もし小泉進次郎が総理大臣になったらどうなるのか?

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もし小泉進次郎が総理大臣になったらどうなるのか?
-自民党総裁が9月27日に選出されます。自民党のトップを決めるこの選挙が、事実上の内閣総理大臣を決める選挙となります。今回、過去最多の9人が出馬しています。届出順で、高市早苗氏、小林孝之氏、林義正氏、小泉進次郎氏、上川陽子氏、加藤勝信氏、茂木俊光氏が出馬となりました。その中でも世論調査などの予想では、小泉進次郎氏、石破茂氏、高市早苗氏が上位に来ることが多く、注目を集めていると言えそうです。

国会議員としても若手の43歳で、総理大臣となれば初代伊藤博文氏の44歳という最年少就任記録が102代目にして更新されることになるからです。では、もし小泉進次郎氏が総理大臣になったら、その若さを武器にどのような政治を行ってくれるのでしょうか。

そこで今回は、もし小泉進次郎が総理大臣になったら社会はどうなるのか、他の候補者の政策とも比較しながら考えていきたいと思います。

小泉進次郎氏について

神奈川県生まれ43歳の小泉進次郎氏は、これまで衆議院議員への当選は5回。第2次安倍内閣では、男性として最年少の38歳で初入閣、環境大臣に抜擢されました。進次郎氏は、2001年から2006年まで総理大臣を務めた小泉純一郎氏の次男です。小泉内閣発足時の内閣支持率87.1%は、戦後の内閣発足時の数字として過去最高で、今なお破られていません。「聖域なき構造改革」を掲げ、在任期間中は強いリーダーシップを発揮しました。大きな実績としては、郵政民営化でしょう。

郵政民営化とは、それまで日本郵政公社として国の事業だった郵便、保険、郵便貯金といった事業を別会社に分けて民営化するというものでした。民間に渡せるものはできる限り民間の運営に委ねることで、より自由な経済社会を実現しようと考えたのです。こういった政策に対しては、立場によって賛否があるでしょうが、印象に残る政治家であったことは間違いないでしょう。

環境大臣としての進次郎氏

そんな父親の血を受け継ぎ、小泉進次郎氏も若手政治家としてメディアから注目を集めています。進次郎氏は環境大臣として、環境問題への積極的な取り組み姿勢を見せてきましたが、主な実績としては大きく2つあります。1つ目は気候変動対策です。これは、2015年のパリ協定の約束を守り、地球温暖化対策を進めていくことが背景にあります。

そもそも、このパリ協定とは、地球温暖化を防ぐために世界の国々が協力して温室効果ガスの排出を減らすことを約束するという国際的な取り組みのことです。このパリ協定により、各国はそれぞれの状況に応じた削減目標を設定し、進捗を報告し取り組むことになったのです。ただ、日本は石炭火力を支援する世界有数の国でもあります。そのことで海外から批判を受けていました。2019年のCOP25の国際会議の場でも批判の対象となり、世界の環境団体が気候対策に前向きでない国を決める「化石賞」まで受賞してしまいました。

そういった中で、進次郎氏は環境大臣として検討会の発足や政府への働きかけを積極的に行い、その成果として、2020年に政府は石炭火力発電の輸出支援を厳格化するという方針を決定しました。2021年には、新たな輸出支援は完全に行わないという戦略転換に至りました。もう1つはプラスチックごみ削減に向けた取り組みです。

2019年6月、日本を議長国として開催されたG20大阪サミットでは、海洋プラスチックごみ対策が本格的に議論され、2050年までにプラスチック汚染をゼロにするという目標が掲げられました。検討されていたレジ袋の有料化がちょうど始まったことで、進次郎氏もメディアに多く露出していたのは記憶に新しいことでしょう。

なお、2021年には2030年までに使い捨てプラスチックを累積で25%削減するという通称「プラスチック新法」の閣議決定にも至っています。

ただ、これらの環境政策への取り組みは世界的な動きでもありますから、進次郎氏が具体的な政策を立案し、それを成立させたという実績ではなく、実際にはまだ経験を積んでいる段階だと言えるでしょう。例えば、比較対象としてフランスの大統領、エマニュエル・マクロン氏のケースがあります。マクロン氏は、史上最年少の39歳で大統領に就任しましたが、それ以前に経済大臣を務め、経済の自由化と規制緩和を進める「マクロン法」を成立させています。

自身の名前がつくような政策を立案し、実行に移す一連のプロセスを経験しているため、その成果が彼の大統領としての地位を支えています。進次郎氏が日本の総理大臣として国際的な交渉やリーダーシップを発揮するためには、メディア向けの発言だけではなく、具体的な政策を打ち出し、それを実行に移すための実効力が求められます。

進次郎氏の不安要素

もちろん、政治家というのは官僚を含めたチームで動きますから、1人だけで全てを決めるものではありませんが、現在の混沌とする世界情勢の中では、アメリカのトランプ氏やカマラ・ハリス氏、中国の習近平氏、ロシアのプーチン氏といった歴史に名を残すような政治家を相手に、交渉や外交を行う必要があるわけです。自民党の党員は、そういった視点も踏まえて、総理を誰にするか決めることでしょう。

進次郎氏に関して、経験不足が懸念されるのは事実です。しかし、彼がメディアに露出して国民を引きつける力には、目を見張るものがあります。例えば、環境大臣時代の国連の気候行動サミットで「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組もう」という「セクシー発言」は賛否両論を呼びましたが、大きな注目を集めました。

また、「進次郎構文」と呼ばれる独特の言い回しがネット上でも話題になるなど、その発言や姿勢がメディア戦略として成功している面もあります。X(旧Twitter)のフォロワーは6万人と控えめですが、Instagramのフォロワーは18万人に達し、特に女性層を中心に支持が広がっている様子が見受けられます。もし彼が総理大臣になれば、日本の若きリーダーとして国際的な注目を集める可能性が高いでしょう。

何より、最年少での総理大臣ということで、若手政治家の登用が進み、政治の世代交代が加速するかもしれません。これは、日本の政治において大きな変化となる可能性があります。

さて、ここで彼の政策を他の候補者と比較してみましょう。進次郎氏は9月6日に出馬会見を行いました。会見の冒頭で「私は総理になって、時代の変化に取り残された日本の政治を変えたい。長年議論ばかり続け、答えが出ていない課題に決着をつけたい。そして、大きな課題だけでなく、1人1人の小さな願いも届く政治を実現したい。子どもたちの未来に間に合うように政治を加速させたい」と述べました。

また、「私が総理総裁になったら、できるだけ早期に衆議院を解散し、私の改革プランについて国民の信を問うことにいたします」と、衆議院解散についても触れています。

経済改革についても、進次郎氏は「聖域なき規制改革」を掲げ、日本経済の活性化を目指すと表明しました。その核心は、大企業に集中する資源をスタートアップや中小企業へ流動化させることにあり、新産業の創出と賃金上昇を目指すものです。

具体策として注目を集めたのは、ライドシェアの完全解禁です。これは、一般ドライバーが有償で乗客を送迎できるようにする制度です。また、解雇規制の見直しも重要なポイントで、中心的な雇用モデルからの脱却を図り、人材の流動性を高めることを目指しています。

ただ、これに対しては多くの不安の声が上がったため、進次郎氏は「解雇の自由化ではない」と強調し、突然解雇されることがないように配慮を示しています。規制を緩和する代わりに、再教育や企業による解雇時の支援の義務付けなどが構想に含まれているようです。

進次郎氏は、これらの改革を通じて日本経済の復活を目指すと語っていますが、これらの提案は今までの制度や利害関係に対して大きな変革を迫るものであり、実現に向けてはかなり多くの議論と調整が必要になるでしょう。経験不足も懸念される状況で、今後、これらの改革がどのように具体化され、実行に移されていくのか注視する必要があります。

小泉進次郎氏のライバル

そして、進次郎氏に立ちはだかるライバルたちも競合揃いです。世論調査では順位が入れ替わることもありますが、進次郎氏、石破茂氏、高市早苗氏の「3強」とも呼ばれる傾向が見られます。次に、石破氏や高市氏の主張にも触れてみましょう。

石破茂

まず、石破茂氏について見てみましょう。彼は防衛大臣や農林水産大臣などを歴任し、日本の防衛や安全保障の分野で豊富な経験を持つ政治家です。9月12日に行われた演説会では、今回の総裁選を「最後の戦い」と位置づけ、全力で臨む決意を表明しています。演説内容では、特に石破氏が関心を示している国防や地域創生について強調していました。

中でも、石破氏は日本の防衛力強化の重要性を強調し、北朝鮮のミサイル発射やウクライナ戦争を例に挙げ、相互確証破壊の限界に触れました。相互確証破壊とは、核兵器を持つ国同士のどちらかが攻撃すれば、相手も必ず反撃するため、両国が壊滅的な被害を受けるという恐怖の均衡によって戦争を防ごうとする戦略です。しかし、石破氏はこの戦略が現状では限界に達していると指摘し、国防の再構築が必要だと訴えました。

さらに、石破氏は国連が機能しなくなっている現状に対応し、アジアにおいて新たな集団安全保障の仕組みを作ることが喫緊の課題だと述べ、彼の長年の主張である「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設を訴えています。このように、石破氏は地域防衛と国際的な安全保障に力を入れた政策を掲げており、その経験と専門性が強みと言えるでしょう。

また、石破氏は防災対策にも強い関心を示し、特に過去の災害を例にとって避難所の環境改善を強調しています。彼は、ノトの震災時の避難所環境が劣悪だったことを問題視し、台湾やイタリアの迅速な避難体制を参考に、日本でも3時間以内に快適な避難所を提供できる体制を整えるべきだと述べました。この発言は、災害大国である日本にとって重要な視点と言えるでしょう。

高市早苗

次に、高市早苗氏です。高市氏は総務大臣や経済安全保障担当大臣を歴任し、特に経済安全保障法の制定や国防力強化に積極的に取り組んできたことで知られています。また、安倍元総理との親しい関係から、保守的な政策や国家の安全保障を最優先に考える「安倍路線」を大枠で継承していると言われています。

実際に、9月9日の出馬会見では「総合的な国力を強化するためには、何よりも経済成長が必要だ」と述べ、経済成長を追求し、日本をもう一度世界のトップに押し上げたいと強調しました。財政出動の重要性を前面に押し出す姿勢を見せており、これも安倍内閣が掲げた「アベノミクス」と同様の方針と言えるでしょう。

安全保障政策においても、高市氏は宇宙、サイバー、電磁波領域、無人機、自立型AI兵器など、新たな戦争形態に対応できる国防体制の構築を掲げています。特に、ミサイル攻撃に対して「相手領域内で有効な反撃を加える能力」の保有を進める方針を打ち出し、国防に関する積極的な姿勢を見せています。

さらに、来年の結党70年を機に自民党を「生まれ変わらせる」決意を強調しており、党内改革にも意欲を示しています。彼女は「自民党を国民から信頼される政党に生まれ変わらせること」を最優先課題とし、「Let’s Be Reborn(レッツ・ビー・リボーン)」というスローガンを掲げました。政治資金の透明性を高め、党の財務運営において「俗人性を排除する」意向を示し、党内のクリーンな運営を目指しています。

また、若手議員が資金面で困窮せずに政治活動を行える環境を整えることも重要視しています。彼女の政策は、経済成長と安全保障に大きな焦点を当てたものであり、伝統的な保守層からの強い支持を得ています。

さて、ここで注目されているのが「政治とお金」の問題です。高市氏が掲げる改革の一つとして、政治資金の透明性の向上が挙げられています。これは、自民党内で度々取り沙汰されてきた派閥内での不正な資金流用問題を受けてのもので、国民の信頼回復が急務とされています。さらに、税制改革についても、金融所得課税の見直しが争点となっています。

金融所得課税とは、株式や投資から得られる利益に対する税金で、現行では一律20%の税率が適用されていますが、この税率の一律性が富裕層に有利であるという批判があります。石破氏は金融所得課税の強化を提案し、格差是正のための重要な議論であると訴えていますが、この課税強化が市場や投資家に与える影響については慎重な意見もあります。

まとめとして、各候補者が掲げる政策にはそれぞれ強みと課題があり、国民はこれからさらに候補者の主張を精査していく必要があります。進次郎氏をはじめ、石破氏や高市氏など、誰が次期総理になるかは、今後の日本の政治と経済に大きな影響を与えることでしょう。

終わりに

このブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今回の総裁選は、日本の未来を大きく左右する重要な選挙です。小泉進次郎氏が総理大臣になった場合の展望や、石破茂氏や高市早苗氏をはじめとする他の候補者たちとの政策比較を通じて、各候補のビジョンや強みが少しでも伝わったのなら幸いです。

この総裁選は、ただの政治イベントではなく、私たち国民一人一人がどのような国に住み、どのような未来を目指すかという問いに直結しています。誰が日本を率いるべきか、その選択は私たちの手にかかっています。候補者たちの公約やビジョンをしっかりと見極め、これからの政治に興味を持ち続けてください。

また、政治と経済は切り離せない重要なテーマです。ニュースや日常の出来事にも興味を持って、ぜひ自分なりの意見や考えを深めていってください。今後も政治や経済について多くの情報を発信していくので、引き続きご覧いただければ嬉しいです。

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