が増えるのかというメカニズムを知り、何を捨てるべきなのか、どうやって片付けるのかを前半でお伝えします。
後半では、逆に「何にお金をかけるべきなのか」「幸福度が最大化するお金の使い方」を深掘りしていきます。
この話を年末に聞いている方は、今まさに大掃除をしようとしている人も多いはずです。
今がチャンスです!
不要なものを手放すと、お金が余るようになります。
その浮いたお金を、これまでのように「物」に使うのではなく、本当に大切なものに使えるようになります。
ミニマリズムの思考を取り入れることは、ただゴミを捨てるというだけにとどまりません。
物を所有することで発生する「呪い」「劣等感」「他人との比較」――それすらも手放すことができるようになります。
私自身も数年前からカジュアルなミニマリズムを取り入れてから、人生の質、収入、自己肯定感が上がり、物がない快楽のようなものを知ることができました。
私たちは物が多すぎる世界を生きています。
この話をきっかけに、物に縛られない人生を始めていきましょう。
まず、「なぜ私たちは物が増えてしまうのか」。
ここが、この話の中で最も重要なところです。
物が多いと不幸になりやすくなるというのは理解できた。
物を手放すことが効果がありそうということもわかった。
「よし、自分もやってみよう!」と思った方も多いと思います。
しかし、まずは私たちの周りに「なぜ物が増えてしまうのか」というメカニズムを知らなければ、仮に年末の大掃除ですっきりしたとしても、新年の初売りでまた余計なものを買って逆戻りになります。
物を不必要に買ってしまう原因、これには明確な理由があります。
3つの思い込み
私たちが物を不必要に買ってしまうのには原因があります。
これは、私もいくつかのミニマリストの本を読んで気づいたことですが、どの本にも共通して書かれていたのは、「3つの思い込み」が原因であるということです。
1つ目の思い込み「足せば足すほど刺激を得られる」という間違った思い込みです。
私たち人類は全員、刺激中毒です。
常に新しい刺激を求めて動きます。
しかし、最初は楽しいと思っても、次第に慣れ、最後には飽きがやってきます。
そして飽きが来ると、また新しい刺激を求める――こうやって私たちの脳はプログラムされています。
ここでポイントになるのは、「刺激の量」ではなく、「刺激の差」です。
多くの人は、「刺激の量が多ければ多いほど満足感も増える」と思っています。
つまり、「足せば足すほど刺激が得られる」と勘違いしているのです。
しかし、それは間違いです。
刺激とは、「差」によって体感が大きくなるのです。
例えば、90点のものを持っている人が100点のものを買った場合、差は10点なので、それほど刺激を感じません。
しかし、スタートが0点だった場合、50点のものでも差が50なので、非常に大きな喜びを感じます。
空腹の状態から食べる100円のカップ麺は、最高に美味しく感じるでしょう。
しかし、満腹状態で三つ星レストランの料理を食べても、それほど幸せを感じられないのです。
つまり、刺激を増やすのではなく、刺激の差を楽しむことが大切なのです。
浪費家がどれだけ物を買っても満足しないのは、刺激の差が生まれていないからです。
逆に、ミニマリストは普段「ない状態」から、本当に欲しいものだけを買うので、その差が大きく、満足感を得やすいのです。
これを理解しない限り、私たちは「足せば足すほど良くなる」という思い込みに囚われ、どんどん物を買ってしまいます。
2つ目の思い込み「高いものを買えば多くの刺激が得られる」という間違った思い込みです。
私たちはつい、「高いもの=幸せ」と結びつけて考えてしまいます。
しかし、物の価格と幸福感は比例しません。
例えば、普通のTシャツと、その10倍の値段のTシャツを買ったとして、10倍の幸福感が得られるわけではありません。
企業が設定した価格は、ブランド価値や需要・供給によるものであり、幸せの数値を表しているわけではないのです。
「高いものを買えば幸せになれる」という思い込みは幻想です。
3つ目の思い込み「物=自分の価値」という思い込みです。
ブランド物を買うと、まるで自分の価値が上がったように感じる――これは多くの人が陥る罠です。
例えば、「俺はこの車に乗っているから価値がある人間だ」と思い込むこと。
しかし、これは企業が作り上げた幻想に過ぎません。
他人から評価されるのは、本来、その人の実績や人柄、能力です。
持っている物は評価基準にはなりません。
SNSで無理して高級車に乗っている投稿を見て、「なんだか虚しい」と思うのに、なぜ自分では同じことをしてしまうのか。
それは、「持っている物が自分の価値になる」という思い込みのせいです。
この「物=自分の価値」という思い込みは、本や雑誌に関しても当てはまります。
例えば、「本棚に並べられた多くの本を所有していることで、まるで自分に知識が備わったかのように錯覚してしまう」ということ。
これは有名なミニマリスト、佐々木文夫さんも指摘していました。
「本を所有することに満足し、実際にはほとんど読んでいない」という現象です。
私もこの点、完全に当てはまります。
本棚いっぱいに本を並べて、それを自慢する動画まで作ってしまったことがあります。
今思うと、ただの自己満足でした。
このような「3つの思い込み」――
- 足せば足すほど刺激が得られる。
- 高いものを買えば多くの刺激が得られる。
- 物=自分の価値だと思い込む。
これらは、絶対にしてはいけない思い込みです。
この考えを持ち続けると、不幸へと突き進むことになります。
思い込みをなくす方法
ここまで話してきたように、企業や社会が私たちに植え付ける価値観は、全く逆のことを言っています。
「高いものを買えば幸せになれる」「買えば買うほど幸せになれる」という広告――これらはすべて幻想です。
物なんてなくても、あなたの価値は変わりません。
むしろ、余計なもので家や心が埋まることで、あなたの本当の価値が隠れてしまう可能性すらあるのです。
私たちは物を買う前に、もっと集中すべきことがあります。
では、物を手放す準備を始めましょう。
物を手放すステップ
ステップ1:簡単なものから捨てていく
まずは簡単なものから始めましょう。
ミニマリストになることは、性格ではなくテクニックの問題です。
誰にでも実践可能です。
最初にやりがちなのが、思い出の品から捨てようとすることですが、これは間違いです。
それは準備運動をせずに全力疾走するようなもの。
まずはウォーミングアップとして、明らかなゴミを捨てていきます。
例えば、床や机の上にあるゴミ、使い終わったお菓子の袋、ティッシュ、風呂場にある空のシャンプー容器など。
これらをゴミ箱に捨てるだけでも、捨てる行為へのハードルが下がります。
ステップ2:物を仕分けする
次に、1部屋ずつ物を仕分けします。
ポイントは、物を以下の3種類に分類することです。
- 残すもの
- 別の場所に移すもの
- 処分するもの
さらに、目標に基づいた基準を明確に設定しましょう。
「大豪邸のように片付いた部屋が理想なのか」
「好きなものだけに囲まれる部屋が理想なのか」
「修行僧のように徹底的に物を手放すのか」
目指すゴールが決まっていれば、迷ったときに判断しやすくなります。
また、期限の基準も設けましょう。
「1年間使わなかったものは捨てる」というルールが有名です。
1年間使わなかったものは、これからも使う可能性は低いです。
特に服に当てはまります。1年着なかった服は、これからも着ることはほとんどありません。
本当にお気に入りなら、普段から着ているはずです。
また、複数個あるものは、必要な数まで減らしてみましょう。
例えば、ボールペンやハサミ、スマホの充電ケーブルなど。
「なんでこんなにあるんだろう?」と思う物を見直し、1個になるまで減らしてみるとスッキリします。
残すものと処分するものが決まったら、次は「別の場所に移すもの」を片付けます。
部屋が散らかる原因の一つは、物があるべき場所にないことです。
例えば、ベッドの上に服が散らかっている場合、服をクローゼットに戻すだけで片付きます。
本を本棚に戻し、書類を一箇所にまとめるだけでも部屋がかなりスッキリします。
さらに、「どこに何があるか分からなくなった結果、買い足してしまう」という事故も防げます。
例えば、「ハサミが見当たらなくて新しいものを買ったら、後で古いものが見つかる」という経験、ありませんか?
物をあるべき場所に戻すだけで、こうした無駄遣いも防げるのです。
ステップ3:どうしても捨てられないものはデジタル化する
最後に立ちはだかるのが、「使わないけどどうしても捨てられないもの」です。
これは思い出の品や必要な書類、写真などが多いでしょう。
こういったものには、「デジタル化」が有効です。
書類や写真はスキャンしてデータ化し、クラウドやスマホに保存することで物理的なスペースをゼロにできます。
物そのものを捨てるのは抵抗があるかもしれません。
しかし、大切なのは物そのものではなく、それにまつわる「記憶」です。
実物でなくても、デジタル化したデータをスマホで見ることができれば、いつでもその記憶を呼び起こせます。
むしろ、実物で持っていると思い返す機会が減りがちです。
スマホに保存しておけば、いつでも思い出せるので、その記憶をもっと大切にすることができるのです。
物を手放す際の注意点
ここまでで、物を捨てるステップはクリアできたと思います。
次に、物を手放す際に注意してほしいポイントをお伝えします。
注意点1:フリマアプリを基本使わない
多くのミニマリスト本や動画では、「不要なものはフリマアプリで売りましょう」と言っています。
しかし、私個人としてはあまりお勧めしません。
理由は、そこにかかる時間とコストが合わないことです。
フリマアプリに出品しても、いつ売れるかは分かりません。
すぐに売れる場合もあれば、数ヶ月売れない場合もあります。
つまり、出品している間、物はずっと家の中に残り続けます。
これでは「物から解放される」という目的からは外れてしまいます。
ブランド物や高価なものなど、すぐに売れると確信できるものは別ですが、それ以外のものはリサイクルショップに持ち込む方が効率的です。
確かに買い取り価格は低くなるかもしれませんが、売れ残ったものは店側で処分してくれるため、自分で抱え込む必要がなくなります。
注意点2:収納ボックスを買わない
片付けをする際、「物が多いから収納ボックスを買おう」と考える人が多いです。
しかし、これは絶対にやめてください。
収納ボックスを買うのは、問題を先延ばしにするだけです。
物を分類してボックスに入れると、一見片付いたように見えますが、実際には物の量は減っていません。
むしろ、収納ボックス分の物が増えています。
根本的な解決のためには、収納ボックスではなく「不要な物を処分する」ことが大事です。
片付けを始める前に、Amazonで収納ボックスをポチるのはやめましょう。
ボックスに入れて奥にしまうという行動は、「その物は使わない」という証拠です。
思い切って処分するべきです。
注意点3:感情的な抵抗を克服する
特に思い出の品を手放す際、「これを捨てたら大切なものを失うのではないか」と感じることがあります。
これは自然な感情ですが、大切なのは「記憶」であり、物そのものではありません。
物をデジタル化することで、記憶を残しつつ物理的なスペースを空けることができます。
実際、私も小学校の時に作った図鑑を捨てる際は泣きそうになりました。
でも、デジタル化して保存してからは、むしろその思い出を手軽に振り返ることができるようになりました。
実物がなくても、記憶が消えるわけではありません。
スマホで頻繁に思い出を振り返る方が、実際の物を押入れにしまい込んで数年に一度見るよりも、記憶を大切にしていると言えるのではないでしょうか?
物を手放すことのメリット
ここまでのステップと注意点を踏まえれば、かなりの物から解放されていることでしょう。
ここからは、私の実体験を交えながら、断捨離の際に気をつけるポイントについてお話しします。
注意点4:手放すプロセスで完璧を目指さない
断捨離を始めると、「もっと物を減らさなければ」と、極端に考えてしまう人もいます。
しかし、ミニマリズムの目的は「本当に大切なものだけに囲まれて暮らすこと」です。
必要なものまで手放してストレスを感じるのでは、本末転倒です。
完璧主義になる必要はありません。
あなたにとって必要だと思うものは堂々と残しましょう。
注意点5:人に押し付けない
ミニマリズムを実践すると、そのメリットに感動し、周りの人にも勧めたくなることがあります。
しかし、他人に「これ捨てた方がいいよ」と強要するのはNGです。
ミニマリズムは、あくまで自分のための思考法であり、他人が同じ価値観を持つとは限りません。
断捨離の結果、得られるもの
物を手放すことで、私たちの生活は劇的に変わります。
- 時間の余裕:片付けや探し物にかかる時間が減り、本当にやりたいことに集中できます。
- お金の余裕:余計な物を買わなくなるので、自然と貯金が増えます。
- 心の余裕:物が減ることで、空間的・精神的な解放感が得られます。
ミニマリズムを実践した先の幸福な生き方
最後に、断捨離の延長として、私たちが目指すべき「お金の使い方」についてお話しします。
物を減らすことで、お金や時間が余るようになります。
その浮いたお金を何に使うか――これが次の重要なステップです。
ジョシュア・ベッカーが提案している、幸福度を上げるお金の使い方は以下の3つです。
- 経験に投資する
- 他人のために使う
- 時間を買う
1. 経験に投資する
「経験にお金を使うこと」は、物を買うことよりも持続的な幸福感をもたらします。
例えば、旅行、スポーツ観戦、新しいコミュニティに参加することなど。
特に、他人と共有できる経験にお金を使うと、さらに効果が高まります。
この研究では、物は買った瞬間が幸福のピークですが、経験はその前後も幸福感が続くことが分かっています。
旅行やイベントの思い出は、何年経っても「記憶の配当」をもたらします。
Googleフォトのように、数年前の写真を見返すと、懐かしい気持ちになりませんか?
これが経験に投資するメリットです。
2. 他人のために使う
誰かのためにお金を使うことは、自分の幸福感を持続的に高めます。
例えば、友人を食事に誘う、プレゼントを渡す、寄付をするなどです。
研究では、自分のために使うお金よりも、他人のために使うお金の方が、幸福度を上げる効果が高いことが示されています。
「自分のために使いたい」という気持ちは当然ですが、少額からでも他人のために使ってみることで、意外な満足感が得られるはずです。
3. 時間を買う
時間をお金で買うことも、幸福度を上げる効果があります。
例えば、家事代行サービスの利用や、通勤時間を短縮するために職場の近くに住むことなどが挙げられます。
最新の家電を購入して家事時間を短縮し、浮いた時間を趣味や家族との時間に充てることも「時間を買う」一つの方法です。
まとめ
断捨離を通じて物を減らし、余裕のある生活を手に入れることが、ミニマリズムの第一歩です。
さらに、その余裕を「経験」「他人への支出」「時間を買う」ことに投資することで、人生の幸福度はさらに向上します。
これを年末に実践することで、新年はより豊かで幸せな一年になるでしょう。
ぜひ、この機会に断捨離をして、物に縛られない自由な人生を始めてみてください!
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